2018年6月 京都東山散策 最終章です。
南禅寺の水路閣のアーチの上は、琵琶湖疏水(そすい)が流れる水路になっています。
オフシーズンなのか、ほとんど人とすれ違うことありません。もう少し行けばお散歩中の地元の方がいるかな・・・と期待しつつ歩くもののいません(笑)
水路の合流点
導水管
琵琶湖疏水は発電にも利用されています。
京都の人たちの生活を支えるために造られた琵琶湖疏水。近年、琵琶湖からつながっている疏水を遊覧船でたどるツアーもあるそうですよ。(知人が行ってよかったと感動していました)
さらに進んでいくと公園があります。
ここを抜けるといよいよインクライン跡へ
インクラインは傾斜鉄道を意味します。
琵琶湖疏水は京都へ生活用水を運ぶと同時に、その水運を利用して貨物も運んでいました。しかしこの蹴上から南禅寺に至るルートは高低差が大きく、ここを船が上るのは大変なこと。そこでこの区間だけ線路を引いて船ごと台車にのせて運んでしまおうという場所なのです。船溜まりは船が陸に上がる場所です。
船溜まりの跡
戦後の道路の発達によりこのルートは1948年(昭和23)に役目を終えますが、産業遺産として整備されて現在に至っています。
インクラインの線路跡
この日は、ほとんど観光客がいない代わりに、木々のお手入れ作業中。
ここは、実は春になると桜の名所として知られるスポット
(2012.4撮影)
私がここを知った頃は穴場的スポットだったのですが、訪れる度に観光客が増え、いつの間にか外国人に占拠されいて・・・すっかりご無沙汰でした。
桜の季節をはずせばこんなにゆったり歩くことができます。
映画「スタンドバイミー」の冒頭シーンをほうふつとさせる場所です。
ちょっと前に、嵯峨野でJRの線路上で記念撮影をした元アイドルが批判されていましたが、ここならだれにも文句言われないですよ~(笑)
そういえば、タモリさんが「ブラタモリ」の中で、ここで宇多田ヒカルさんのパロディ?やっていたことも思い出しました。
そろそろ終点というところに作業中の看板
そうでした、ワタクシ逆走ならぬ”逆歩き”してきましたので(苦笑)
ここにも台車と船の復元展示がありました。
インクラインの終点
南禅寺川の船溜まり跡で、この先は再び船が通れる水路につながります。
噴水の向こう側には、琵琶湖疏水記念館があります。
琵琶湖疏水のことを知ることのできる施設です。
実は、インクラインを歩いている時から何度も見かけた面白い名前の看板をたどってそちら訪ねてみました。
ねじりまんぽ
これでした!なんだ、通ったことがあるトンネルじゃん(>_<)
看板(説明板)がなければまったく気づきませんでしたが、内部のレンガを見ると水平に積まれているのではなく、ねじるように積まれていました。
ほぉ~、どこか違う世界に吸い込まれて行く感覚になれそう。
上部がインクラインの軌道になっているため、その重さに耐えられるように工夫された組み方だそうです。
「まんぽ」は小さいトンネルを意味していて、鉱山の坑道である間府または間歩(まぶ)が語源ともいわれています。(私は石見銀山で「間歩」ということばを知りました)
ねじりまんぽから程なくして蹴上駅に到着。
地下鉄東西線に乗り(烏丸御池で地下鉄烏丸線に乗換え)京都駅へ向かい東山散策は終了となりました。
前半は世界遺産のお寺や庭園で和の素晴らしさをじっくり堪能しつつ、後半は明治以降の京都の発展を支えた産業遺産を楽しみました。京都も季節や視点を変えるだけで楽しみが何倍にも増えますね。 完