2019年11月のマカオの旅 つづきです。
Google Mapの現在地がずれている!?
1日目の午前中はガイドさんと一緒に世界遺産巡りだったので必要なかったのですが、午後からひとりで歩いて世界遺産を巡ろうとした時のことです。
媽閣廟から港務局大樓への道
ガイドブックの地図ではすぐ近くにあるような場所なのに、iPad miniのGoogle Mapでルートを検索するとどう考えてもあり得ない遠回りのルートが表示されてしまいます。
そもそも現在地が合っていないのです。2~3キロ離れている状態でした。
その時の記録はないのですが、Hotel Lisboa付近で記録したスクリーンショット。
現在地は、右端にある澳門文化中心(文化センター)を指しています。 リスボアから直線距離で1kmほど北東になります。
何度も再起動を試すのですが解消されませんでした。
ちなみに今回利用したSIMカード。SIM 2 Flyという商品です。
今年の2月にイタリアに行くときにヨーロッパ周遊タイプを使ってよかったので、今回はアジア周辺のものを利用しました。
日本で購入でき、ソフトバンクの回線に接続されるため、出国前に自宅で入れ替え&接続テストできるのがメリット。
香港に着いてからマカオに行く間にも通信のトラブルはありませんでした。
予定では媽閣廟(マーコミュウ)からほど近い港務局大樓、鄭家屋敷を経由し、その先聖ローレンス教会まで行くつもりでしたが、聖ローレンス教会にたどりつけず、バス停を見つけホテルへ戻りました。
午前中ガイドさんと歩いた聖ヨセフ修道院の近くのはずなのですが・・・ただの方向音痴なのかもしれませんが、Google Mapが使えないだけでこんなことになるなんて(悲)
通信は普通にできるので、SIMカードの通信トラブルでもなけければ、iPadの不調でもなく。
しばらく悩んだ挙句、はは~ん、そうということか、これが中国か・・・と納得。Googleは中国にとって敵ですからね~
そもそも私は中国本土に行ったことがないので、こういうことがあることすら知りませんでした。
翌日にはトラブル解消
ところが、翌日の午後にコタイに行った辺りから現在地がピッタリあうようになりました。
さらに後日Appleのフォトアプリで撮影地を照らし合わせてみると、港珠澳大橋の橋上もマカオ市内もほぼあっているんです。


これはいったいどういうこと!?
しばらく忘れていたのですが、ブログで記事をまとめている間にやっぱり気になったので調べてみました。
以下、Wikipediaより引用です。
原因は”中国における地理的データの制限”
概要
中華人民共和国国内における地理情報データの利用は、安全保障上の理由により、国務院の下位機関である国家測量製図地理情報局から特別な許可を得た者のみに制限されている 。 その結果、多くの地図アプリケーションにおいて、中国国内の道路地図における道路と衛星地図情報が一致せず、オープンストリートマップなどのクラウドソーシングを利用した地図作成に関する活動が、非合法状態となっている。
香港・マカオ
一国二制度により、中国本土の法律が適用されない香港、マカオといった特別行政区内においては同様の規制は存在しない。従って、GPSのずれに関する問題は適用されない。しかし、特別行政区と中国本土の境界においては、ずれたデータと正しいデータが重なってオンライン地図のデータが壊れているように見える。この問題は国境をまたがって移動する旅行者にとって問題となるため、とくにこの問題を認識していない旅行者は注意しなければならない。
ざっくりまとめると採用している座標系のシステムの違いによりずれが生じるとのこと。このずれは私たちにはどうすることもできません。
Google Mapだからということではなく、地図システムそのものが特殊だということです。
しかしながら香港・マカオという地域はこの規制外となっており本来ならば正確に表示されるものの、国境(正しくは区の境界)近くでは崩れることもあるのです。
まさにこれでした。
確かに媽閣廟のバス停を降りた対岸を眺めて「中国近っ、泳いで渡れそう・・・」と思いましたもん(笑)
コタイに行ったら修正されたというのは、距離の問題か時間的な問題かはよくわかりません。それにAppleの写真アプリでは撮影地がほぼ正確に記録されていたというのも謎のままです。
ということで結論
マカオは基本的にはGoogle Mapが使えますが、中国本土との境界に近いため、数kmのずれが発生する確率が高いです。
長距離の移動なら誤差は感じられないかもしれませんが、マカオのように徒歩で巡るとなるとこれはちょっと厳しいです。昔のようにアナログの地図持参で頑張るしかないかな!?
ちなみに現地でもらえるような観光マップはありませんので、「るるぶ」や「まっぷる」が頼りになります。
なお、いわゆる中国でNGワードといわれる数字や用語をいくつかGoogle検索してみましたが、それについては特に問題なく表示されました。
さすがに屋外でそんな”実験”をやってナントカ警察に疑われたら怖いので、ホテルの部屋でやりましたけどね(^^;)
いずれにしても中国のようで中国じゃない、でもやっぱり中国に限りなく近い土地であることは念頭において行動したほうがよさそうだということを実感した出来事でした。
【最新情報】マカオのプリペイドSIM 実名登録制スタート
なお、2019年12月22日よりマカオではサイバーセキュリティ法が施行となり、マカオの通信キャリアが販売するプリペイドSIMカードは実名登録制となります。
日本で購入したものが今後どのような扱いになるのかは不明ですが、今後の動向も気になるところです。