2018年3月に訪ねた広島の旅。広島市内から呉に移動しました。
広島駅から呉線に乗って30分で呉市へ。
途中、瀬戸内海の風景が見えてくるとワクワクします。宮島に行く列車と比べると、住民の日常の足という雰囲気です。
造船の町・呉にある2大ミュージアムを訪ねる
造船の町として知られる呉市には、船に関する大きなミュージアムが2つあります。
ひとつは、呉市が運営する大和ミュージアム
そして、海上自衛隊が運営する鉄のくじら館です。
それぞれの役割、歴史的な背景は異なりますが、呉が造船のまちとして発達してきた歴史をなどを知ることができるミュージアムです。
駅前に2つの施設が道路をはさんで建っていますので、同時に巡ることも十分可能です。
呉駅からミュージアムへの行き方は?
呉駅の改札を出て右に向かうとこれら2つのミュージアムに行くための歩道が整備されています。
ショッピングセンターの中を通り抜けて行くルートにビックリですが、この通路は桟橋(船乗り場)にもつながっています。
ゆっくり歩いて10分弱で大和ミュージアムに到着です。
呉市海事歴史科学館 通称は「大和ミュージアム」
大和ミュージアムとしての知名度の方が断然高いですが、正式名称は、呉市海事歴史科学館です。
入館料はおとな500円(常設展の場合)。火曜日が休館日です。
展示フロアに入って最初に登場するメイン展示がこちら
戦艦 大和の模型
この呉で造られた代表的な戦艦です。
実物の10分の1でも軽く漁船くらいのサイズはあります。人と比べるとその大きさがわかりますね。
このミュージアムは戦艦 大和がメインではありません。
明治以降の呉の歴史、戦艦のこと、大和の運命、そして現代につながる技術などを紹介しています。
(戦争をメインにしたミュージアムではありません)
メイン展示室
1890年(明治23)に海軍の拠点のひとつとして開かれた呉鎮守府が呉が造船のまちとして発展していく起源です。
その後、海軍工廠となりここで戦艦が造られるようになります。
戦艦 「金剛」で使用されていたボイラー(実物です)
1993年(平成5)まで、暖房用のボイラーとして現役だったとか・・・
説明パネルや写真などがぎっしり展示されたフロア
国内で製造された戦艦ってこんなにあったんですね。
いずれにしても軍艦好きな方にはたまらない(と思われる)展示ばかり。
が、ちょっと私にはピンとこない内容で・・・
無料の展示解説ツアーは午前・午後の各1回
展示内容が難しいと思う方や効率よくまわりたいという方には、ボランティアガイドによる展示解説ツアーがあります。
所要約1時間 午前10時と午後2時スタート
定員は20名でエントランスに集合となっていましたが、定時に間に合わなかった私、解説している流れに途中参入してついていきました(^^;
戦艦の歴史やつくりなど専門的な話も盛りだくさんで、ガイドさんの熱い語りにみなさん真剣です。が、やっぱり難しいので30分弱で離脱・・・(泣)
当時の海軍の技術を結集した「大和」がいかにすごかったかという流れはおおよそ理解できました。
が、これだけ有名な「大和」が最後はどうなったのか知らなかった私にとっては、これがいちばん印象に残った内容です。
今でも海底の探索が続く戦艦 大和
沖縄に向け海上特攻隊として1945年4月に出航しましたが、米軍からの攻撃を受けて、鹿児島の南西で沈没しました。
戦後数回の海底調査が行われているそうで、2016年の海底調査結果は大変興味深いものでした。(企画展は2018.3で終了)
戦後の呉と造船
戦後は、造船技術者や工場を石油タンカーの製造にシフトし、戦後の日本経済の発展を支えていくことになります。市内には名だたる企業の工場があります。
国内最大級のタンカー 日精丸の1/100模型
戦争は失うことばかりで何も生みませんが、戦時中、戦闘機や戦艦などを作っていた技術者たちのその後の努力により、日本が工業国として大きく発展したことがせめてもの救いです。
メイン展示室を離れ、大和の模型をはさんだ展示室へ
大型資料展示室
戦闘機や人間魚雷 回天、大和の砲弾など実物が展示されています。
戦闘機を見ると、いまだに鹿児島の知覧特攻平和会館で見た悲しい記憶がよみがえってしまいます。これらは原爆ドームと同様「負の遺産」として戦争の悲惨さを伝えていく貴重な資料です。
スロープを登るとフロア全体が見渡せるつくりになっています。
大和もまた違う角度から見ることができます。
3階展示室
子供向けの展示&実演コーナーがありました。
子ども向けの”遊具”にしてはよくできたタンカーです。
展望テラス
道路を挟んだ先には、海上自衛隊のミュージアム「てつのくじら館」の潜水艦が見渡せます。
呉中央桟橋ターミナル
ここを訪ねた約4ヶ月後に西日本豪雨があり、呉は道路や鉄道が寸断され陸の孤島になったと報道されました。その時に、ここから発着するフェリーが広島市とつながる唯一のルートになったそうです。
呉にとっては海路というのは貴重な「命綱」なんですね。
大和ミュージアム見学の所要時間は?
展示解説ガイドツアーに参加して、さらに他のフロアも含めると、2時間くらいは必要な施設です。自由見学でも1時間はあっという間です。
ひととおり展示を見てエントランスへ戻ります。
ミュージアムショップ
一般向けのお菓子や雑貨からマニア向けのコレクションまで充実しています。
私が思わず買ってしまったのがこちら。
コーヒードリップパック
呉市内に店舗を構える「昴珈琲」のドリップパック。
ご当地コーヒーでもある「海軍さんの珈琲」や広島カープパッケージなど数種類の銘柄のものがセットになっています。 なんと、淹れ方のDVD付き(笑)
今回の旅、コーヒーばかり買い求めていました。
続いて、道路をはさんで建つ 「てつのくじら館」に向かいます。