静岡県中部の山間部 川根本町にある長島ダムに隣接して、レアな鉄道の風景が見られるスポットをご紹介します。
鉄道マニアさんはもちろん、ダム好きさんもきっと喜ぶこと間違いなし!の風景です。
アプト式機関車の連結風景が見られる長島ダム駅
ダム駅とアプト式列車
長島ダム(2002年に完成)建設に伴い、この付近はダム湖に沈む場所があったため、井川線の線路が付け替え工事が行われました。
その際、井川線では、急こう配になるルートを機関車で押すアプト式が導入されました。アプト式とはスイスの山岳列車で導入されているものです。かつて国内では横川から軽井沢間の碓氷峠(うすいとうげ)で導入されていましたが、現役なのはこの井川線だけというレアな鉄道なのです。
ダム周辺をうろついている間に列車がやってくる時間が近づいてきました。
ダム側から歩道橋を渡って駅に行きます。
全国いろいろダムを訪ねていますが、ダムのすぐ横に鉄道駅があるという立地は珍しいですね。
撮り鉄さん!?がいます。SLの走るルートに比べたらかなり平和な光景です。
1つ手前の「アプトいちしろ駅」からこの「長島ダム駅」間を機関車が客車を押して登ってきます。90パーミルという急勾配(1000メートル走ると90メートル登る)です。
しかし、写真の撮り方がへたくそなのでその急勾配が全然わかりませんね(>_<)
この区間乗ったこともありますが、ゆっくり走るなぁ・・・くらいしかわからない私(-_-;)
長島ダム駅
そんなわけで、歩道橋から歩いていってもまだ電車は到着していません。
上下線の連結風景が一度に見られる13時台がオススメ
下り列車(井川方面行き)到着
列車がホームに入ってきました。
井川線は元々この沿線のダム建設の資材搬送用の路線として敷設されたため(黒部峡谷鉄道と同じ歴史)、列車が小さいのです。
後ろについているアプト式機関車が外されます。
この間、乗客の方も列車を降りて撮影するぐらいの時間はあります。外された機関車は後ろへすーっと消えていきました。
アプト式機関車がけん引する区間は、レールの間にこのようなラックレールが敷設されています。
(長島ダム駅では見られませんので、以前井川ダム展示館にて撮影した写真にて)
詳しく知りたい方は、「アプト式」でググってくださいませ。
上り列車(千頭方面行き)到着
下るだけなら機関車いらないじゃん、と思うのは素人発想でして(^^;)、急こう配を下るのにも機関車は連結されるのですね。暴走したら困りますもんね~
女性の車掌さんが頑張っておられました。
以前SLに乗ったときは、女性の車掌さんがハーモニカで懐かしい童謡を演奏してくれました。女性が大活躍の大井川鐡道 頑張れ~\( 'ω')/
実は今回、まったく狙っていったわけでなく、ちょうど上下線が重なるという絶好のタイミングに遭遇できてラッキーでした(家を出るのが遅くてたまたま着いたのがこの時間・・・)
1日にそれぞれ5便ほどしかない貴重な連結ですが、ぜひ時間を合わせてこの目で見ていただきたいと思います。
この日はこの長島駅で乗るか乗らないか直前まで迷った挙句、日曜日で列車もそこそこに混雑していたので車で奥大井湖上駅に行くことにしました。
というわけで、私もすっかり”撮り鉄”になってしまいました。
ちょっと”おまけ”
井川線を最大限に楽しむなら終点 井川まで
なお、この路線はさらにこの奥、秘境的な場所を通って井川へ向かいます。
橋梁やトンネルが非常に多いのですが、新緑や紅葉がきれいな中をゆっくり走ります。
また終点の井川駅近くには、国内では珍しい中空重力式の井川ダム、さらにはダム建設に使われた線路の廃線跡が近年整備されて人気のハイキングコースになっています。
ただ、地形が過酷なために土砂崩れなどで不通になりやすいのが難点。
過去(2013年11月)に撮影したものをダイジェストにて
井川ダム
井川湖畔「廃線小路」
閑蔵(かんぞう)駅
2022年12月現在、井川線は全線運行していますが、金谷から千頭を走る大井川鐡道大井川本線は、2022年9月の台風の甚大な被害により一部区間が不通になっています(バスによる代行輸送)。
鉄道をご利用の際は、最新の情報をチェックしてお出かけください。