先日、岐阜県の丸山ダムの見学ツアーに行ってきました。
あとわずかしか見られない丸山ダムの堤体見学ツアー
前記事でもご紹介したとおり、完成後60年を経過した丸山ダムは、現在かさあげ工事が始まり数年後には「新丸山ダム」ができます。それに伴い丸山ダムは沈んでしまうことになるので、丸山ダムを見られるのはあと少しということになります。
実は今回2回目の丸山ダム見学になります。
1度目は個人(家族)で出かけ、今回は20名ほどの団体での見学です。個人と団体でコースが若干異なっていましたので、改めてまとめてみたいと思います。
ダム管理所入口とダム正面
ダムの下流側に事務所があるこのシチュエーションは珍しいです。放流を見てみたい気がするけど、この近さはちょっと怖いかも・・・
右下の写真が、昨年7月の西日本豪雨の時。岐阜県内でも大きな被害がありました。
この丸山ダムは、発電、洪水調節、農業用水など多目的ダムとして運用されています。今回見学するのは、主に洪水調節をする役割を担う国土交通省が管理する施設となっています。
ダム管理所操作室
(2012.10撮影)
現在は、ほとんど遠隔操作ということで、ここは非常用の操作卓。室内の様子は今回撮影しませんでしたが、前回と目立った変化はなかったように思います。
15分ほどパネルなども使ってこの部屋でダムの説明があった後、いよいよダム内へ
監査廊入口
監査廊(かんさろう)は、ダムの管理点検用に使われるダム内の通路。一般人は自由に入ることはできない領域であり、響きも”秘密基地”っぽくて、ダム用語でもいちばん好きかも♡
高さ98.2メートルの丸山ダム。真横に行くとその巨大っぷりが実感できます。
入口の上の銘板には「動中静」と書かれています。丸山ダム建設当時関西電力の社長で、その後黒部ダムの工事の指揮もとった太田垣士郎氏の書です。
監査廊通路
エレベーター
かなり年季を感じる構造物。前回はこれには乗せてもらえませんでしたが、なんと今回はこれに乗って天端(ダムの上)に向かいます。ある意味、スリルあるアトラクションです(^^;)
階段
通路の突き当りには上と下に続く急な階段が見えます。選択できるなら片道くらい階段も使ってみたかったですけど・・・
エレベーター内部
いわゆる昔の二重扉(手動式)です。途中で止まりませんように~
乗車1~2分(くらいだと思います)でダムの上部(天端)に到着です。
ダム天端
堤長は260m。新丸山ダムは340mになります。
左の山肌のコンクリートは、ダム建設に伴い川の流れを迂回させる「転流工」です。
望遠で撮ってみました。
乗ってきたエレベーターの出入り口はこの塔の中
ダム下流側
奥に見える新しい橋脚は国道の付け替え道路です。
放流ゲート
放流ゲートは全部で5つあります。
この真ん前約50mのところに堤高122.5mの新丸山ダムが建設されます。高さは現在より24.3m高くなり、この丸山ダムはダム湖に沈むことになります。
なお、沈む際には、このあたりのコンクリート部分は壊されるそうです。
ダム湖(丸山蘇水湖)
写真左に見えるのは関西電力の管理事務所
(2012.10撮影)
なんで岐阜県なのに関西電力?っていう話になりますが、木曽川水系は関西電力の前身の会社が水利権を持っていたんですね。木曽川沿いを走ると関西電力のダムがいくつも見られます。ちなみに黒部川水系(黒部ダム)も関西電力。よその地域にたくさん水力発電所持ってますね~
ダム湖の流木は、収集された後に希望者に配布されるそうですが大人気だそうです。
ダムの上部にはすでに完成している新管理事務所も見えます。
その下に見える柵と東屋のような部分は展望台です。今回はダムの監査廊を通りエレベーターで上がりましたが、こちらの展望台からダムにおりることもできます。
この後、再びエレベーターで下に降りてダム見学は終了です。
ダム管理所の前に見える岩盤
これを見たバスガイドさんから「みごとな柱状節理だわ~」とタモリさん並みの専門用語が飛び出てきたのでビックリ(@_@) でした~
以下の写真は、2012年10月に撮影した展望台からの様子です。
展望台からの風景
現在、展望台周辺は転流工の掘削工事のため交通規制があります。行かれる際は、あらかじめ工事情報などを確認の上お出かけください。
毎回係の方が丁寧に説明、また質問にもわかりやくす答えてくださいます。
完成よりも工事中が楽しみな私。本格的にダム堤体の建設が始まったらぜひ工事現場の見学会も催していただきたいと思いました。