2021年3月に訪ねた伊勢神宮のようすです。
毎年1月に団体参拝に行っているのですが、今年はコロナ禍により中止に。
そんな中、別宮もめぐりながら外宮と内宮へお詣りです。
外宮から内宮という順序でお詣りするのが正式なのですが、それより先に別宮(瀧原宮)を参拝しちゃってるんですがどうなんだろう?
伊勢神宮と外宮
伊勢神宮は正式には「神宮」といいます。全部で125のお宮を含んだ総称のことで、そのうち内宮(ないくう)と外宮(げくう)がその中心的なものとなります。
【名 称】豊受大神宮(とようけだいじんぐう)(外宮)
【主祭神】豊受大御神(とようけのおおみかみ)
【創建年】雄略天皇22年(約1500年前)
【所在地】三重県伊勢市
豊受大神宮(外宮)は、内宮の天照大御神(あまてらすおおみかみ)のお食事を司る神様で、衣食住、産業の守り神としても崇敬されています。
外宮の境内
毎年1月に参拝しているのと比較すると、はるかに人が少ない・・・
火除橋(ひよけばし)
神社で参道の真ん中は神様の通り道。外宮は左側通行になります。
上の写真は帰りがけの午後4時過ぎとはいえ、到着した直後もこんな瞬間がありました。
日曜日の午後でしたが、まるで早朝に来たかのような風景です。
例年参拝する1月は、バスでの団体参拝者が圧倒的に多いので、観光バスほぼゼロのコロナ禍では参拝客の数が少ないのも致し方ありません。
参拝者の年齢層も確実に20歳以上は若返っているような気がしました。
手水舎
コロナ感染対策で柄杓(ひしゃく)が撤去されたこの光景も定着してきました。
参道
欲をかいてはいけませんが、やはり独り占めできる空間はうれしいものです。
参道は長くないけれど木々に囲まれて良い気を感じる空間です。
ちなみに遷宮が行われた年(2013年)の年初(1月中旬)の参拝時はこんな状態。
神楽殿を過ぎた先、右手に見えてきた古殿地(こでんち)。
伊勢神宮は20年に一度の遷宮で社殿を新しく造営します。隣接した敷地に交互に社殿が建てられており、ここは2014年頃まで社殿があった場所。
現在はこの先に社殿があります。
内宮と比べると拝殿までの距離は短く、駐車場から500メートルほどです。
正宮
鳥居をくぐった先の建物の手前で参拝します。
その奥は、御垣内(みかきうち)参拝という形で一部入れるところもありますが、一般人が立ち入ることのできる場所はそこまで。奥に続く社殿は一部の神職の方や皇族だけが立ち入りを許される神聖な場所になっています。
かろうじて古殿地側からその屋根を臨むことができます。
ちなみに伊勢神宮の正宮(内宮・外宮)では個人的なお願い事をしてはいけないと言われています。感謝の気持ちを述べることにとどめ、お願いは別宮でというのが良いそうです。
というわけで別宮へ向かいます。その道沿いに厳重に囲まれた石があります。
三ツ石
式年遷宮の際に川原大祓という儀式が行われる神聖な場所です。
いつもここは人だかりができていて、何だろうなとは思っていましたが「手をかざすとパワーが云々」という情報が巷で流れていたようです。ただし、公式サイトには「祭典に用いる場所なのでご遠慮ください」と記されています。
三ツ石のすぐ先、参道を戻る道と右に進む道に分かれます。
池を過ぎて右に曲がります。
亀石
ちょうど橋になる部分にある石が「亀石」です。よ~く見ると亀の頭が見えますね。
外宮内にある別宮へ
外宮には4つの別宮がありますが、そのうち3つがこの境内の中にあります。
多賀宮(たかのみや)
豊受大御神の荒御魂が祀られています。外宮内では正宮に次ぐ大きさの社殿です。
なお、外宮ではこの多賀宮のみ石段を登って参拝することになります。
風宮(かぜのみや)
元寇の時に神風を吹かせて敵から日本を守ったといわれる風の神さま(級長津彦命-しなつひこのみこと-)が祀られています。
土宮
(2020.1撮影)
古くからこの地に鎮座する土地の神様 大土乃御祖神-おおつちのみおやのかみ-が祀られています。
なお、外宮内にある別宮の御朱印はありません。
外宮から500mほどの場所にある「月夜見宮」のみ御朱印がいただけます。
ところで、この日は午後3時過ぎに境内を歩いていたのですが、今まで見たことのないシーンに遭遇。
多賀宮の階段の下に置かれたリヤカー。何だろう??と気になっていたのですが・・・
別宮を巡っている途中、大きな白い袋(中身は・・・です)をかついだ神職の方が戻って来られ、これに乗せ替えて引いていきました。肩に担いだ様子はまるで布袋様か大黒様のようでした(笑)
しかしそんなに大きい袋で回収するとは、伊勢神宮のスケールが感じられます。
ありがたいものを見たような、いや、見ない方がよかったかな!?
例年は団体行動のためそのまま参道を引き返すのですが、今回は時間もたっぷりあり普段歩かない境内の奥まで行ってみることに。
雨天時の祭祀にお祓いなどを行う建物である五丈殿・九丈殿と神楽殿の間の道を進みます。
忌火屋殿(いみびやでん)
毎朝夕、神饌の調理を行う建物です。
御厩(みうまや)
神馬の厩舎です。運が良ければお会いできます。(翌日の午前中、内宮の御厩では神馬にお会いできましたよ)
このまま参道を進むと北御門(きたみかど)から駐車場に出るのですが、御厩の左手に細い道を見つけたので行ってみました。
正宮のちょうど裏手になりますが、歩く人はほとんどなく静寂な空間。
200メートルくらい進んだと思います。
度会国御神社・大津神社
小さなお社が2つありました。外宮神主家であった度会(わたらい)氏の祖神がお祀りされた「渡会国御神社」と五十鈴川河口の守護神をお祀りした「大津神社」
このような摂社や末社が伊勢市周辺に125もあり、ほとんどが20年に一度遷宮で建て替えられるというのですから驚きですね。
火除橋(北御門)
表参道より小ぶりな火除橋がこちらにもありました。
ここで駐車場に出てしまいました。
いつもは日帰り参拝ですが今回は伊勢市内宿泊。後はホテルに向かうだけ。
内宮ほどではありませんが、外宮の周辺にも飲食店やおみやげ店などが並ぶエリアがあるものの、このようなご時世なので人もまばら。お店も早じまいのようす。
もう1周境内を歩こうとも考えたのですが、二度目になる「せんぐう館」へ行ってみることに。前回は開館の年に団体で行ったため、大混雑の上に駆け足での見学でした。
再び表参道の火除橋を渡って、手水舎の奥へ進みます。(入口が目立たないです)
式年遷宮の記録を紹介する新ミュージアム「せんぐう館」
勾玉池に面したミュージアムは、2013年の遷宮記念として造られました。
入館料はおとな300円と良心的。(館内の撮影禁止)
式年遷宮を紹介する展示ですが、入館料を上回る感動が得られる素晴らしい施設です。
私たちが実際には目にすることのできない神宮に関する祭祀のようすや、自然の中で育まれる稲作の様子などが映像で見られます。「日本人に生まれてよかった」と改めて日本の文化の高さが感じられます。
中でも圧巻なのが、外宮正殿原寸大の模型です。
建物の断面が再現されていて、その大きさや建物の構造などを間近で見ることができるのは模型とはいえ貴重です。
展示施設自体も新しく、照明なども工夫されているため、荘厳な雰囲気を感じられるミュージアム、おすすめです。
入館証
(左が今年、右は2013年のもの)
せんぐう館につながる通路は無料休憩スペースになっています。
ここで気持ちを落ち着けて、時間を気にせずゆっくりしたいものです。
※新型コロナウイルス感染拡大により臨時休館している場合があります。
境内案内マップやリーフレットは、授与所や神宮会館などでいただけます。
外宮の駐車場
外宮の境内に隣接して300台ほどの無料駐車場があります。
ただしGWや年末年始などの混雑時には規制されますのでご注意ください。