2023年4月の熊本旅行記です。
今回の旅の目的のひとつが復興した熊本城の様子を見に行くことでした。
この記事では、復元修理が完了した天守のようすをともに、現在もなお復旧工事が続く城郭エリアのようすを過去の写真と比較しながらご紹介します。
はじめて熊本に行ったのは2014年11月。
そのわずか1年半後の2016年4月に熊本地震が発生。
お城好きな私としてはテレビで熊本城が映し出されるたびにショックで、いてもたってもいられず、震災半年後に復興城主の申し込みを兼ねて現地へ。
そしてこの度、復元された天守の「特別公開」へ。
1泊2日の弾丸スケジュールで、天草から寄り道しながらの熊本市入り。
この日の夕方の便で帰らなくちゃいけないのに予定は押しまくり。
ヤバいよヤバいよ~(笑)
特別公開の熊本城へ
平日午後2時過ぎに駐車場へ。
城内へのアクセスにもっとも近い「桜の馬場城彩苑」横の駐車場を利用できました。
しかし!ご飯を食べている時間もないので短時間で小腹を満たそうと
くまもんをパクっっ
いきなり団子とどちらにしようか悩みましたが、これはこれで美味しいゾ
これまでの2回の熊本城では、観光案内所発のガイドツアーで巡りましたが、今回は到着時間が読めなかったので単独行動で。
御幸坂から特別公開入場口(南口)へ向かいます。
右手に見えるのは「一本足の石垣」で耐えた飯田丸五階櫓のあった場所。
建物は解体され修復中。
災害からの復興ではあるものの城内一帯は私の好きな「巨大工事現場」です。
石垣には網が張られ、各所に警備員が配置されるなど安全にも配慮されています。
修復工事が行われている城内は特別見学ルート(有料)で巡ることになります。
【住所】熊本市中央区本丸1-1
【営業時間】9:00〜17:00(最終入場16:30)
【定休日】年末(12月29日~31日)
【入園料】おとな800円 こども(小中学生)300円
熊本城「特別見学ルート」でいざ!
特別見学ルートについて
※熊本日日新聞社発行の見学ガイドから引用
図内 「特別公開南口」でチケットを購入。キャッシュレス対応しています。
建物横の階段から見学用の歩行デッキへ。
地上5~7メートルの高さから「工事現場」を見ながらのルートとなります。
歩行デッキ
仮設とは思えないしっかりした造りです。
エレベーターなどバリアフリー対応もされている反面、熊本城の修復工事が長期に及ぶということもうかがえます。
350mの長さのデッキのゴールは、2021年に復旧工事が完了し、内部が公開されているた天守閣です。
天守まで行って再び南口に戻るルートになります。
休日には北口も開放され、南から北(その逆)の通り抜けが可能となるそうです。
数寄屋丸(すきやまる)
茶会が催された建物。1989年に復元されたものです。建物下の石垣が大きく崩壊。
2014年に反対側から見た数寄屋丸の建物
連続枡形(ますがた)
熊本城一の防御性を誇るエリアです。
6回も折れ曲がる複雑さに、敵は侵入を断念するしかありません。
下の写真は2014年撮影
現在はこれを橋上から見下ろすルートになっています。
重要文化財櫓群
江戸時代からの櫓が立ち並ぶ東側のようす。右の建物は市役所です。
2016年に見学したときは市役所14階からの展望もコースに入っていました。
写真下が櫓、写真中央が本丸御殿です。
※2023年4月現在も熊本市役所庁舎の展望ロビーは一般公開されていました。
天守や本丸御殿が見えてきました。上の写真と比べると天守が生まれ変わっています。
二様(によう)の石垣
熊本城の象徴でもある急峻な石垣。
加藤家と細川家それぞれの時代の石垣が並んだようすは圧巻。
400年前の石垣は地震をものともせずに力強くそびえている姿に感動します。
2014年に地上から見たようす
正面に本丸御殿が見えてくるとデッキの終点です。
階段を下ります。
闇り(くらがり)通路
熊本城の天守閣へは本丸御殿のこの地下通路を通らなければ入れない構造になっています。
2007年に復元されたばかりの通路には大きな被害もなかったようです。
この上の本丸御殿内は壁などがはがれ落ちているそうで現在内部に入ることはできませんが、いちばん豪華な部屋である「昭君之間」の壁画は無事とのことです。
蘇った天守閣へいざ!
天守閣全容
2021年3月に蘇った大天守と小天守が並んでいる姿は壮観。
私は徳川びいきの人間ですが、城は”黒系が好きです♡
逆光でしたが、なんとか克服。カッコいいわ~♡
ところで、周囲で記念撮影をしているのは外国人ばかり。
スタッフさんに聞いたところ(コロナが第5類になる直前の2023年4月)で、7割が外国人観光客だとか・・・ 日本人たちよ、熊本城を見に行きましょう!
天守閣内の展示
右側の小天守から入ります。
内部で大天守とつながっていて、出口は大天守側となっています。
入ってすぐの地階には、石垣や井戸などの構造を見られると同時に、新しくなった天守閣の耐震も見せる展示になっています。
建物内にはエレベーターも設置されています。
展示もリニューアルされ、時系列でわかりやすく熊本城の歴史が解説されています。
文字だけでなく、模型やジオラマ、映像シアターもあります。
なお、以前訪ねた時にガイドさんからお聞きしたのですが、古文書や武具などの展示には(当時の天守閣の環境は)適していないため、貴重なものは博物館で展示しているとのことでした。現在もその流れは変わらずのようです。
4階は熊本地震の被害や復旧に関する展示となっています。
復興城主デジタル芳名板
復興城主に登録(寄付)した人の名前を検索できます。
登録から7年近くたっているのですが、私の名前も確認できましたよ(^^)v
なお、静岡県の復興城主の「鈴木さん」率が非常に高くてびっくり&納得。
最上階の6階からの展望です。
市街地は日常を取り戻しているように見えますが、城内はまだまだ爪痕が残ります。
この後、来たルートを戻って南口へ。
北ルートが開放されていなかったため、宇土櫓を見るためにいったん駐車場から車を出して、城の北側にある加藤神社へ向かいました。
加藤神社と宇土櫓
境内には私がお気に入りの撮影スポットがあります。
最高の1枚が撮れました(^^)v
宇土櫓(うとやぐら)の(解体前の)最後の雄姿も。
江戸時代から現存する「不屈の櫓」は地震に耐えましたが、よく見ると壁の漆喰などが剥がれ落ちています。
写真には写っていませんが、櫓の手前にある続櫓は倒壊、櫓内部もかなり損傷を受けているそうで、この直後から解体工事に入るとのことでした。
※解体修理は2032年工事完了の予定です。
宇土櫓より天守閣の方が大きいのに、こんなに早く復旧できのには理由があります。
復興のシンボルとして優先させたのはもちろんですが、戦後に鉄筋コンクリートで再建された天守だったからです。
一方、宇土櫓は重要文化財に指定されています。
重要文化財は、好き勝手に新しい材料で作るわけにいかず、元々使われていた木材や瓦などをできる限り使わなければいけないという制約があるのです。
天守閣の上から見た加藤神社側
加藤神社側から天守を見るときれいに修復されたように見えますが、その手前の石垣はまだまだこれからという状況。
北西にあった戌亥櫓(いぬいやぐら)も解体されていました。
左が2023年、右が2016年
熊本城の完全復旧はいつ?
城内のいたるところに解体した石垣の仮石置き場が見られます。
棒庵坂付近
熊本城には重要文化財の構造物が多いことに加え、大規模な石垣の工事も含まれるため、すべての工事完了にはあと30年近く(2050年頃)かかるともいわれています。
工事現場好きな私にとっては、まだまだ工事中がずっと見られるのは う♡ふ♡ふ♡
ですが、自分の寿命のほうがヤバいかも~!?
見学所要時間
南口からデッキを歩いて天守まで行き外観を見るだけなら30分でも可能です。
じっくり石垣のようすを見たり、修復工事が完了したばかりの天守内部の見学も含めると約2時間。
そして、見学の拠点になる桜の馬場城彩苑には、お食事やテイクアウトグルメのお店、おみやげもの屋さんが立ち並んでいるので、こちらでの散策時間も考慮するとプラス1時間くらいほしいところです。
周辺にみどころもたくさんありますが、やっぱり熊本のシンボル的存在である熊本城にはゆっくり時間をとった計画を立てることをおすすめします。
かくいう私・・・今回はかなりドタバタになってしまいました。
到着から出発までの時間は約2時間半。
城好きとしては全然時間が足りず反省です(T_T)
次回はたっぷり時間をとって再訪したいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。