おでかけ ももよろず

日本全国北から南、たまには海外へ・・・”よろず”な旅をご紹介

【山形の旅9】羽黒山山頂 茅葺きが印象的な三神合祭殿を参拝

スポンサーリンク

大河ドラマの最終回が迫るタイミングで、しばし中断していた山形の旅の記事・・・再開です。

羽黒山五重塔まで行って折り返し随神門まで戻ってきた後は、参道ワープで山頂へ。

www.momoyorozu.net

 

ハイキングなどを趣味とする方や時間に余裕があれば、片道1時間ほどかけて山頂までの2446段の参道を歩くのが良いかと思いますが、体力・根性なし、かつ1泊2日の強攻旅ではここで体力と時間を消耗するわけにはまいりません。

というわけで車(レンタカー)で山頂に向かいました。

なお、記事の内容は2022年8月初旬の訪問時のものです。

羽黒山有料道路経由で山頂へ

昔の人々は階段を登って山頂へ向かいましたが、今では現代人にやさしい車道が整備されています。通行料金は往復で普通車400円。

ちょっと舗装が傷んでいるところはあるものの、すれ違いに困るような箇所もなくホッ。

このルートは冬季も通行可能だそうですが、温暖地域住みには積雪事情は想像できません。冬季に行かれる方は各自入念な事前準備をお願いします。

 

羽黒山山頂駐車場

随神門前の駐車場からは10分ほどで羽黒山 山頂駐車場に到着です。

駐車料金は無料です。

 

神社境内に向かう途中にあるひときわ目を引く建物は出羽三山歴史博物館

神社関連の宝物などが展示されている有料施設です。

麓の「いでは文化記念館」を見学したのでこちらはパスです。

天宥社

江戸時代初期、羽黒山第50代別当の任務についていた僧侶 天宥(てんゆう)が祀られています。(別当とは寺社の運営を統括する責任者のこと)

天宥は、戦乱などで衰退しかけていた羽黒山の境内に、石段や須賀の滝といった現代にも残る整備を行い、中興の祖ともいわれる人物です。

鳥居と手水舎

こちら、駐車場側から「ラクをして山頂にやってきた人 専用」の鳥居です(笑)

のちほど「苦労して参道を登ってきた人 専用」の鳥居もご紹介します。

羽黒山ですが神社の名前は「出羽(いでは)神社」です。

冬季は、月山・湯殿山は雪深く参拝や祭典を執り行うことができないため、ここで行うことになります。それゆえに扁額には3つの神社の名前が記されています。

ここでお詣りすることで、「現在」をあらわす羽黒山、「過去」の月山、「未来」の湯殿山の3つの神社を巡るのと同じ御利益があるとされます。

 

出羽三山神社について

 

神社 概略

【名 称】出羽三山神社

【祭 神】出羽神社 伊氐波神(いではのかみ)稲倉魂命(うかのみたまのみこと)

     月山神社 月読命(つきよみのみこと)

     湯殿山神社 大山祇神 大己貴命 少彦名命

【創建年】593年(推古元年)

【創建者】蜂子皇子(第32代崇峻天皇の第一皇子)

【文化財】三神合祭殿、鐘楼 他

【所在地】山形県鶴岡市

 

今から約1400年前、父を蘇我馬子に殺された蜂子皇子は、そこから逃れるために出家。この羽黒山にたどりつき修行の末にここに神社を創建したことがはじまるとされています。その後、月山、湯殿山を開き、現在の出羽三山となりました。

日本古来の山岳信仰に外来の仏教が融合し、日本固有の宗教スタイルである修験道が生まれ、出羽三山は日本三大修験道のひとつともいわれます。

 

出羽三山神社の境内

境内案内図

 

参集殿と鐘楼堂

正面の大きな建物は御祈祷などを行う参集殿。

その手前には、神社では珍しい茅葺(かやぶき)の建物。鐘楼堂です。

1618年に最上氏によって寄進されたもので、境内では五重塔に次いで古い建物です。

そしてその奥、足場が見えたりしますが・・・

出羽三山 三神合祭殿

鏡池越しに社殿の全体像。

厚さ2メートル超の茅葺き屋根に覆われた社殿

鐘楼堂と同様に茅葺なのですが、真下で見るとその厚さに驚きます。

社殿の造りは修験道独自のもので「合祭殿造り」とされます。

現在の社殿は1818(文政元)年に造られたもので、200年以上の歴史があります。

高さは28mで主に杉材が使用されており、総朱塗り。茅葺の屋根の厚さは2mほどです。

全国各地神社仏閣巡りをしてきましたが、この様式は見たことがありません。

参拝したのが夏でしたので、何気に暑苦しく見えてしまいますが、雪景色の中で見るとさぞかし風情があることでしょう。

きれいに切りそろえられた茅葺の下をなでなでしてみた~い、と失礼なこと思ったりしましたが、きっとみなさんそう思うはずです(笑)

扁額と彫刻

3つの神社の神様が祀られていることを表す扁額がここにもあります。

そしてその周囲には赤や白をベースに鮮やかに彩られた彫刻が施されています。

上から睨みをきかしている黒い彫刻は力士像。

ずっと梁を眺めていたくなるくらい見事な彫刻の数々です。

 

お詣りの後は、もうひとつの鳥居へ行ってみました。

2446段を「苦労して参道を登ってきた人 専用」の鳥居です。

こちらは「羽黒山」の扁額になっていました。

全然苦労しないで山頂までやってきた私は、最後の20段くらいを体験してみました。

こんなセコいことをしていると神さまに怒られそうです...すみません。

 

厳島神社・蜂子神社

参道からの鳥居をくぐって左手にある2つの社殿。

右は開祖である蜂子皇子を祀る神社。

この建物も立派な彫刻が施されていて見る価値があるのですが、この時は(車でワープしてここまで来た分際で)暑くて暑くて・・・見学する余裕がありませんでした。

自称「晴れ女」の私ですが、真夏はほどほどにしないと身の危険を感じる時があります。

 

この後は、駐車場に戻りつつぐるりと社殿を巡ってみました。

東照社(羽黒山東照宮)

立派な唐門の奥に社殿があります。

私の大好きな徳川家康殿を祀る東照宮。これは見逃せません!

この地のお殿様は、徳川四天王筆頭の酒井忠次の家系だから当然よね、と思ったのですがそればかりではないようです。

中興の祖である天宥が、徳川将軍家のブレーンであった天海僧正の弟子となり、同じ宗派である天台宗に改宗。これにより天海僧正から藩主 酒井家への働きかけにより東照大権現が祀られることとなりました。

 

末社

出羽三山にはたいへん多くの末社があり、その数100以上とも。

羽黒山の五重塔への参道にも並んでいましたが、ここも圧巻です。7つの社殿があります。(いちばん手前は神輿舎)

そのうちのひとつ 建角身神社(たけつぬみじんじゃ)の前には下駄や履物が並んでいました。

旅の安全や健脚に御利益があるそうでしたので、しっかりお詣りさせていただきました。

 

出羽三山三神合祭殿の御朱印

こちらの御朱印は合祭殿向かって右側の授与所でいただくことができます。

見開きのサイズとなります。

それぞれにオリジナル御朱印帳も用意されています。

www.momoyorozu.net

なお、随神門授与所でいただける御朱印と出羽三山神社でいただける御朱印は異なりますので、しっかり確認しましょう。

 

まとめ

この出羽三山三神合祭殿では、1年を通して1か所で出羽三山神社すべてのお詣りが叶うありがたい場所です。

建物の荘厳かつ独特な雰囲気、参道の雰囲気(歩いたのは一部ですが)にいたるまで神秘的な雰囲気を感じる場所でした。

この後は、時間が許す限り月山神社、湯殿山神社がどんなところなのか、情報を確認がてら行けるところまで行ってみようと進めてみました。

 

が、この記事をまとめている12月時点で月山神社、湯殿山神社には立ち入りができないため、これらについては春になったら改めて公開したいと思います。

 

羽黒山山頂にある出羽三山神社については、冬季も参拝可能となっていますが、積雪に関する情報や気象情報などに注意し、十分に備えてお出かけください。

hagurokanko.jp

www.dewasanzan.jp