2021年7月の函館~青森旅行記です。
世界文化遺産に登録される直前のタイミングで三内丸山遺跡のガイドツアーに参加してきました。
屋外の施設(縄文のムラ)を無料ガイドツアーでじっくり1時間かけて巡った後は、屋内展示施設へ。
常設展示室 さんまるミュージアム
屋外施設の見学の入場券があればこちらにも入館できます。
ガイドさんの生の解説を聞いてから復習を兼ねて見るのもよし、先にここでイメージを膨らませるもよし、天候が悪ければここだけの見学でも良し・・・です。
入口から展示室に続くトンネル風の時代年表を通るのですが、ここで???な壁が。
BCEって何?BCとは違うの?
三内丸山遺跡の時代の位置付けがこのように記されていました。
「紀元前」を表す記号ってBCって習ったのですが、 今はこれなんですか? 昭和生まれの人間が知らないだけかしら?
見学後に調べて見たところBCというのはBefore Christの略。イエス・キリストが生まれた年を0年としたキリスト教中心の表記です。日本語ではこれを西暦としています。(ちなみに西暦を表すADはラテン語のAnno Dominiの略で、英語での説明は「in the year of Our Lord」となるそうです)
これに対し、宗教色を除く”共通紀元”としてCommon Era=CE、紀元前はBefore Common Era=BCEという表記へ切り替える動きが広がっています。
展示室内のようす
左手には、重要文化財を中心とした「縄文のこころ」というフロア
大型掘立柱建物の遺構から見つかったクリの柱の実物他、重要文化財を中心に展示されています。
宝石ギャラリーを思わせる雰囲気の展示です。
この展示館全体で、重要文化財500点を含む1700点以上の出土品が展示されています。
右手は 「テーマ展示~縄文のくらしをひもとく~」 というフロア
発掘品の展示と人形を並べることで、当時の生活をイメージしやすくなっています。
各所にあるQRコードにスマホをかざすと、説明が表示されるようです(実際に体験してませんけど・・・)
土偶は主に盛土の中から見つかり、2000点以上発掘されたそうです。
さまざまな表情、体型があって見ていて楽しくなります。お気に入りをアップにして撮影してSNSのアイコンにしても良いかも!?
縄文時代の人々のアクセサリーです。
鉱物は全国各地から運ばれてきたものと推測されます。
この時代から広範囲に交流があったことにも驚きですね。
圧倒的な発掘品の数の多さに驚きますが、
有り余るほどの土器のぜいたくな使いっぷりにも注目!
こちらは盛土の断面を再現した壁
土偶や装飾具などの多くは盛土から発掘されています。
平成の時代までよくこれだけの規模の遺跡が手つかずで残っていたと感心します。
白神山地などの森の恵み、陸奥湾の海の恵みが豊富なこの地域、まだまだこの一帯には、お宝がたくさん眠っていそうです。
常設展示はここまでですが、この建物(縄文時遊館)内にはまだまだみどころがあります。
整理作業室
平日ならこちらで発掘品の復元作業のようすが見られるかも。
ここから地階へ向かう階段沿いにあるオススメスポット
縄文ビッグウォール
高さ6メートルの壁に土器の破片を貼ったぜいたく空間 その数なんと5120個です。
写真では今ひとつ迫力が伝わりませんので、ぜひ現地で!
収蔵庫
収蔵庫も”見せる展示”になっています。
遺跡全体でダンボール40000箱の発掘品という事実に納得です。
この先、1階には出口までにミュージアムショップや体験工房、青森のおみやげを扱うショップがあります。
三内丸山遺跡見学の所要時間
遺跡の関心度で人それぞれかもしれませんが、縄文遺跡ド素人の私の場合です。
・ガイドツアーまでの待ち時間 シアター映像 約15分
・ガイドツアー約1時間プラスその後自由散策で15分
・展示室の見学 約30分
・ミュージアムショップ&おみやげショップでのショッピング 15分
閉館時間が迫り、後半は駆け足で合計2時間半でした。もう少し展示室をゆっくり見たかったです。
屋外の遺跡を歩きたい場合は、余裕を持って2時間は必要だと思います。
交通アクセス
東北自動車道青森インターからのアクセスは抜群。
東北(北海道)新幹線の新青森駅からも約2km 車で10分ほどの場所にあります。
新青森駅からシャトルバスも1時間に1本ほど出ています。
頑張れば歩けない距離ではありませんが、(青森県に限らず地方都市は)周遊観光するならレンタカーがあれば時間も有効に使えます。
駐車場(もちろん無料)もたっぷりあります。
まとめ
世界遺産登録直前のタイミングでしたが多くの人が遠方から足を運んでいたようです。
その後、正式に世界文化遺産に決定したことや新型コロナの感染状況も落ち着きつつある今、全国から多くの人が集まることが期待されます。
こんな時期だからこそ、密を避けて広大な遺跡を歩きながら、はるか昔の人々の暮らしに思いを馳せてみることをおすすめします。
2021年に登録されたばかりの世界文化遺産 「北海道・東北の縄文遺跡群」は構成要素が17か所もあります。
遠方なのですべてへ足を運ぶというわけにはいきませんが、またこの地域を訪ねる時には、あわせていくつか巡ってみたいと思うのでした。