2018年8月に訪ねた和歌山県の友ヶ島 つづきです。
ガイドさんについて2時間弱のガイドツアーを利用での散策です。
戦争遺跡と自然が醸し出す”ラピュタワールド”を満喫
島内のみどころ
将校宿舎の建物の先、トンネルをくぐります。
その先にはガイドブックなどで見たあの風景が広がっていました。
弾薬支庫
前記事でも述べたように私は”天空の城ラピュタ”を見ていませんので、これがそっくりなのかどうかは明言できませんが、同じ船に乗っていた若者たちの多さを見る限り、感動の景色なんだろう、と思います。
聞いたところによるとコスプレしてくる人もいるらしいです。残念ながらこの日は見られませんでしたが・・・
レトロ建築好きな私としては、明治時代に日本海軍によって建造された建物がこんなに良い状態で残されていることに驚きです。レンガはフランス積みかしら?とか弾薬庫にあのアーチ要る?と突っ込んでみたくなったりしますが・・・
そして、この建物中にも入れるんです。(一人じゃ決して入りたくないレベル・・・)
怪しく光っているのは、先に入っている人たちが照らす懐中電灯の光です。
内部はこんな感じ。外観と比較すると朽ち果てた感が漂います。
漆喰が塗られていた痕跡がまだらになっているだけで十分ホラーっぽいのですが、これに輪をかけてホラーにしてくれたのがレンガの内壁に張り付くようにいた虫。
幸い、私たちは先に行って戻って来た人たちから「この先にヘンな虫がいるから気を付けてね」と教えてもらったのでよかったのですが・・・ 後で聞いたところコオロギの仲間だそうですが、懐中電灯で映し出された空間に浮かび上がった姿はホラー感満載でした(苦笑)
とはいえ、横に長い建物内部の通路は、京都・南禅寺水路閣を彷彿とさせるものがありました。
(南禅寺水路閣 2018.6 撮影)比較してみると、ほぼ同時代に建造されたものでした。
さらにこの階段を下って地下に向かいます。
真っ暗なトンネルを通りつつ、案内板も少ないこの島をガイドなしで歩くのは中高年にとっては大変ですが、若者たちはホンモノのアドベンチャーを楽しんでいるようにも見えました。遊園地のつくりものに行列を作るより断然こっちのほうがいいよ~
地下通路と弾薬庫
地下にも弾薬庫がありました。
内部は防火素材として城や蔵などにも使われてきた漆喰が塗られています。
天井に大きな穴がありますが、クレーンを使って弾薬を運び上げるための穴です。
現在上部は塞がれていますが、その痕跡はさきほど通ってきた真っ暗な通路にあった少し盛り上がった部分です。
写真を撮りつつも迷子にならないようにガイドさんについていくのが精いっぱい。どこをどう歩いて行ったのかさっぱりですが、気が付けば砲台に出ていました(>_<)
砲座跡
直径3.5メートルの円状のくぼみは大砲が据えられていた砲座と呼ばれるもの。
隣には池のようになっている砲座がありました。大砲は終戦後に撤去されていますが、それ以外は当時のまま。
2つの砲座を1区画として、トンネルの先には、3区画同じレイアウトの砲台が続きます。団体だったので奥まで進む時間はありませんでしたが、帰りがけに見つけた案内板のイメージではこんな感じ。
とにかく案内表示は最小限な友ヶ島。想像力を働かせるしかありません。
タカノス展望台
猛暑日(だったと思われる)この日は、すでに汗だくです。ただ、山頂は心地良い風が通ります。見事な快晴で見晴らしも最高でした。
大型タンカーが行き交う関西圏の要衝 紀淡海峡を臨む
神戸方面を望む
これだけの青と緑のコントラストの美しい景色が見られたのでぜいたくは言えませんが、視界が良ければ関西国際空港や明石海峡大橋が臨めるそうです。
また私が気づかなかっただけですが、関空を離発着する飛行機が上空を飛ぶそうです。
淡路島方面を望む
正面に見えるのが淡路島。わずか4kmの距離です。大きなタンカーが次々に通り、写真右手側で大阪港と神戸港に向け舵を切ります。
先日、ブラタモリで関門海峡の交通量の多さを紹介していましたが、ここもそれに負けず劣らずの交通量なんだそうです。
灯台
ちなみにこの付近を日本標準時となる子午線(東経135度)が通っています。それって明石市だけだと思っていたのでちょっとビックリ!
友ヶ島には、私たちが訪ねた第3砲台を含め5ヶ所の砲台跡の他、聴音所跡、灯台などまだまだみどころがいっぱい。体力さえあれば丸1日探検が楽しめますね。
みどころはいっぱいある島ですが、私たちの”探検”はここでタイムアウト。もう桟橋に戻らないと帰りの船に乗れません。
ポケモンGOのレアスポット? 注意喚起の看板
ジブリ以外にもこれがあったか! 無人島ですし、けっこうレアスポットな感じです。ただ、道には木の根が出ていたり石がゴロゴロしていますのでくれぐれも集中しすぎて転びませんよう・・・
桟橋前に戻ってきました。
野奈浦桟橋の広場でガイドさんが教えてくれた面白いもの。
まるでエビフライ? 実はこれ、リスが食べてしまった松ぼっくりの残骸。器用というのか・・・
ラピュタ号で加太港へ
船に乗って加太港へ向かいます。いい風が受けられるので甲板にいました。
実は乗るときに気づかなかったのですが、この浮き輪を見るとこれは ラピュタ号?
今年の夏は台風の度重なる台風の襲来で欠航も多かったようですが、本当にラッキーな1日でした。
山の上に見える建物は 「休暇村 紀州加太」。全国屈指の人気の宿だそうです。ここなら絶景ですよね~
また(本州側の)この近くにも砲台跡があるそうです。時間に余裕がない場合や船が欠航で友ヶ島に行けない場合は、そちらでも雰囲気が味わえるそうです。
軍事要塞というのは国内にまだまだ数多く存在しているようですが、立ち入りが禁止されていたり、あるいは史跡として手入れされ過ぎているかのいずれかです。このように自然と一体化した無人島というシチュエーションはなかなか巡り合えないものです。
個人でふらり・・・というのはちょっとオバサンには無理ですが、この島のみどころをまたいつか訪ねてみたいと思うのでした。