2023年3月の和歌山の旅。
和歌山市内のメイン観光スポットでもある和歌山城へ。
徳川御三家のひとつ 紀州徳川家の居城として知られる和歌山城。
桜の季節に2週間ほど早かったこともあり、ゆったりと石垣を眺めながら広大な徳川御三家の名城を堪能してきました。
和歌山城について
徳川御三家のひとつ 紀州藩の居城として知られる和歌山城ですが、築城は16世紀末に紀州を平定した豊臣秀吉が弟の秀長に命じて造られたのがはじまりです。
築城には「築城の名手」として名高い藤堂高虎も関わっています。
その後、城代として桑山氏、関ヶ原の戦いの後には、浅野幸長(よしなが)が入城し大規模に改修。
1619年に徳川家康の十男 頼宜(よりのぶ)が西日本の抑えとして入城して紀州徳川家が成立します。
この紀州徳川家からは八代将軍となった吉宗、十四代家茂が輩出されています。
城は姫路城や松山城と同じく連立式天守の形をとっていますが、建物は昭和時代に復元されたものとなっています。
和歌山城へのアクセス
今回は南海和歌山市駅から徒歩で向かいました。
距離にして(西北の入口 観光案内所まで)約1km。徒歩で15分ほどです。
ルート的に日陰も少ないので真夏はおすすめできませんが、それ以外の季節でしたらウォーキングがてら程よい距離です。
城内もかなり歩くのでそれなりの覚悟は必要ですけどね。
和歌山城周辺は市役所など市の中枢となる施設が多いエリアなので、各方面にバスが出ています。疲れたら帰りはバスというのもありですね。
国道24号線 西汀丁(にしみぎわ)歩道橋から見た和歌山城
城好きは、まずここで1枚はマストでしょう。めちゃテンション上がるスポットです。
西の丸から入城して散策
西北エリアにあたる西の丸の門から入りました。
西の丸には観光案内所やおみやげ店、大型バスの駐車場もあり、観光客のアクセスの拠点となっています。
一方、お城的には大手門が「正面玄関」にあたり、ここから表坂を通って天守へ向かうルートなっています。
今回歩いたのは、西の丸庭園を散策して「裏坂」から本丸・天守へ。
天守登城後は、「新裏坂」から南の丸を通って岡口門へ。
東堀沿いを歩いて大手門へ向かった後は、表坂の入口まで歩き、再び西の丸へ。
最後はブラタモリでも紹介された和歌山城ならではの砂の丸へ。
かなり長距離&マニアックな巡り方でしょうか?
西の丸庭園入口でお迎えしてくれたのはこちら
暴れん坊将軍吉宗の顔出しパネルです(笑)
一昔前なら松平健さんのイメージですが、今や「大奥」の冨永愛さんの存在感が強烈なのは私だけではないはず。2023年秋からのシーズン2が楽しみです。
西の丸庭園(紅葉渓庭園)
西の丸は初代藩主 頼宜の隠居所として造られたエリア。
かつては能の舞台や茶室なども設けられ、現在は庭園として整備されています。
別名 紅葉渓と称されるとおり青もみじや紅葉の時期がベストなのでしょう。
歩いている人はまばらでした。
茶室越しに見えるのは御廊下橋
お殿様専用「御廊下橋」を渡ってみる
御廊下橋は西の丸と二の丸を結ぶ橋で、藩主とお付きの人のみが渡れる橋。
城郭の建造物としても珍しい上に、ここは傾斜がついているのも特徴です。
図面をもとに2006年に復元された建造物で、無料で渡ることができます。
徳川直系らしい高貴な雰囲気を感じる建物です。
以前福井城でもこのような建造物を見た記憶があります。(福井城は徳川家康の次男 結城秀康が初代藩主)
土足禁止。履物をもって通り抜ける形になりますが、私は履物を西の丸側に置いたまま往復してみました。
滑らないようにと配慮され板がのこぎりの歯のように重ねられています。
なかなかの傾斜に加え、靴下履きで歩くのでかえって滑る、滑る(苦笑)
さらに上りよりも下りがけっこう大変。
板の段差がまるで足つぼかのごとく食い込んで、けっこう効くわ~(爆)
ということでお殿様の風情はどこへ・・・という感じで楽しんで往復しました。
和歌山城は「石垣の博物館」
和歌山城は、豊臣時代、その後、桑山氏、浅野氏と城主が移り、最終的には紀州徳川家の居城となりました。それぞれの時代に改修が行われているので、時代ごとに異なった石垣が見られます。
石垣好きにはたまらない「石垣の博物館」なのです。
西の丸庭園の南の石垣は、野面(のづら)積みのゆるやかな石垣。
この地から産出された結晶片岩が使われている初期の石垣がこちらです。
石垣巡りの資料(公式サイトからダウンロードも可能)も用意されていますので、これに沿って巡るのもオススメ。
この後も、ちょこちょこと石垣のようすをちりばめながらご紹介していきます。
石垣の反対(庭園)側も風情があります。
裏坂を登って本丸・天守へ
和歌山城への天守へは、「表坂」「裏坂」「新裏坂」の3つのルートがあります。
西の丸から入った場合は、裏坂から登るのが最短ルートです。
このあたりは、ある程度成形された打ち込みハギと呼ばれる石垣になります。
ここには櫓のようなものがあったのかもしれませんね。
この幾重にも重なる石垣にテンション上がります♡
隠れた名石垣スポットだと思います。
本丸跡から見る天守
かつては本丸御殿があった「本丸跡」は、現在展望台となっていて、天守閣の絶好の撮影スポットです。
あと2週間くらいで桜が満開・・・というタイミングでした。おかげで空いてましたが。
こちらは天守閣の最上階からのフォト。
中央にあるのが本丸跡の展望スポットです。
天守閣に登ってみた
天守閣前の広場にやってきました。外国からの団体さんがにぎやかでした。
しかし大阪城や姫路城ではなく、この和歌山城に来るとはなかなかマニアックな団体です。
天守閣に入るには入場料 おとな 410円が必要です。
(観光案内所隣にある「わかやま歴史館」にも入館できます)
和歌山城の天守は、大天守、小天守、櫓などを渡り櫓で連結した「連立式天守」です。
中に入ると、四方ぐるりと囲まれていて、防御的にすぐれていることがわかります。
和歌山城の天守
三層の天守は幕末に焼失しているものの、御三家の城ということで再建が許され、昭和期には国宝に指定されていました。しかし第二次世界大戦で焼失してしまいました。
あ~お前もか・・・(国宝に指定されながらも戦災で焼失した尾張徳川家の名古屋城と同じ運命)
ということで現在の建物は鉄筋コンクリートで再建されたものとなっています。
意匠としても名古屋城とよく似ていて「THE 徳川の城」ですね。
天守の内部
内部は展示施設になっています。
甲冑をはじめとした武具や武器なども展示されています。
建物は復元ですが、郭(くるわ)や堀の構成はほぼ当時の規模と形を残しているのが和歌山城のすごさです。
最上階からの展望
シャチホコもいます。やはりライバルは尾張徳川家なのかしら?
連立式の天守の構成がよくわかります。その先には紀の川が見えます。
廻廊の中も展示室になっていますが、ここは軽めな展示
和歌山市出身の偉人紹介コーナーで思わず足が止まりました。
意外と知られていませんが、浜松に本社を置くヤマハ(旧.日本楽器製造)創業者は和歌山出身なんですよ。
こちらは大河ドラマ「八代将軍 吉宗」のドラマセット。(1995年放送)
私、大河ドラマにはまりこんだのがこの翌年1996年の「秀吉」からでした~
100名城スタンプ
天守閣のチケット売場にスタンプがあります。
ここまでのルートならば所要1時間くらいです。
城マニアはここからが勝負!新裏坂を下り、南から東にかけてぐるりと歩きます。
現存建物である岡口門や外堀、和歌山城ならではの砂の丸などを歩きます。
和歌山城、ガチで歩きごたえありすぎっっ