もう何度も足を運んでいる大好きな佐久間ダム♡
私の中では黒部ダムと甲乙つけがたいのですが、地元愛も含めるとやはり一番はこれになるかな?
黒部は自然を大きく包み込むようなアーチダムですが、こちらはスラリと伸びた直線的なコンクリート美が特徴。そして年月を経た貫録がなんともいい感じ☆彡
しかし主観だけでなく、日本の土木史上にも大きな役割を果たしたダムなのでぜひ多くの方に知っていただきたいと思うのです。
- 佐久間ダムの概要
- ダムと周辺の風景
- 入館無料の佐久間電力館
- ダムの全景がのぞめる屋上の展望スポット
- 佐久間ダムにおすすめの季節
- 佐久間発電所と佐久間周波数変換所
- ダムカード
- 佐久間ダムへのアクセス(2019年最新情報)
- 佐久間ダムへの要望
佐久間ダムの概要
佐久間ダムの場所
静岡県浜松市と愛知県にまたがるダムで、静岡県側は平成の大合併で浜松市天竜区に編入した佐久間町にあります。
市の中心部からは60km以上、車で2時間ほどかかる場所にあります。
静岡県は東名や新幹線で通過するにも「まだ静岡県」と他県の方からひんしゅくを買うほど東西に長い県ですが、浜松市は南北に長く、走っても走っても「まだ浜松市」です(苦笑)
建設の経緯(超概略)
”暴れ天竜”と呼ばれた曲がりくねった天竜川をせき止めて造られた大規模ダム。
戦後の電力不足と静岡県西部から愛知県の広範囲にわたる水源として、発足したばかりの特殊法人電源開発(現.電源開発株式会社)によって建設されました。
大型機械と外国人技師を採用して造られた初のダムでもあり、戦後の復興期にわずか3年という工期で完成させたことから土木史上にも残るダムとなっています。
なお、機械導入をして最初に建設されたダムは岐阜県の丸山ダムです。
この佐久間ダムの成功が、後に続く黒部ダム、奥只見ダム、御母衣(みぼろ)ダムといった大規模ダムの建造に影響を与えているのです。
すでに完成から63年になりますが、貯水量とダム堤高はいまだにベスト10圏内に入っています。
水力発電と農業・生活用水を主目的としたダムでしたが、2004年からは洪水調節目的(国土交通省)も追加された多目的ダムになっています。
【所在地】静岡県浜松市 / 愛知県北設楽郡豊根村
【河川】天竜川水系天竜川
【形式】重力式コンクリートダム
【堤高/堤頂長】155.5m/293.5m
【総貯水量】32685万㎥
【着工/完成年】1953/1956年
(出典:ダムカードより)
ダムと周辺の風景
全景(佐久間電力館の屋上から)
全ゲート放流
(2006.7.23撮影)
この時は大雨の後、放流が見たくて命がけ!?で行きました。この写真はダム手前のトンネル内から出られる展望台から撮影したと思います。近年は手入れされずに立ち入り禁止になっている様子。
トンネル
このトンネルも素掘りの雰囲気がなんともいえません(基本的には車道ですので歩行はご注意ください)
放流ゲート真上から
天端
この道路のどこかに県境があります(手前が静岡県、奥が愛知県)
県境の看板
取水口
左岸(静岡県側)にあり、ここから下流の佐久間発電所に運ばれた水力で発電を行っています。取水口すぐ横に6~7台分の駐車スペースがあります。
ダム湖(佐久間湖)
電源神社
この神社の横を通りすぎ、坂を登った先に佐久間電力館があります。こちらでダムカードがいただける他、屋上からダムが一望できるのでぜひ立ち寄りましょう。
なお、車で手前まで行かれますが、急坂かつ駐車場は傾斜地になっています。不安な方は取水口横の駐車場に停めて10分くらい坂道を歩いていきましょう。
入館無料の佐久間電力館
直径3.8メートルもあるタービンの部品。1955(昭和30)年の東芝製。37年使用された後ここで余生を送っています。
展示室内
入ってすぐには、エネルギーのことが学べるコーナー、ダム周辺の地形などのジオラマなどがあります。若干ゲーム的な要素もあるので子供も楽しめると思います。
こちらでは建設の歴史を振り返る写真展示と映像が用意されています。(期間展示かもしれませんが・・・)
ダムの全景がのぞめる屋上の展望スポット
展示館の中から2階へ登るとそこから屋上の展望台への通路があります。
見晴らし最高! よほどの悪天候でない限り、ダムを訪れたら必ず足を運びましょう!
佐久間ダムにおすすめの季節
春にはダム湖畔に桜が咲き、紅葉も人気のスポットです。が、私個人的には、桜が終わって、若葉で木々が埋め尽くされるGW頃の景色が一番だと思っています。
好きすぎて♡以前は毎年のようにGWのドライブコースでした。
なお、佐久間町周辺は夏になると全国の最高気温地点として度々ニュースに出るほど(近年は岐阜や埼玉に首位を奪われていますが・・)。
ダムがある場所は山奥にも関わらず気温が高くなる地点だったりするので真夏はオススメいたしません。
佐久間発電所と佐久間周波数変換所
外からしか見られませんが、佐久間ダムへ向かう途中の中部天竜駅(JR飯田線)付近にダム関連の施設があります。
発電所は全国いたるところにありますが、珍しいのは佐久間周波数変換所。
電力は静岡県内では富士川を境に東の50Hzと西の60Hzに周波数となっています(佐久間は60Hzです)。電力事情により東日本へ周波数を変換して融通する役割を担うのが周波数変換所。2011年の東日本大震災の直後もこの施設で変換された電力が関東に送られました。まさに電力の命綱ですね。
ダムカード
佐久間電力館(入館無料)の受付にて申し出てください。佐久間ダムと下流の秋葉ダムのカードが一緒にもらえます。
また、秋葉ダム近くの温泉施設でもこの2枚のセットがもらえます。
こちらはダムカードではありませんがレアな60周年記念図書カード
佐久間ダムへのアクセス(2019年最新情報)
浜松方面からは国道152号線を北上していくルートが一般的でしたが、2019年に三遠南信道の佐久間川合インターが開通したことでダムへのアクセスが向上しています。
佐久間川合インター
東名高速道路及び新東名高速道路いずれも浜松いなさジャンクション経由で三遠南信道に入ることができます。一部未開通(鳳来峡-東栄)区間がありますが、国道151号線が並走しています。
佐久間川合インターから佐久間ダムまでは10分程度です。
ただし(2019年現在)インターを降りてからの途中の原田橋が工事中となっており、迂回ルートは天竜川の川床を走るため、ダム放流時や悪天候の際には通行止めになることもあるのでご注意ください。
原田橋の通行状況はこちら(浜松市公式のツイッターで情報が随時公開されます)
佐久間ダムへの要望
私がダム好きになったきっかけのダムともいえます。もちろん今も大好き♡
佐久間ダムは電源開発株式会社(JPOWER)という会社の管理になりますが一般見学会のようなイベントが少ないです。最近は水資源機構や国交省管理のダムは毎年のように一般見学会が行われていることを考えると、もう少し「開かれたダム」を目指してほしいな、と思うのでした。