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【麒麟紀行】明智家の菩提寺「西教寺」へ

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大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公である明智光秀の菩提寺である滋賀県の西教寺をご紹介します。

訪ねたのは2020年3月の中旬。新型コロナの感染拡大がはじまり国内がピリピリしていた頃です。

こちらとあわせて訪ねました。 

www.momoyorozu.net

 

 

西教寺について

 

西教寺 概略

【名 称】天台真盛宗総本山 西教寺

【ご本尊】阿弥陀如来

【創建年】

【開 基】聖徳太子

【文化財】本堂、本尊 他

【所在地】滋賀県大津市

聖徳太子が恩師(僧)のために創建したと伝わる寺院で、盛衰を繰り返しながら、慈恵大師良源、恵心僧都源信らによって念仏道場として繁栄。さらに15世紀に真盛上人によって復興されました。しかし16世紀には織田信長による比叡山焼き討ちの際に堂宇が焼失。その後、この地に坂本城を構えた明智光秀が再興に尽力。境内には明智光秀の一族の墓などがあります。

全国400寺の末寺を有する天台真盛宗の総本山です。

 

西教寺の場所とアクセス

比叡山の麓、滋賀県大津市坂本にあります。明智光秀の居城であった坂本城や日吉大社などみどころの多い地域にあり、延暦寺の堂宇であった寺院です。

日吉大社からは北に約1km。車で5分ほどでした。 

駐車場

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総門向かって左に無料駐車場があります。30台ほど停められます。

公共交通機関は総門前にバス停がありました。2つの路線バスがあるようですが本数は少なめ。

坂本ケーブルあるいは京阪電車の駅から徒歩かタクシーという手段になると思います。

 

境内のようす

総門

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この総門は明智光秀の居城であった坂本城の城門を移築したもの。

あと2週間ほどで桜が満開になると思われる参道は、自粛明け直後の平日、さらにみぞれの降る寒い日でしたので参拝客もまばらでした。

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参道の両脇には里坊(塔頭)が立ち並んでいます。そのうちのひとつ禅明坊は大河ドラマ館として公開されることになっていましたが・・・

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残念。3月中旬のこの時点では延期となっていましたが、西教寺の境内は通常どおり拝観できました。

 

勅使門

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参道から100メートルほど歩いた突き当りにある門です。

左右どちらも本堂には行かれますが、ここは左に進んで宗祖大師殿に行きます。

 

西教寺とっておきのフォトスポット

宗祖大師殿

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中興の祖・真盛上人を祀る建物で、明治時代に建造されました。

 

西教寺の最強フォトスポットがここです。大師殿を背に見える風景。

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唐門越しに琵琶湖をのぞむ景色は、2020年の光秀大博覧会公式ガイド(無料配布)の表紙にも描かれています。

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ところが、ここにはこれよりもっとすごいフォトスポットが隠されていたんです。

唐門に「麒麟」がいた!

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なんと!唐門の梁の上に麒麟(きりん)が対になった彫刻がありました。

(麒麟はドラマのタイトルにもなっている平和をもたらす空想上の動物のことです)

実は(ド近眼なので)この写真を撮っている時には気づかず、細部まで美しそうな彫刻をあとでじっくり見ようと撮影してきたのですが、帰ってきてネットでその事実を知り写真を見直したところ、運よく写っていたというわけでした~

 

大師殿から数十段の階段を登るといよいよ本堂や客殿といった建物の並ぶ境内の中心的エリアへ。

 

重要文化財目白押しの本堂エリア

本堂(重要文化財)

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建物は18世紀中頃に造られた総ヒノキ造りの建物で、材料は紀州徳川家から寄進されたもの。ここにも徳川が関わっているのはうれしいです(#^.^#) 

本堂・客殿などの拝観

屋内の見学は、本堂の奥にある大本坊が入口となります。

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本堂の他、客殿、庭園、資料室を巡るルートになっています。

 

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本堂

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菊の紋章は、7世紀にこの近くに大津京を造った天智天皇を崇敬しての紋だそうです。

遠景では質素にすら見える建物ですが、扉や梁などの彫刻も手の込んだつくりになっています。さらに本堂内の欄間の彫刻や祭壇なども豪華なつくりになっています。

(内部の写真撮影は禁止です)本堂内にご本尊阿弥陀如来が祀られ、それを囲む両脇の祭壇には4つの厨子があり、再興に尽力した僧たちの木像が祀られていました。

祭壇の近くに高齢の僧侶がいらっしゃったので厨子のことなどをお尋ねしたところ丁寧に解説してくださいました。

もしかしてすごく偉いお方だったかもしれません。この僧侶が鳴らす鐘(鳴り物)の響きがじわりと心に沁みました。 

 

客殿(重要文化財)

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豊臣秀吉の居城である伏見城にあった建物を移築したもの。桃山御殿ともいわれ、この時代の様式を残す貴重な建造物となっています。

襖絵は狩野派の絵が描かれています。

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重要文化財の建物だけでなく、趣の違う複数の庭園もみごたえがあります。

客殿庭園

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江戸初期 小堀遠州作と伝わる池泉式庭園です。

しばらく前までみぞれまじりの雨でしたが、いい感じに陽射しがでてきました。

 

書院庭園

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この界隈に多く見られる穴太(あのう)式と呼ばれる庭園。城の石積みで知られる石工職人の穴太衆の手によるものです。

近くには石垣の残る街並みがあり、駅名などにも穴太の地名が見られます。

 

裏書院庭園

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こちらは平成の時代に新たに造られた庭園です。 

欣浄廊の二十五菩薩

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1584(天正12)年に造られた石像で、阿弥陀如来に従う菩薩たちです。

”欣浄”(ごんじょう)は徳川家康の旗印にも書かれていた「欣求浄土」(-ごんぐじょうど-穢れのない極楽浄土への往生を切望する意)のことですね。

 

資料室

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ここには明智光秀直筆の文書が展示されています。じっくり見る予定でしたが・・・

 

(ここから愚痴です→)なんらかの制作会社と思われる集団が資料室内を占拠していました。音声はありませんでしたが、ライトなどの小道具をふりまわし来客がいようが独占状態。さらに要領が悪いのでなかなか撮影は進みません。それだけでもイラっときたのですが、手持無沙汰にしていた下っ端らしき男性は狭い室内でマスクもせずゴホゴホと・・・ 新型コロナに敏感になっているこの時期にあり得ない集団です。

展示物を近くで見たい私は”早く立ち去れオーラ”を出しながら数分待ちましたが、この状況に私が立ち去るしかありませんでした。

偏見承知でいいますが、いわゆるこういう業界の人って自分たちが偉いと勘違いしていませんか? 拝観料や撮影料払っているんですか? 

私だって拝観料払って遠くから見学に来ているんです。空気読まんかいっ!!! 

半年たっても思い出すと鮮明に記憶がよみがえってきて腹立つわ~ 

客殿の廊下(通り道)にも機材の箱などを散らかし、鐘楼を撮るにも邪魔になるところに車を長時間おくなど、大阪府内のナンバーの車で来ていた気遣いの欠片もない集団でした。

 

これさえなければ大変居心地の良いお寺だっただけに本当に悔しいので、あえて事実を記録しておきます。

 

鐘楼

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気を取り直して少し晴れ間が出て来た屋外を歩きます。

明智家ゆかりの史跡

明智一族の墓

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織田信長を討ったことで逆賊となった明智一族は、一族もろとも非業の最期を遂げました。明智光秀をはじめした一族、またそれ以前に亡くなった正室の煕子(ひろこ)の墓もあります。 

なお、明智光秀の墓は国内に数か所存在しています。

明智光秀辞世の句

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「ときは今 雨がしたたる・・・」は辞世の句ではなかったんですね。無知でした・・・

 

真盛上人廟

明智家のお墓のすぐ横にのびる階段を登ると、真盛上人の廟があります。

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この石灯籠も独特な雰囲気を醸していました。

 

西教寺の御朱印

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西教寺拝観の所要時間

今年は明智光秀関連の史跡として注目されていますが、天台真盛宗の総本山でもあり、聖徳太子の時代から続く歴史あるお寺は予想以上にみどころが多かったです。

大河ドラマ館としての展示がない時期でしたが、境内をじっくり巡って2時間弱でした。最低でも1時間ほどかけて本堂や庭園などをじっくり巡ることをおすすめします。

 

大津市坂本周辺の寺社巡りのススメ

比叡山延暦寺だけでも広大でひとまわりするのにも大変ですが、この山麓にある延暦寺関連の寺社は何度かにわけて訪ね歩く価値あるスポットが目白押し。

京都も良いけど春や秋の人気シーズンや連休には密になりやすいので、そんな時は京都からのアクセスも良く、密になることの少ない滋賀県のお寺がおすすめですよ。

 

www.momoyorozu.net