遠江発祥の企業紹介 ラストはヤマハです。
この記事を作成している途中に、静岡県西部が台風24号による大停電に陥り、丸2日プラスアルファ電気のない生活を送る羽目になってしまいました。あらためて電気のありがたさを感じつつ綴ってまいります。
2018年7月にオープンしたばかりのヤマハ イノベーションロード
楽器メーカーでおなじみのヤマハの本社ビル内(浜松市)に企業ミュージアム ヤマハイノベーションロード(INNOVATION ROAD)がオープンしました。
イノベーションとは、物事の「新機軸」「新しい活用法」を意味します。
浜松駅からは遠州鉄道で3駅の八幡駅で下車すぐ。敷地内には駐車場も用意されています。
事前予約が必要ですが、入館無料です
こちらも「スズキ歴史館」と同様に事前予約制になっています。2018年9月末現在、受付は電話のみとなっています。
ちなみに私は8月末の平日に当日予約で受け付けていただけました。
駐車場から建物に向かう横断歩道が鍵盤♪
守衛さんに予約した旨を伝え入館証をいただき、ミュージアムのあるビルに入ります。
右側が入口
エントランスでお出迎えしてくれたのは、リアルなシロクマ親子
ちょっと前まで浜松駅の新幹線改札を入ったところの展示スペースにいましたが、こちらにお引越しされたようです。
シロクマ親子の右側に受付ブースがあり、名前などを伝えれば受付完了。リーフレットをいただいて見学スタートです(個人は自由見学)。展示ルームは向かって左側です。
12のエリアで歴史や製品を多彩に展示
展示室は12のエリアで構成されています。私の興味のあった分野をヤマハとの思い出を綴りながらご紹介します。
コンセプトステージ
こちらは最新の楽器が展示されているようです。これらもほとんどが”サイレント”です。
楽器展示エリア
展示室の中央を占めるのは体験できる展示。ピアノもギターも管楽器も試奏できちゃうんです。
ギターはピックもチューナーも準備万端!奥にはエレキもあります。
ン百万円するようなグランドピアノも弾けちゃうんです。
とはいってもよほどの腕前じゃないとここでは弾けないよね・・・というアナタには、ヘッドホンをすれば音が漏れない電子ピアノもたくさん用意されています。私もちょっと弾いてみました。電子といっても限りなくピアノのキータッチに近くなっていて驚きます。
壁沿いに時計回りで進んで行くと、ヤマハものづくりや歴史が学べます。
ものづくりへのこだわりを伝える”ものづくりウォーク”
今でこそピアノは掛川市に工場が移転してしまいましたが、管楽器などは浜松市内で製造しているそうです。ちなみに、ピアノ工場は、自動車工場と並んでこの地域の小学生の定番見学コースです。
この他に、ピアノの艶々に輝く黒を出す技なども解説されています。
その技は、高級車のインテリア(内装)にも使われているんです。
イノベーションロードマップ
ヤマハの創業からの歴史がわかりやすく展示されています。
和歌山県出身の山葉寅楠は、本業は医療器械の修理工。当時まだ珍しかった輸入オルガンの修理を依頼されてはるばるやってきた浜松で、ぜひ国産のオルガンを作ってみたいと創業。1887(明治36)年のことです。浜松にそういう気概にさせるものがあったんですね。ちなみにそのオルガンを所有していた浜松市でいちばん古い歴史を持つ小学校(元城小学校)は、残念ながら昨年閉校となりました。
その後、ピアノから多種の楽器、さらにはオートバイの開発へ。(現在、オートバイはヤマハ発動機という別会社です)
通路の右側は、スーパーサラウンドシアター。正面は製品の歴史を実物展示。
初代オルガン
初期型グランドピアノ(近代化産業遺産)
1903(明治36)年に造られたもの。明治天皇・皇后が購入されたそうです。
正面に書かれている「Nippon Gakki Seizo(日本楽器製造)」という英文字が懐かしい響きです。ヤマハは、私たちが子供の頃はまだ日本楽器製造という会社名でした。いまだに年配の人の中にはヤマハを「にちがく」と言う方もいますね。
ヒストリーウォーク
壁一面のスペースを使って、様々な製品が展示されています。
楽器は苦手という方でも楽しめるこのコーナー。一度は目にしたことのある懐かしい製品に巡り合えますよ。
スポーツ用品(テニス、バトミントンラケット、ゴルフクラブ)もありました。
テニスと並んでバブリーな時代の象徴、スキー板もありましたね~
国産のヤマハは憧れでした。結局外国メーカーのものしか買えませんでした・・・(泣)
時代はちょっと遡りますが、エレクトーン
エレクトーンってヤマハの商品名だったんですね。
私は小さいころからピアノを習っていましたが、先生は怖いし、弾く曲はクラシックばかりでつまんないので、中学生になって親を拝み倒しヤマハのエレクトーン教室に通いました。両手両足を使ってリズミカルに弾くエレクトーンが恰好よくて憧れでした。なんといってもポップス(歌謡曲)が弾けるのがうれしかったですね。でも、ピアノが家にあったので、さすがにエレクトーンは買ってもらえませんでした。
でもこの頃、ギターも弾きたくなって学校のクラブ活動でギターを習ったのをきっかけにヤマハのアコースティックギターを買ってもらいました。
その後、学生時代にはコントラバスの世界に足を踏み入れてしまい・・・
社会人になってから自分の楽器を中古で買ったのですが、何せデカい(爆)
このサイレントベースが出た時は衝撃でした。買おうとも考えたのですが、結局そのままじゃ音が出せないので重いアンプを運ばなくっちゃいけないことに気づいてあきらめました・・・
あっ、その後にエレアコギターも買ったっけ。あれは生音も出せるし、一石二鳥です
まあこんな調子なので、どれもこれも中途半端で今にいたっておりますが(>_<)
でも、唯一これは(ピアノで基礎ができていたせいか)きちんとできました。
小中学校での定番楽器ですね。
ここまで見学してかなりテンションが上がり、体力消耗しちゃいました~
音響展示
薄暗いスタジオ風の部屋の中に、ミキサーなどプロ仕様の歴代機器が並んでいます。
ステージもあり、イベントがみられることもあるそうですよ。
ざっと一回りして40分ほど、ヒストリーウォークとロードマップ(歴史年表)が面白くて、再び気になるところを見て約1時間ほど見学を楽しみました。
時間制限があるわけではないので、納得いくまでじっくり見られますよ。
ところで、ちょっと気づいたこと。
それまでに巡った浜松周辺のスポットと比べると人物にあまり光を当てていな感じを受けました。銅像作れとはいいませんが(苦笑)、浜松出身ではないものの寅楠さんのこともう少し知りたかったし、歴代の名物社長さんも紹介するコーナーがあるといいですね。
そして、もうひとつヤマハといえばモノだけでなく音楽文化を発信する企業としての貢献度は大きいと思います。私もお世話になった音楽教室、そしてフォークからニューミュージックという新ジャンルを気づいたポピュラーソングコンテスト、またその舞台となった掛川市のつま恋など。音楽史上に残るイベントの数々を残してきたヤマハだからこそできる展示コーナーがあってもいいかな、と。
さらなるバージョンアップを期待したいと思うのでした。