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【愛媛】姫路城に匹敵!連立式巨大城郭 松山城・前編

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愛媛の旅、いよいよ旅のメインでもある城めぐりへ。

今回の旅ではほぼ城めぐりにに終始してしまいましたが、巡った中でもっとも大規模だったのがこの松山城でした。

現存天守があることは知っていましたが、まさかここまで大規模なお城だとは・・・油断しまくりの城めぐりで、スタート早々に四国のお城に(とても良い意味で)打ちのめされてしまいました。

 

  

現存天守を持つ松山城

国内には江戸時代に造られた天守が残る城が12あります。

そのうち国宝になっているのが、姫路、松本、犬山、彦根、松江

それ以外に、弘前、丸岡、丸亀、(伊予)松山、宇和島、高知、(備中)松山

西日本に多いのですが、3分の1が四国に存在しているのです。

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ロープウェイ乗り場にあった現存12天守紹介イラスト付きコインロッカー 

 

松山城は標高132メートルの勝山の山頂にあります。

徒歩でのルートも整備されていますが、ここにはアミューズメント的要素のある乗り物が用意されているので、これを楽しむのも十分ありです。

城好きとしては「邪道」かもしれませんが、私は片道だけ乗り物を利用し、帰りは黒門口登城ルートを下るというコースでちょっと楽をしました。

 

チケット売場の手前では名前・連絡先の記入と検温、消毒などがあります。

リフトにする?それともロープウェイ?

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ロープウェイ・リフトどちらも片道270円。往復で520円です。組み合わせは自由です。

リフトは一人乗りで小学生以上が乗車可能。所要は6分。

ロープウェイは47名定員で10分間隔で運行中。所要は3分。

 

暑さもやわらぎ秋晴れのこの日は、まさにリフト日和。

加えて密を避けたい時期でもあるので、リフトが圧倒的人気のようでした。待ち時間はゼロ。

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スキーをやらなくなって以来、何年ぶりのリフトだろう。懐かしすぎる~

いい感じの揺れでうとうとしたくなるくらい快適です。

と思っている間に到着です。

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こんなお天気ならば、絶対リフトがオススメです!

 

リフトからちらりと天守が見えますが、リフトを降りた長者ヶ平(ちょうじゃがなる)から目指す本丸までは10分ほど坂を登ります。

 

すでにここの地点で立派な”山城”だと思うのですが、不思議なことに松山城は平山城に分類されます。

徳川と武田の攻防戦が繰り広げられ、武田滅亡の決定打となった遠江(静岡県)の高天神城は同じ132メートルの標高ですが山城です。

 

 

松山城攻略の出発点 長者ヶ平

と、ここで一服。お昼ご飯代わりのいよかんソフト。

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この長者ヶ平には、軽食もいだたけるおみやげ屋さんがあります。また、トイレや観光ボランティア申し込みなど、松山城攻略のための準備はこちらで。

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ボランティアガイド無料ということで迷ったのですが、ガイドさんをひとりじめするのも気が引けたので、とりあえずは勝手に歩いてみることにしました。

結局途中から運よくガイドさんに”専属”で説明していただけたのでラッキーでしたが。

 

 

連立式城郭建築の最高傑作

ここでちょっと松山城について。

現存天守の他に櫓や門などをあわせると21の重要文化財を有する壮大なお城です。それだけでもすごいのですが、戦前まではその倍近くの建物があり、一部は国宝に指定されていました。

戦火や放火など受難続きの松山城は、近年まで現存していたため図面や写真が残っていることから、昭和30年代以降に櫓などが次々に復元されています。

その形式は連立城郭式といわれるもので姫路城と並ぶものです。天守が再建されたのは幕末なのでわが国最後の完全な城郭建築ともいわれています。

 

私は本州の有名どころの城郭はほぼ訪ねているのですが、松山城の規模がここまでとは想像していませんでした。本州以外では熊本城に圧倒されましたが、それを超えました。個人的には想定外という意味で、姫路城すら超えたかもしれません。

 

 

熊本城もビックリな石垣が!

長者ヶ平を出てすぐに熊本城並みの石垣がそびえています。

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高さは17メートル。なんですか?この規模。

この先、待合番所を過ぎると建物群が見えてきます。

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手前に見えるのは、太鼓櫓。櫓なのにそこらの城の天守並みの大きさ。

その奥に天守がちらりと見えますがまっすぐには進めず、道のりは遠いのです。

 

そもそもこんな難攻不落かつゴージャスなお城を造った大名とはいかに!?

 

築城と藩主 

1602年に加藤嘉明(よしあき)によって築城に着手。賤ケ岳の七本槍のひとりでもあり豊臣秀吉の家臣でしたが、秀吉の死後は家康家臣として関ヶ原の戦の後に伊予国の藩主となりました。

加藤嘉明が築城に着手し、その後蒲生忠知(蒲生氏郷の孫)が藩主となりますが跡取りがなく断絶。その後1635年に移封し、明治に続くまで藩主となったのが久松松平家です。

伊予国初代藩主となった松平定行の祖父 久松俊勝は家康の母 於大の方の再婚相手であり、家康は伯父にあたります。徳川親藩である久松松平家が移封したのも周囲の有力な外様大名の抑えといわれています。

 

そして、本来なら天守が建造される必要性が失われていた幕末になぜ松山城の天守が再建されたのか疑問でしたが、黒船来航(外敵からの守り)対策として地理的条件に加え、親藩大名の治めるこの松山城が選ばれたという経緯があるようです。

 

この背景を知ると城の規模に納得できました。というわけで進みます!

 

重要文化財目白押しのラビリンス

まっすぐ進めない理由はこの180度の折り返し。

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折り返しでもたもたしているうちに、石垣の上から攻撃されて撃沈ですわ~(泣)

 

戸無門-となしもん-(重要文化財)

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文字通り昔から扉がなかったという門。

門の先を左に曲がると筒井門。勢いあまると石垣から真っ逆さま、です。

 

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城内最大の門であり、本丸へ向かう重要な守りの拠点。上部には櫓も構えられています。残念ながらこの門は放火により焼け落ちてしまい再建されたものです。

 

隠門-かくれもん-(重要文化財)

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写真では位置関係がわかりにくいのですが、筒井門の右奥にある門。


筒井門の右の石垣の陰に隠れているので気づきにくく、強固な守りの筒井門を突破しようと手こずる敵陣に横(背後)から奇襲をかけることができるのです。

 

太鼓門西塀

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ここまで来るのにも何度も曲がります。

そして、やっと本丸にたどりついても、このような塀の狭間から攻撃されればアウトです。

やれやれやっと本丸の広場らしき場所に出ました~

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桜の頃には美しい景色が見られそうです。

しかし今は広場になっているこのエリアには弾薬庫があったそうで、浸水しないようにゆるい傾斜がついています。また発掘調査では建物の礎石や排水溝跡などが見つかっています。

 

井戸

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もともと2つの山だった場所を埋め立てて造られた松山城は、このあたりが谷の部分でした。谷底の泉を井戸として残したもので、深さは44.2メートル。

上屋は戦後に建てられたものです。

 

広場西側から本壇と屏風折れの石垣

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手前の馬具櫓、その奥に天守を臨むことができます。

屏風折れの石垣は、石垣を屈曲させて防御性を高めています。

パノラマで市街地方面を撮影してみました。

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広場にもお休み処があります。

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蛇口みかんジュースもありますが、空港より高い!(ビアジョッキでなんか飲めませんって)

 

やっと入場受付が・・・というか、ここまで石垣や櫓、重要文化財の門などを見て来たのに無料だったことに驚きです。

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テント内では、検温、消毒、連絡先の記入が求められます。もちろんマスク着用。

その先の建物で入場券を購入します。この規模でおとな520円とは破格の安さです。

100名城スタンプもここで押します。

 

ところで、リフトを降りてここまで来るのに、なんと!!!30分かかりました。

写真撮りすぎてなかなか進めないというのもありますが、さくさく歩いても15分以上はかかります。

 

松山城恐るべし。完全に舐めていました、スミマセンm(__)m

 

大天守

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いざ、天守内部へ・・・

長くなりましたので次回へ続きます。