2022年6月の北海道の旅。六花の森から向かったのは廃線の駅跡です。
廃線になってすでに30年以上経っていても訪れる人が後を絶たない人気駅「幸福」駅です。
幸福駅について
旧国鉄の広尾線の駅として1956(昭和31)年に開業。
1973(昭和48)年にテレビで全国に紹介され全国に知られるようになると、同じ沿線の「愛国」から「幸福」行きというきっぷが一躍ブームになり多くの人が訪れました。
1987(昭和62)年に広尾線は廃止となりましたが、駅跡地は公園として整備され今もなお多くの観光客や市民が訪れる観光スポットとなっています。
駅名「幸福」ですが、かつてこの地は「幸震」という地名でしたが、入植したのが「福井」県の人たちだったことからそれぞれの頭文字をとった「幸福」に変え、縁起がいいのでそのまま駅名にしたそうです。
幸福交通公園の場所と駐車場
帯広空港からも車で20分ほど。
列車が走っていないので車で来るしかないというのがなんとも皮肉ですが・・・駐車場はたっぷりあります。
※帯広駅からバスが出ています。また帯広空港からはタクシーでも10分ほどの距離です。
駐車場横にはきれいなトイレも整備されています。
駐車場から歩いてすぐ、この途切れた線路がなんともノスタルジックです。
ここなら線路を歩いてもオッケー。短いけれどスタンドバイミーごっこもできますから~(笑)
ホームに行く前に何はともあれこちらから!
駅舎跡
この駅舎、10年ほど前に現存駅舎の廃材なども活用して再建されています。
ネットなどで見たイメージでは、もっと建物にベタベタと紙が貼られていたので、案外すっきりしていると思ったら・・・
建物の中がすごいことになっていました~
ブームになった「愛国から幸福ゆき」のきっぷを大判にしたものに、絵馬的な雰囲気で願い事が書かれています。
ここに来ていちばん驚いたのは若い人(カップル率高いです)が想定外に多かったこと。こんなノスタルジックなスポットは、鉄系の方か、バイク旅の方か、あとは当時のブームを知るバブル世代以上の中高年か・・・と思ってましたから。
「恋人の聖地」に選定されていることも理由のようですが、それ以上に「昭和レトロ感」などから「エモい(心揺さぶられるの意味)」スポットなんでしょうね~
(静岡県でいうと伊東温泉の「ハトヤホテル」がウケているような流れですかね)
ここまで老若男女に愛されるスポットというのはなかなかレアかもしれませんね。
ホーム側から見るとこんなベルまで・・・
こういうのをキャピキャピしながら鳴らせる若かり日に戻りたいわ~(爆)
ホーム跡と車両
周囲に何もない”ポツン”とした感じが絵になりますね。
展示されている2両はいずれもホンモノ。車両内にも入ることができます。


1両は記念展示室&休憩室としてリニューアルされています。
もう1両は現役時代そのままの客車(懐かしの直角ボックス席)になっています。
周囲も気になったのでぐるりと歩いてみました。
黄色い車両は「除雪車」であってますか?(積雪のない地域住みなので・・・)
公園内には地元の方々が手入れしていると思われる花壇もあります。
そして、公園の周囲は北海道らしい畑の風景が広がっています。
空港からここまでのルートも含め、十勝は起伏がほとんどなく大平原というのを実感します。
グッズショップ
駅舎のほうに再び戻ります。
完全に観光スポット化している駅跡なのでおみやげ屋さんも数軒あります。
グッズの中心は、いまなお「愛国から幸福ゆき」の硬券のきっぷのようです。
日付も加工し放題(苦笑) まあいわゆるレプリカということになりますけど。
そういえば、わが実家でもこれ見た記憶があるぞ・・・(北海道好きの弟が買ってきた)とさがしてみたのですが見つからず、そのかわりにこんなものが!
木のはがきになっていて、現地から送ってきたものを親が大事にとっていましたよ。弟は”オジサンライダー”となった今も毎年(かなりマニアックに)北海道に旅に出ます。(さすがに絵はがきは送ってきませんが、サンマやホタテなど魚介類がドーンと来ます)
今回、私はきっぷは欲しいとは思いませんでしたが、思わずこちらにそそられました~
酢が好きなのでダジャレはともかくとして”幸福de酢”が欲しかったのですがちと高い。
ということで、ビーツサイダー買ってみました。
いわゆるご当地サイダーっていうもので、原料は「ビート」と「ビーツ」。いまいちそれぞれの味が想像できませんが、ビートは砂糖の原料、ビーツは赤かぶのような野菜。表現がむずかしい独特のビミョーな味でした~(笑)
まとめ
有名な廃線駅とはいえ、さらにコロナ禍ということで、訪れる人も少ないと思って行ってみたらまさかの大盛況(笑)
完璧に整備され、観光スポット化している様子に賛否両論あるとは思いますが、廃線から30数年経った今も多くの人の注目を集めて存在し続ける駅というのは貴重な存在かもしれません。
鉄道マニアはもちろん、幅広い世代のカップル、そしてどれにも当てはまらない私みたいな中途半端な旅人!?をもノスタルジックな気分にさせてしまう不思議な魅力があります。
所要時間としては、さくっと歩いて記念撮影するだけなら15~20分くらいあれば十分かと思います。
とかち帯広空港や六花の森、中札内アートヴィレッジなどからも近いので、話のネタとして、映えスポットとして立ち寄りにおすすめです。
今回はスケジュールの関係で愛国駅には行きませんでしたが、この翌日、もっと廃れた感を味わえる駅に行きましたので、別記事にてご紹介いたします。
幸福駅を後に本日の宿泊地である帯広市中心部へ向かいます。