おでかけ ももよろず

日本全国北から南、たまには海外へ・・・”よろず”な旅をご紹介

【滋賀】甲賀武士の崇敬を集めた「油日神社」

スポンサーリンク

2020年3月に訪ねた三重県の油日(あぶらひ)神社。

この神社を知ったのは「ブラタモリ」でのオンエアでした。雰囲気ある社殿、珍しい名前に興味を持ち、放映からすぐに京都・滋賀へのドライブ旅の帰り道に立ち寄ることが叶いました。

油日神社の場所

滋賀県東部の甲賀市(こうかし)にあります。近くには新名神が通っています。

が、私は京都方面からの帰り道に信楽町経由の一般道から向かいました。

信楽町の国道307号線沿いは狸の置物がずらりとならんだこんな街道です。

f:id:momoyorozu:20201028003650j:plain
f:id:momoyorozu:20201028004225j:plain

ちょうど、この信楽を舞台にしたNHKの朝ドラ「スカーレット」が放映されて盛り上がっていた時でした。

 

ここから走ること45分ほど。

道は険しいわけでもなく、山奥に入っていくという感じでもないのですが、ゴルフ場付近のアップダウンがあったり、同じような田畑の風景が続きなかなかたどり着きません。

ナビの案内で走るものの、神社までの看板が非常に少なく、さらに県境が入り組んでいて滋賀から三重に入った時には「通り過ぎちゃったかも?」と不安になりました。

まるでたぬきに化かされているか、忍者の目くらましにあったかのよう(苦笑)

 

どうやらたどり着きました。普通は有名どころの神社には鳥居があったり、なんとなく近づいた感じがするのですが、これじゃわかりにくいわ~

f:id:momoyorozu:20201028005206j:plain

石灯篭が道沿いにあるのが目印です。

f:id:momoyorozu:20201028005054j:plain

境内に4~5台の駐車スペースがありました。

なお、新名神の甲賀土山インターからでしたらもうちょっとスムーズにアクセスできます。

油日神社について

油日神社 概略

【名 称】油日神社

【主祭神】油日大神

【配祀神】罔象女神(ミツハノメノカミ) 猿田彦神(サルタヒコノカミ)

【創建年】不詳(用明天皇または天武天皇時代との説)

【文化財】本殿・拝殿・楼門・回廊

【所在地】滋賀県甲賀市

 

南鈴鹿の霊峰油日岳の麓に位置する油日神社は、古くは油日岳を神体山としたとされ、山頂には今も岳神社がまつられます。

油日岳の山頂に油の火のような光とともに油日神が降臨したことから「油日」の名がついたと伝えられており、書物には9世紀後半にはすでにその名が記されています。

軍神として武士たちから崇敬された他、油の火の神としても崇められています。

ブラタモリでも紹介されていたように、戦国時代に活躍した甲賀武士(忍者)たちがここに集い戦略を話し合っていたという伝えも残っています。

 

油日神社境内のようす

鳥居

f:id:momoyorozu:20201028005610j:plain

「縣社 油日神社」と旧社格(戦前の分類)の記された石塔、そして扁額の文字は拡大してやっと見えました。

f:id:momoyorozu:20201028005737j:plain

鳥居をくぐって30メートルほど先にこの楼門がそびえています。

 

楼門(重要文化財)

f:id:momoyorozu:20201028010245j:plain

1566(永禄9)年建立。入母屋造、屋根は檜皮葺(ひわだぶき)。

鳥居も社殿も彩色がない(残っていない?)けれどもそのシンプルさと相まって重厚感が漂います。

この先、すべての社殿建築がこのような雰囲気でテンションが上がります。

 

拝殿(重要文化財)

f:id:momoyorozu:20201028010610j:plain

ここがタモリさんが”ガッカリした!?"鳴き龍の天井のある社殿。

f:id:momoyorozu:20201028234313j:plain

甲賀武士たちが集ったともいわれている建物で、こちらも桃山時代の建立です。

壁にかけられているのは三十六歌仙(平安時代の和歌の名人たち)の肖像。

残念ながら中に上がることはできませんでした。 

 

拝殿から楼門を振り向くと・・・

回廊(重要文化財)

f:id:momoyorozu:20201028234817j:plain

楼門と同じ年に建立されたものです。

楼門の内側に奉納されているのが、油の一斗缶なのはさすが「油日神社」です。

f:id:momoyorozu:20201028234855j:plain

 

本殿(重要文化財)

f:id:momoyorozu:20201028235354j:plain

1493(明応2)年建立。三間社流造。檜皮葺。

f:id:momoyorozu:20201028235838j:plain

正面の透かし彫りなど細部の彫り物も凝っています。

f:id:momoyorozu:20201029000200j:plain

 

本殿の横から力強く伸びるのは御神木のコウヤマキ

f:id:momoyorozu:20201029000246j:plain

すごいパワーを感じます。甲賀武士たちもこのパワーを授かっていたのでしょう。

本能寺の変の後のいわゆる「神君伊賀越え」が失敗していたら徳川家康の天下もありませんでした。伊賀とはいいますがこの甲賀をも通過し、甲賀武士たちがサポートしていたはずです。”持ってる”家康はやっぱり守られるべくして守られていたのですね。

また、私が現在読破中の安部龍太郎著「家康」では、この件のみならず、忍者たちの活躍が徳川家康の下積み時代の大きな力になっています。伊賀の服部半蔵と並んで、甲賀の伴与七郎とその手下たち、本当にいい仕事をしているのです。 

 

静かな境内を15分ほどゆったりと拝観&見学させていただき満足でした。

忍者の里の人々に長年大切にされながらひっそりとたたずむ油日神社は、とても良い気が漂っていました。

 

あまりにもひっそりしていて、御朱印もらえるのだろうかと不安になりながら歩いていると、地元の方が「御朱印ならそこにいるよ」と教えてくださいました。口調はぶっきらぼうだけど、やさしい方でした。

 

御朱印 

f:id:momoyorozu:20201029223643j:plain

神社の案内リーフレットとともにいただきました。 

 

ドラマや映画のロケ地としても使われている神社

神職さんは大変気さくでお話好きな方でした。

この神社、知る人ぞ知るテレビドラマや映画のロケ地としても有名な神社でした(そんなことをまったく知らずに行った私)

「わろてんか」「ごちそうさん」といった朝ドラから、今をときめくイケメン俳優さんたちの出演するアクションものなどの撮影も行われているそうです。

過去の撮影風景などの資料なども見せてくださいましたよ~

残念ながらブラタモリの時は立ち会っていらっしゃらなかったそうで裏話は聞くことができませんでしたが・・・

なお、ここがロケ地に選ばれる理由は静かな環境とこの建物の雰囲気。

そして人里離れた(言い方悪いですがへき地的な・・・)アクセスの悪さで、追っかけの方々もなかなか来られないらしい(苦笑) う~ん、納得。 

 

www.aburahijinjya.jp

 

◆おまけの1枚

滋賀県名物”とび出し坊や”の忍者バージョン見つけました

f:id:momoyorozu:20201029010604j:plain