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【北海道】富良野市麓郷「北の国から」のドラマの聖地を巡る

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2022年6月の北海道の旅。南富良野からいよいよ富良野市へ。

富良野を一躍有名にしたドラマ「北の国から」に登場する懐かしい家々が残されている麓郷(ろくごう)地区へ向かいます。

帯広市からずっと走ってきた国道38号に別れを告げ、麓郷方面へ。

 

 

富良野から麓郷への道のり

富良野から向かう場合、富良野市街地へ出てしまうと遠回りになってしまいます。

冒頭の看板の交差点を右折し、道道(一般的にいう”県道”の北海道版)253号を進みます。

起伏のある畑と山々に囲まれた盆地らしい富良野的な風景に変わってきました。

さだまさしさんのあのテーマソングが頭の中で流れてきました。(帯広市内は中島みゆきさんをBGMで走りましたが、こちらは準備不足でした・・・)

 

カーブや起伏はあるものの走りやすい道です。この時は交通量がかなり少ない状態でしたので、車を停めてずっと気になっていたこちらを撮ってみました。

左側にある鉄製の棚のようなもの。最初に目にしたのは青森県内の国道でした。

これは防雪柵というもので、吹雪いて道路の視界がなくなるのを防いだりする目的で使われるそうです。これが活躍する時期に私は走れませんけどね。

 

南富良野町根室線幾寅駅からおよそ20分ほどで麓郷に到着です。

 

ドラマ「北の国から」とドラマセット

今回の目的地はドラマ「北の国から」のロケ地となった場所。

北の国から」は、1986~2002年(特別編を含む)に放送された倉本聰さん脚本のテレビドラマです。

富良野を舞台に、都会からやってきて電気も水道もないような生活をスタートした家族の成長の物語。

主演の黒板五郎に田中邦衛さん、その息子・純に吉岡秀隆さん、娘・蛍に中島朋子さん、地域の人々に地井武男さん、岩城滉一さん、さらに連続放送終了後のスペシャル編には宮沢りえさん、内田有紀さんなども出演されました。

富良野や美瑛の厳しくも美しい大自然と相まった人情ドラマに多くの人が魅了されました。

ドラマは「2002遺言」を最後に終了しましたが、ドラマ内で使われた住居などはそのまま残され一般公開されています。この麓郷地区に3か所点在しています。

 

市街地から近い順に「拾ってきた家」麓郷の森」「五郎石の家」というスポットがあります。それぞれ車で5~10分ほどの距離となっています。

 

入場料金とチケット売り場について

「拾ってきた家」では「入国管理局」の看板があるこちらががチケット売り場となっています。

入場料

「拾ってきた家」「五郎石の家」「麓郷の森」 各500円

3か所分まとめて購入すると1200円となります。

(その他障がい者割引、団体割引あり)

開館時間

午前9時~午後6時(時期によって変動あり )

冬季は閉鎖

3か所のロケセット以外にもドラマに登場するスポットがこちらの地図にまとめられていますので、余裕があれば立ち寄ってみましょう。

私は2001年にこの地を訪ね、それ以来約20年ぶりです。

 

拾ってきた家~やがて町~

シリーズ最後の「2002遺言」で登場したセットで、一番新しい建物群です。

放送終了後にも建設が続けられ、現在敷地内には4棟の建物があります。

駐車場横にある大きな石碑の前には、2021年3月に亡くなられた主演の黒板五郎こと田中邦衛さんのやさしい笑顔のポスターが掲げられていました。

”五郎さん”お疲れさまでした。安らかに・・・

 

純と結の家

玄関横のバスのお尻が強烈なインパクトを放つ家です。

建物の中に入って見学できます。小道具などにもこだわりを感じます。

純の伴侶となった結(ゆい)は内田有紀さんが演じていました。

このドラマ撮影後にリアルにご夫婦になられたのが衝撃的でした(2005年に離婚)

 

今でこそ「SDGs」という社会活動が普及していますが、すでに20年前からメッセージが発せられていました。

 

雪子の家

エリアの真ん中にある建物です。トラックの荷台や電話ボックス、ゴンドラなどが再利用されていて、こちらもなかなかのインパクトです。

五郎の妹・雪子は竹下景子さんが演じられていました。離婚して富良野に戻ってきた妹のために五郎が建てたという設定です。

内部に解説の看板やドラマ当時の写真などもあり、懐かしくドラマがよみがえってきます。

この他に「すみえの家」(中畑木材の娘夫婦の家)

「五郎の仮住まい」

この家は、石の家を建てる前まで五郎が暮らしていた家。この家には(自衛官になった)純の親友・正吉(しょうきち)が丸太小屋を焼失してしまったおわびに来ました。

正吉クン男気があってカッコよかった~。この後、ワケありの蛍と結婚するというストーリーにも泣かされましたね~ 

建物内部は、廃材を利用したつくりも楽しめますが、昭和のリアルな小道具がところ狭しと並んでいて、まるで昭和ミュージアム的な・・・

詳細はここではご紹介できないので気になる方は現地へぜひ。

 

続いて車で10分ほど走り麓郷の森へ向かいます。

麓郷の森

3か所の中で一番歴史の古い施設です。

駐車場からは鬱蒼とした森を1~2分進んでいきますが、足元は歩きやすく整備されています。

左の建物は受付やショップ、ギャラリーなどが入っています。右が丸太小屋。

丸太小屋(2番目の家)

丸太小屋はドラマ内では純たちの火の不始末で焼失しました。

実際には撮影用に造った建物を燃やしたそうで、ロケに使われていたものがここに移築展示されています。こちらも中の様子を見学できます。

さらに森の中を進んでいきます。

3番目の家

丸太小屋焼失後に住んだ廃屋。北海道らしい屋根の建物です。

屋根の上には、鍋を使って純が作った風力発電が回っています。

 

さらに車で10分。

石の家・最初の家

チケット売り場&ショップから石の家までは徒歩5分ほどの森を進んでいきます。

マイナスイオンをたっぷり浴びながら歩くこの空間も「北の国」のロケ地の見学には欠かせないアイテムです。

森を抜けて開けた空間に見えたのがこちら

石の家

畑から出る石に困っていた農家からタダで引き取った石を集め、五郎が3年がかりで積み上げた家です。

穴太衆(あのうしゅう・・・戦国時代に多くの城郭の石垣を手掛けた職人集団)もビックリな見事な石組みです。

五郎さんが一息つきながら顔をクシャクシャにしてお風呂に浸かる姿が浮かんできます。

最初の家

手前の建物には槙で炊くお風呂がありました。うちの祖父は材木関連の仕事をしていたので、私が小さいころは祖父母のうちにいくとこんな風にお風呂を焚いてもらって入ったな・・・と。自分に重ねて懐かしくなりました。

 

石の家の隣に「五郎さんの記念碑」完成!

この日、石の家の手前で作業をしている人たちが10数名いました。

帰りにチケット売り場のスタッフさんに聞いたところ「五郎さんの記念碑」を造っているということでした。まだまだ先の話かと思っていたら・・・この10日後にお披露目されました。

www.sankei.com

 

麓郷を訪ねてみて

ドラマが終了して早20年。昨年、田中邦衛さんが亡くなられたということもありますが、今なおこの地に多くの人が訪れていることに感動しました。

先の見えない世の中で、ふと原点に戻って考えてみたくなる、あるいは何も考えず、あの良き時代に身を置いて癒されたい・・・そんな感じでしょうか。

こういう骨太のドラマが少なくなった昨今ですが、3年ほど前には倉本聰さん脚本の「やすらぎの郷」「やすらぎの刻」がお昼の時間帯に放映されていました。

前編ではテレビ界で活躍した人が住む老人ホームを舞台に「テレビ放送界に対する憂い」や「老い」に関して、そして後編では「脳内小説」という2本立てでドラマが行き来する中、現代の問題や満蒙開拓団にも焦点を当てたものでした。

北の国から」は田中邦衛さんが亡くなられたことで、ひとつの区切りになった気はしますが、まだまだ倉本聰さんには長生きしていただいて、先細り気味の日本に”喝”を入れるべく骨太の作品を送り出してほしいと切に願います。

 

麓郷から富良野市街への道のり・所要時間など

富良野市街地から麓郷へ向かう場合は、道道544号線経由し20分ほど。(約17km)

3つのスポットは車で巡るのがおすすめです。

各スポットに無料駐車場がそれぞれ20数台分用意されています。

それぞれ15~20分ほどあればゆっくり見学できますが、森を歩く時間も含めると余裕をもって30分×3プラス移動時間で2時間くらいはみておきましょう。

公共交通機関で行く場合、富良野駅から麓郷間のバスが1日に4~5本しかないこと、また「拾ってきた家」から先のアクセスは徒歩またはレンタサイクルのみになることも考慮しましょう。お財布に余裕があればハイヤーで案内してもらうのもありですが。

また冬季は休業となりますので、スケジュールのご確認をお願いします。