2019年9月の伊豆の旅 つづきです。
下田には歴史に残るような有名な武将などはいませんが、200年以上鎖国をしていた日本が幕末になって最初に開港した港町です。(鎖国の間も貿易を行っていた長崎や琉球を除く)
市内には開港にまつわる史跡や歴史を知るスポットがあります。地味ですが日本の歴史の大きなターニングポイントを見守ってきた歴史スポットを訪ねました。
幕末の黒船来航と開港
アメリカのマシュー・ペリーを司令長官として黒船艦隊が日本にやってきたのは1853年にのこと。開国を迫るアメリカに屈して幕府は港を開き200年以上続いた鎖国は終わりを告げます。
アメリカは捕鯨などに必要となる燃料や食料の補給基地として、黒船が来航した浦賀(現.神奈川県)の開港を要求していました。
しかし、徳川幕府は(江戸に近く)将軍に危害があっては困るということで許可は出さず、この下田と箱館(現.函館)をまず開港することで決着したのです。
なぜ下田港が選ばれた?
下田港界隈はこれより以前から江戸と諸国を行き来する船の風待ち港(天候が悪い時などに船が避難して出航を待つ港)として栄えていたという歴史があります。
港の条件としては申し分ないし、江戸からもそんなに遠くありません。
しかし実は陸路は意外と不便。現在も伊豆縦貫道が簡単に開通しないということでもわかる通り、天城峠という険しい山地が控えています。海岸線も崖だらけのリアス式海岸です。
江戸と京都を結ぶ主要街道である東海道までさほど遠くないのですが、簡単にたどりつくことはできないのです。江戸を守る戦略上、下田は最適の港だったのです。
ちなみに世界遺産となっている韮山反射炉ですが、当初は下田に近いところに建造していたところアメリカ兵の侵入があり、天城峠の北側にあたる韮山の地に変更されたそうです。
まずは歴史あるこちらのお寺へ向かいます。
下田条約締結の地 了仙寺
山門
由来と歴史
日蓮宗のお寺で、1635年創建に創建されました。
開山は身延山久遠寺の日朝上人 開基は下田奉行の今村正長。
開山にあたっては徳川家康とも縁のあるお寺です。大坂夏の陣で目に病を持った家康は、当時、目の神様として崇拝されていた日朝上人に病気平癒の願をかけを依頼し、その成就の御礼に(といっても家康は間もなく亡くなっていますが!?)、三代将軍・家光の代に創建されたそうです。
”おじいちゃん大好き♡”な家光が関わっていたとは初めて知りました。
そして幕末1854年3月にアメリカとの間で日米和親条約が締結された後、その細則として付加された「下田条約」が締結されたのがここでした。
本堂(国指定史跡)
残念ながら本堂の中には入れません。 お寺の方が不在でしたので詳細はわからず・・・
本堂左脇に何やら案内があるので行ってみました。
了仙寺横穴遺跡
1300~1400年前に墓として利用されていたと思われる洞窟。人骨や装飾品などが出土されているそうです。ちょっと不気味ですが、洞窟側から本堂を見ると美しいです。
ジャスミン寺
了仙寺はアメリカンジャスミン(ニオイバンマツリ)が咲く寺としても有名。
参道から境内に植えられた約1000株が5月中旬に見ごろを迎え、独特な香りに包まれるそうです。花は紫から次第に白く変わっていくため、カラフルな姿が楽しめます。
私が訪れた9月中旬は、ほんの少しだけ花が残っていましたが、香りはわかりませんでした。
MoBS 黒船ミュージアム
Museum of Black Shipの略。了仙寺が所有する資料が展示されています。
2016年にリニューアルしたそうで、お寺の資料館にしてはハイカラな印象です。
エントランス
エントランスとショップは無料で入れます。
壁の大きな顔のイラストはペリーですが、誰かに似ていると思いませんか?
これ「西郷ペリー」とも呼ばれているそうですよ。ここでインスタ映え間違いなし!な1枚が撮れます(笑)
またグッズもオリジナルデザインのものが多いのでオススメ。幕末の歴史をモチーフなんてちょっとインテリな感じがしませんか?
といいつつ、私はこれ買いました(爆)
目はいろいろと悩みが多いんで、健康オタクの徳川家康にあやかって自分用です。
ミュージアムの入館料はおとな500円。(観光案内所でいただいたパンフレットに50円の割引券あり)
展示室内
内部は撮影が不可でしたが、教科書で勉強したペリー来航のイメージを覆すような説明がたくさんありました。
ペリーは”おっかない人”で、「アメリカの圧力に負けて、悪条件で開国(条約締結)してしまった」という印象がありますが、交渉にあたった有能な儒学者 林大学頭(林復斎)よって、日本はアメリカの言いなりにならずに対等に交渉に臨んだそうです。
実際の交渉の流れがパネルて解説されている他、アメリカ人によって描かれた当時の下田の町のイラストなど貴重な資料が数多く展示されています。地元の人たちとの交流なども描かれて、当時の雰囲気がちょっとだけ伝わってきます。
特に1階の映像シアターのストーリーがわかりやすくできており、子供から大人まで楽しめると思います。 (日本語、英語、中国語に対応)
了仙寺が所有する幕末の資料は3000点超だそうで、展示替えも定期的に行われているそうです。
外観もですが、お寺の資料館(宝物館)のイメージを覆すわかりやすい展示になっていますのでオススメです。
了仙寺の御朱印
本堂内に御朱印受付の席はありましたが不在でした。
不在の際は、ミュージアムの受付に申し出ると御朱印がいただけます。私は、御朱印帳を預けミュージアムを見学している間に書いていただきました。(実際に書いていただくところは見ることができませんでした)
了仙寺の駐車場
敷地に隣接して10台ほどの無料駐車場があります。
黒船ミュージアムとの兼用なので休日はいっぱいになりそうな雰囲気ですが、私は夕方近くに訪れたので余裕で駐車できました。
続いて歴史を感じるペリーロードを歩きます。