2019年6月の福岡の旅 つづきです。
鴻臚館(こうろかん)で100名城スタンプをいただき、鴻臚館の歴史もしっかりと勉強して福岡城跡に向かいます。
福岡城築城の歴史
関ケ原の合戦で東軍についた黒田長政は、その多大なる功績で筑前国名島の52万石の藩主となりました。名島から少し離れたこの地に福岡城を築城しました。1601年から7年がかりで完成したお城です。別名・舞鶴城。
元々この地は「福崎」という地名でしたが、黒田家ゆかりの岡山県の地名から「福岡」と名付けられたといわれています。
明治時代の廃城により一部の櫓や門、石垣などを残すのみですが、その一部は重要文化財に指定されているものもあります。また三の丸のあった部分は、7~8世紀の外交使節でもあった鴻臚館跡であり、国内では珍しい「二重指定史跡」となっています。
2つの公園にまたがる広大な福岡城跡
舞鶴公園と大濠公園と呼ばれる2つの公園にまたがる広大な敷地です。東京ドームに換算すると9個分になるそうです(福岡ドームで比較しないのね?)。
東の舞鶴公園には天守跡や多門櫓、二の丸跡があり、西の大濠公園は三の丸跡や移築された遺構があります。
東御門跡から天守台・多門櫓まで歩く
鴻臚館で福岡城跡の地図をいただいて散策出発。なお、鴻臚館の近くに「福岡城むかし探訪館」という施設もありますので時間があればそちらで福岡城跡の予習もできます。
東御門跡
二の丸・本丸エリア内に向かう入口。敵の侵入を防ぐための枡形配置になっています。
城内の案内板
解説や地図が書かれた各所に設置されています。九州は隣国の観光客が多く(正直日本人より多い)、案内は4か国語対応です。
福岡城跡内にはスポーツグラウンド、美術館などが点在しています。
城内にラグビー場、その横には櫓があるというなんともカオス・・・
祈念櫓
北東隅櫓。大正時代に寺院に移築されていたものが再び城内にお里帰り。この時は「工事中」という表示が出ていて、近くまで行かれませんでした。
大河ドラマの時に作られた看板でしょうか?パパ・官兵衛(如水)の方が知名度も高いですね。
官兵衛は城内で隠居生活を送り1604年に没していますので完成を見ることなく・・・残念。(彦根藩の井伊直政も関ケ原の功績で得た新天地・彦根城の完成を見ずに没しています)
二の丸から本丸へつながる石垣は、打ち込みハギ。関ケ原以降の築城で見られる石積みです。
本丸
門の近くに図面が掲示されていますが、本丸の建物は残っていません。
広すぎて草木の手入れが間に合っていない感じ!?
天守台
ここも建物はありませんがかなり立派な石垣が残っています。
天守台の階段や柵は、さすが大都市福岡!という感じで立派に整備されています。
ベイエリアの方向にズームしてみると、ヤフオクドームや福岡タワーが見えます。
ここに実際に天守閣が建てられたかどうかは謎に包まれています。造営したけれども徳川家に遠慮して図面に掲載しなかったという説、早いうちに取り壊してしまったという説などがあります。
埋門跡
石垣の一部を切って裏口などへ通じる門を埋門(うずみもん)といいます。面白そうなのでくぐってみましたが、その先は・・・武具櫓跡というエリア。何もなく行き止まりでした(>_<)
まだ見るべき重要ポイントが現れませんので先を急ぎます。
なかなかいい感じにそびえる石垣もあります。
やっとたどりついたようです。
多門櫓
南西にある櫓で、江戸時代から城内に現存する唯一の建造物です。
長屋のような建物で総延長が72メートルあります。内部には入れませんが16の部屋に分かれているそうです。中には非公開。
100名城スタンプの図柄はこの多門櫓のイラストが採用されています。
スタンプを押した時に、この櫓のこと(重要な建造物であること)と行き方を教えていただきましたが、それを聞いてなかったら位置的にもルート的にも見逃していたと思います。
桐ノ木坂御門跡の石垣
桐ノ木坂御門跡を出たところ、一直線に続く石垣も見事です。ここには野面積みも見られます。
城内歩き所要時間
東御門跡⇒(10分)⇒本丸・表御門跡⇒(5分)⇒天守台⇒(10分)⇒多門櫓⇒(5分)⇒桐ノ木坂御門跡
北東の東御門跡から入って、南西の桐ノ木坂御門跡に出るルートで、おおよそ30分。駐車場や地下鉄駅から歩く時間も含めると最低1時間は必要です。
またこの他にも移築した櫓などが点在していますし、100名城スタンプ設置場所の鴻臚館は、お城とはまったく別の古代歴史を知る貴重な史跡なので必見。余裕をもって2時間は見ておきたいです。
100名城スタンプは必要ないという方はこちらが一般的な入口かと思います。
松ノ木坂御門跡
かなり歩きごたえのあった福岡城跡。名古屋城や大坂城にも負けない広さがあります。徳川の城ではないにもかかわらず、江戸からはるか離れたこの地にこれだけの城を構えた黒田家の力がうかがえます。
しかし、この広さなので猛暑の季節の城歩きはオススメできません。春や秋の気候の良い季節にぜひ楽しんでいただきたい思います。
この後は、通りを挟んだエリア大濠公園に向かいます。