雨の中、歩いてきた大嘗宮と乾通りの紅葉 つづきです。
いったん遠ざかった大嘗宮ですが、いよいよ正面が見えてきました。
歴史絵巻のような建物と背景のビル群のコントラストがなんともいえませんけど。
休憩所と売店、トイレなど
本丸休憩所と売店
本丸の脇に休憩所兼売店があります。
「大嘗宮をご覧になるとこちらには戻ってこられません」と案内されたのでとりあえず何か記念になるものがないかと入ってみました。
が、人だらけで動かないし、カメラは撃沈(泣)
それに目ぼしいものはすでに売り切れのようです。
はがきやクリアファイルは特にこの大嘗宮の記念のものではないし。宮内庁はもっと商売っ気出して記念グッズ作ったらよかったのに。
そして売店はもう一か所。退出ルートになる三の丸尚蔵館の向かいにあります。
売店を出ると雨がさらに激しくなっていて、しばらく軒下で雨宿りしました。
トイレ
これだけの距離と人数、さらに訪れる人たちの年齢層も加味してでしょうか、常設のトイレ以外にももけっこうな数が用意されていました。
私は利用していないので、内部の様子はわかりませんけど。
いよいよ大嘗宮正面へ
柵の中はちょっとだけ混雑している様子。
馬場先門から入ってここまでおおよそ1時間でした。私は寄り道が長すぎて1時間かかっていますが、せっせと歩けば30分かからなかったと思います。
大嘗宮の構成
(宮内庁発行の資料より)
建物は左右対称に90メートル四方の敷地内に30ほど建てられています。
図の1番が悠紀(ゆき)殿(右側)、2番が主基(すき)殿(左側)です。
手前にあった建物(図の23番)は撤去されていてこのあたりから見学できました。
右端から左端に向かって歩くルートで最初に間近に見える建物がこちら(10番)
膳屋(かしわや)
神様にお供えする料理(神饌)を調理する場所。悠紀殿側のものです。
壁についている枯れた枝が気になり警備の方(皇宮警察の方ようです)にお聞きしたら「榊ではなく樫(かし)の枝ですよ」と教えてくださいました。
大嘗宮の儀の1週間ほど前に供えられてから3週間近く経過。「供えた直後はもっと青かったんですけどね~」と経過を見てこられたようでうらやましい限りです。
テレビで見た儀式の様子では、建物に白い幕が掛けられていましたが、それらが取り外されるとほとんど壁はありません。
今回の大嘗祭では、コスト削減のため簡素化していると聞きました。この行事に対して批判する方もいらっしゃいますが、日本の長い歴史や伝統を今に残す貴重な儀式のために使われるなら喜んで私の納めた税金も使ってほしいです。世界にも誇ることのできる素晴らしいものだと思うのですが・・・
それより皇室関係でもっと節約してほしいところは別にありますけど、ね。
待ち時間は1分。順番を待って正面から勝負の1枚
ここまでは並んで待つということはなかったのですが、唯一並んだのがここ。
正面の写真を撮りたい人の列がありました。といっても10人くらいでしたけど。
警備の方が「立ち止まらないで写真を撮ってください」「後ろからどんどん人が来ています」「うまく撮れても撮れなくても1枚だけで~す」と煽ってきます(笑)
コンデジのレンズがくたばっていたので、iPad miniに運命を託した結果がこれです。
雨なのでこんなもの。構図としてはあまり良くないけど一応これが中央です。
表面を削っていない丸太のままの鳥居がなんともいい感じです。
主基殿側の建物を通り過ぎ、さらに西側にまわります。
西側にも鳥居がありました。
正面を見て満足した方多いのか、もう立ち止まる人は少なくなりました。
主基殿の裏側
いちばん奥(写真手前)にある大きな建物は廻立殿
大嘗宮の儀に天皇皇后陛下がお召し替えなどをされた建物。いわば更衣室ですね。
ところで気になったのが千木(ちぎ)の形。
悠紀殿と主基殿では異なっています。
悠紀殿は女の神様のいるお社で見る女千木。伊勢神宮で天照大神を祀る内宮はこの形。
主基殿は男の神様のいるお社で見る男千木。伊勢神宮で豊受大神を祀る外宮はこの形。
儀式も悠紀殿から行われていたのでやはりこれと関係があるのでしょうか? 真相はわからずじまいですけど。
名残惜しいですが、雨はやみそうにないのでそろそろ退散です。
大手門までの帰りのルート
大嘗宮の見学を終え広い場所で一息。ふと振り返ると・・・
徳川家康が築いた江戸城本丸なんですよ。ここに江戸城があったおかげで皇居もあるというわけで、家康さんに感謝して帰ります。
退出口への分岐
ここに案内の人がいたからよかったものの、田舎者にはこの案内わかりにくいです。平川門ってピンとこないので、「大手門」とか「東京駅方面」って書いて欲しいですね。
私は再び日比谷方面へ向かうので右へ進みます。
梅林坂
この先、二の丸庭園の脇を通り抜けていきます。
前回「江戸城本丸」を目的に訪れた時は、大手門から入り、ここから登ったことを思い出しました。
それにしても東京駅のすぐ間近にこれだけの素晴らしい自然にめぐまれた空間があることに感動します。
百人番所
このあたりからまた雨が激しくなります。するとタイミングよく雨宿りできそうな建物が現れます(苦笑)
三の丸尚蔵館
入館無料の展示館です。
「大礼-慶祝のかたち」という企画展が開かれていました。大正と昭和の改元の儀式の際に全国各地から献上された美術品の数々が展示されていました。
以前、伊勢神宮にある神宮美術館でも遷宮を記念して奉納される美術品を見ましたが、一般美術品とは一線を画した国内の芸術の粋を集めた傑作が見られます。
大手休憩所(売店)
この中にある休憩所では、大嘗宮の儀の映像が流れていました。暖房も入っていたのでベンチに座ってちょっと休憩。
ただ、こちらの売店も品薄な様子。結局皇居では何も購入しませんでしたが、東京駅(グランスタ)で皇居のおみやげが買えました。
大手門から退出
名残惜しいですが皇居を後にします。最初から最後まで雨は降り続きました。
さらにその先、大手門の交差点では道路が若干冠水
横断禁止になっていて、再び馬場先門の方へ歩くよう促されました。
突然の晴れ間に虹も出現
お堀沿いを歩いていると西の空が明るくなってきました。
雨が小降りになっただけでなく、「えっ、今?」というタイミングで太陽の日差しも。
そういえば即位礼正殿の儀も雨だったけれど、式典が終わるころには虹が出たというニュースもあったな、なんて思いながら振り返ってみると・・・
出た、出た 虹が!
わずか1~2分のことで虹はあっという間消えましたが、即位礼正殿の儀と同じストーリーに感動です。
そして往路は雨の中、目的地に向かうことで精いっぱいだったのですが、復路は傘も必要なくなり周辺の色づいた銀杏並木も楽しむことができました。
行幸通り
日比谷交差点付近
そして、今回このような行事の場に初めて行きましたが、警視庁、皇宮警察、宮内庁の方など大勢の警備や案内により安全に見学をすることができました。
DJポリスというのでしょうか? リズミカルな口調で案内を促していました。
こんなにたくさん並んだ警察のバスを見たのも初めて
雨の中みなさまご苦労様でしたm(__)m
あいにくのお天気だったけれど、この日は大嘗宮と紅葉の一般公開の期間で一番すいていたのではないかと思います。
行列嫌いの私が、ほとんど苦痛を味わずに見学できたのですから・・・ これもある意味ラッキーでした。
今年は、令和ゆかりの地といわれる福岡県太宰府を訪れる機会にも恵まれ、すっかり令和イベントに便乗して締めくくる1年(正確には8か月)となりました~