以前の記事で長島ダム、大井川鐡道井川線のアプト式機関車など紹介してきました。
続いてはいよいよこのルートの超人気スポットのご紹介です。
近年、紀行番組やドラマにも頻繁に登場し、ついに2023年1月にはブラタモリで放送予定の大井川鐡道井川線の奥大井湖上駅です。
この記事は2019年5月に訪問した時のものです。
奥大井湖上駅は長島ダムからさらに上流、接岨峡(せっそきょう)温泉に向かう途中にあります。
奥大井湖上駅とは
長島ダム工事に伴う、大井川鐡道井川線の付け替え工事により誕生した駅です。
いい具合に大井川が蛇行してくれているんですよね。Good job!
「THE 秘境駅」の雰囲気がプンプン漂っていますが、列車だけでなく自家用車でも案外と行きやすい(とはいっても静岡県の山奥)立地。
しかし、温暖な静岡県といえども冬季は凍結などに注意が必要です。
一般的な秘境駅は、かつては人々が生活する集落が存在していて、のちに過疎化により住民がいなくなって「秘境駅」と呼ばれるものをいいますが、こちらはダム建設による地形の変化を利用して意図的に秘境駅を作ってしまったものです。
ダム湖ができる前から通算したら5回以上は行っていると思います、私(^^)v
(1999年頃の様子)
ダム工事をしている間は、今のような見事な景色が見られるとは予想もしていませんでした。
正直、完成してからの数年も大きく話題になっていないスポットでした。
しかし近年の秘境駅ブームでさまざまなテレビ番組で取り上げられ、さらにはSNSで拡散しているおかげか、行くたびに全国区になってきたなと感じます。
鉄橋を歩いて線路へ行ってみよう
ポツンとダム湖に浮かぶ駅に歩いて行くことができるのが、探検欲をそそられるのです。
記事の最後に紹介しますが、駐車場から一度斜面を登った後、再び駅に向かって下り階段です。とにかく駅に行くためにはアップダウンは必然。(これがイヤなら列車がオススメ)
線路側から階段のある方向をのぞむ(トンネルの上に階段があります)
「スタンドバイミーごっこ」はできませんが、線路脇の歩行者用通路を歩くことができます。
っていうか、線路の真下は湖ですから~(>_<)
そして、向こう岸にはかつての線路が残っているのが見えるのです。
奥大井湖上駅のようす
駅からでは全景がうまく撮れないので、展望スポットからの写真をズームしてみました。
屋根付きの小さな待合スペースとその周りに観光客向けのあれこれがちょっとあるだけ。後ろにそびえるコテージにはトイレや宿泊施設?があるというウワサですが、いまだに一度も足を踏み入れたことがありません。
久々に行ったら安っぽいオブジェが出来ていました。周囲を見渡すとそれらしいカップルはなく、家族連れと中高年が多かったりします(爆)
なお、ホームから先(千頭側)へは行かれません。Uターンです。
正直、駅にこれといったみどころはありません。
ただ、駅まで湖にかかる鉄橋を渡って歩いて行かれるというのが、この駅の最大のポイントです。
なお、奥大井湖上駅にはトイレはあるようですが、売店どころか自動販売機もありません。この駅に行かれる場合は、飲料などの準備はお忘れなく。
この後は、展望(撮影)スポットへ向かいます。
奥大井湖上駅の絶景が眺められるスポット
奥大井湖上駅からこの記事冒頭の写真を撮った展望スポットへ行く場合、下記の看板で駐車場側へ下りないで分岐を左「撮影ポイント」に進んでください。
列車で来た方は駐車場まで降りると、かなりムダな体力を使うことになりますし、車で来た方はもう一度登ろうという気にならずそのまま帰りたくなりますから(苦笑)
歩道はそれなりに整備してありますが、たまに歩きにくい木の根道があります。
ここもアップダウンが若干あり、5分ほど歩くとやっと車道に出ます。
ちょっと前からお気づきのことと思いますが、この山奥にしてレインボーブリッジというどこかで聞いた都会的な名前がついているのです(笑)
さきほど渡った鉄橋がレインボーブリッジです。本当はこちらが先に命名されているそうです。
周辺案内の看板
この看板のすぐそばから見える景色がこちら
列車で訪れる方も次の列車まで1時間近くあるので、この展望スポットにぜひ足を運んでみましょう。奥大井湖上駅から往復しても30~40分くらいです。
奥大井湖上駅への行き方
その1.千頭から大井川鐡道井川線を利用
これはもう簡単。千頭から列車にのってしまえば連れて行ってくれます。料金はおとな片道720円。(2022.12現在)
奥大井湖上駅で降りてから反対の電車が来るのに1~2時間の待ち時間があるので、次の列車の時刻をしっかりと確認した上で、展望スポットまで足を運んでみましょう。
長島ダムまでは歩いて戻れない距離ではないけど・・・自己責任でお願いします。
(バスもあるかもしれない、です・・・セルフで調べてくださいませ)
その2.自家用車で奥大井湖上駅周辺駐車場を利用
新東名の島田金谷インターからは約1時間。距離にして50kmほど。SLの走る大井川鐡道本線とほぼ並走しているので激しいアップダウンはありませんが、道はくねくねです(苦笑)
長島ダムからは車で5分ほど。県道388号線沿いを接岨峡方面に向かう途中、右に入り急坂を下ると9台分ほどの無料駐車場があります。
奥大井湖上駅最寄の駐車場
入口がわかりにくいし、ここを長島ダム方面から鋭角に入れたらお見事!
私はまったくムリでしたので、潔く通り過ぎて長島公園駐車場まで行きUターン。
接岨峡温泉方面からならこのお堂を過ぎてすぐに左に下る道があります。
ただ、この駐車場は谷底にあるので、こんな斜面を登って奥大井湖上駅または展望スポットに行くことになります。
また、9台しか停められないので、休日などはここに何台も駐車場待ちの車が滞ると非常に辛い・・・
長島公園駐車場
Uターンに利用した駐車場(地図上では南アルプス接岨大吊橋の近く)。
展望スポットから1km近くありますが、30台ほどの広いスペースがあります。
混雑するシーズンは、こちらに駐車して歩いた方が早いと思います。真夏はちょっと厳しいですが、春秋のハイキングシーズンならたいしたことのない距離かと・・・
ここから奥大井湖上駅へ行く場合は、前述の駐車場方面に下りず、県道をさらに進んでトンネルを過ぎたところに左へ入る道がありますので、そこを進みましょう。展望スポットを経由して奥大井湖上駅へ行くことができます。
以前は展望スポット付近にも駐車スペースがありましたが、今は車両進入禁止になっています。
今回行ってみて、駐車場事情も若干変わっていたので、これから紹介するこのルートが私としては最善かなと思うのです。
その3.長島ダム駐車場から井川線で
車は2駅前の「長島ダム駅」に隣接する長島ダムの無料駐車場に停め、井川線に乗って奥大井湖上駅まで行くルートです。
長島ダム駅前駐車場
25台ほどの駐車スペースがあります。
長島ダム駅
片道なんと160円(2022.12現在)で、井川線の情緒たっぷりの小さなトロッコ列車を楽しみつつ、駐車場や歩く距離にもさほど苦労せずに奥大井湖上駅周辺散策が楽しめますよ。
いずれにしても運行本数が少ないので、時刻表はしっかりチェックした上でお出かけください。
また冒頭にも述べましたが、温暖な静岡県でも山間部は凍結や積雪があることも。万全の準備でお出かけください。