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【大分】荒城の月の舞台にして堅城 日本100名城 岡城(後編)

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2021年秋の宮崎・大分旅行記です。

大分県竹田市にある難攻不落の城といわれる日本100名城の岡城。本丸を目指すコースを散策。三の丸までやってきました。

www.momoyorozu.net

 

美しい石垣を眺めた後は、二の丸へ進みます。

二の丸にたたずむ滝廉太郎像

二の丸は、北に張り出した地形で、中央には藩主の住む御殿、その先端には月見櫓や御風呂屋などがありました。防御的な郭ではなく迎賓や藩主の愉しみのための空間として利用されていました。

現在は休憩施設などがあるのみですが、開放的な視界の空間に滝廉太郎の銅像がひっそりとたたずんで、この城跡を見守っています。

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ここ竹田市は作曲家 滝廉太郎が幼少期を過ごした地であり、この城跡が遊び場だったことから銅像が設置されました。

代表曲でもある「荒城の月」のメロディは、この風景から着想したといわれます。

 

以前福島県の会津若松城(鶴ヶ城)を訪ねた時も「荒城の月の舞台ですよ」とガイドさんから伺ったのを思い出しました。

舞台はいくつも存在するのかしら?

「荒城の月」は、明治維新後に廃城令が出されて各地の城が荒れ果てていく頃に作られた曲。作詞をした土井晩翠は仙台市出身のため、青葉城と会津若松城をモチーフにしたといわれ、作曲についてはこの岡城とされています。

さらにモデルとされる城は各地にあり、石碑なども建てられているようです。

しかし最近のお城ブームで整備(あるいは復元)されすぎて、有名どころは”荒城”感がなくなっているのをこの方たちはどう見ておられるのでしょうね?

 

いよいよ城のメインである本丸に登ります。

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石垣のバリエーションが豊富な岡城。この石積みにもこだわり&芸術性を感じます。

 

本丸跡のようす

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岡城の中心となる郭ですが、城の遺構(建物)はなく、案内板と神社が建つのみ。

天満神社

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1593年に中川秀成が入城にあたって祠を移転、以後中川家藩主が崇敬してきた神社。

2016年に社殿が修復されたばかりです。

三重櫓跡

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城の中心に位置する本丸、その南側にはかつて三重櫓がありました。

岡城には天守閣は存在しませんでしたが、そのかわりに象徴的な建物となっていたのがここに立っていた三階櫓です。

三重櫓跡から三の丸方面

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本丸からは360度パノラマの眺望が広がります。まさに登城日和(^^)v

 

普通ならば想像力をかきたてて、在りし日の建物を思い浮かべるところですが・・・

その再現映像がARアプリで見られます。

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っていうか、これドローン目線じゃ?(笑)

今度は、三の丸側から石垣に向かってスマホをかざすと・・・

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アプリでこんな風景が再現されました~

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これは角度的にもわかりやすい! 楽しいのでおすすめです♡

 

二の丸跡休憩施設

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本丸跡にある建物の入口を入って階段を下ると、1階部分(二の丸側)には、トイレや休憩スペースがあります。映像紹介コーナーもありました。

雨天時には、本丸と二の丸を行き来する通路としても便利です。

 

本丸からさらに奥(東)にも遺構がありますが今回はここまで。

来た道を引き返します。

大手門跡方向、西に向かって歩いていく途中に見えるのは、西の丸方面です。

西の丸エリア

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郭の中でもっとも広いのがこのエリアです。

最初に城内図を見たときにここが城の中心かと思ったくらいです。

このエリアには、藩主の隠居後の住まいや庭園、家老屋敷などがありました。

時間の都合でこちらも奥までは行かれませんでしたが、紅葉につられてちょっとだけ奥へ進んでみました。

西の丸跡

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スロープ状に造られたこの入口。

ARで在りし日の姿再現できました~

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ここから再び駐車場まで戻るのに約10分ほどでした。

まとめ

本丸コースプラス西の丸に寄り道をして所要は1時間ほどでした。

もう30分あれば東端は無理としても、西の丸の奥まで頑張れたかなという感じです。

建物の遺構はないけれど、石垣がほぼ完全な状態で残っている美しい山城です。

さらに野面積みから谷積み、布積み、そして精巧な切込接ぎの石垣も見られ、まさに石垣のデパート(笑) 

天下普請の城ならよくあることですが、一大名がこれだけのバラエティ豊かな石垣を備えた城を普請したとは驚きました。

 

そして何より、山城といいつつ大手門を入った後は起伏も少なく散策しやすい城跡なのが気に入りました。

トイレや休憩施設も整備されているので安心です。

また訪れる機会があれば、城跡だけでなく城下町も歩いてみたいと思うのでした。

okajou.jp

※2021年1月に発生した日向灘沖地震により石垣の一部が崩れています。ご注意ください。

 

翌日は続100名城の中津城を目指します。