遠江(とおとうみ)発祥の企業ゆかりの史跡とミュージアムの紹介です。
天竜川に抱かれた山間のまち 本田宗一郎の生誕の地
世界的に知られる自動車メーカー HONDAの創業者の故郷は、浜松市の中心から北へ車で1時間ほど。浜松市天竜区(旧.天竜市)という山あいの町で、近くには天竜川がゆったりと流れています。
本田宗一郎ものづくり伝承館 外観
レトロな建物は、天竜市の前身であった旧.二俣町役場として1936(昭和11)年に建てられたもの。国の登録有形文化財に指定されています。
入場は無料です。(ただし、企画展では有料になることがあります)
1階展示室
ミュージアムというには小さいのですが、NPO法人が運営していて、企業色が少なく”人物”に焦点を当てた内容になっています。
1906(明治39)年に、この地に生まれた宗一郎は、少年時代にこの山奥にやってきた外国製のトラックが垂らしていった油を手に取り、車を作りたいという夢を抱き始めます。
東京に出て自動車修理工場に勤め、のれん分けの形で現在の浜松市中心部にアート商会を設立します。
そんなストーリーが映像で見られます。小さな展示室なので座るスペースもありませんが、みなさんモニターの前に立ち、真剣に見入っていました。
引退時のエピソードなど本人の肉声も聞くことができ、生き様が伝わってきます。
館内には、歴史的なバイクも数台展示されています。
2階展示室
半分が展示スペース、残り半分は市民ギャラリーになっています。
私が個人的に気に入ったのがこちらの絵画コーナー。
ものづくりに関しては厳しく、”怖いオヤジ”という印象の強い本田宗一郎ですが、趣味で描いていたという絵はおだやかな印象。
以前訪ねた時に開催されていた企画展で見た旅先の風景画は感動ものでした。
1階のショップでは、絵画の作品がポストカードとして販売されているのでオススメ。
絵画コーナーの隣には、実際に使っていたドラフター(製図台)も
映像コーナーではプロジェクトXで放映されたVTRが流れていました。
映像を見ながら全部まわっても1時間あれば十分すぎる小さなミュージアムですが、この地から世界へ飛び出した偉人を後世に伝えたいという地元の思いが詰まっています。
徳川ゆかりのお寺にある”宗一郎 早弁伝説”の梵鐘
また、隣接する清龍寺には(すぐ近くにあった高等尋常小学校に通っていた)宗一郎が早弁するために、学校からこっそり抜け出して鳴らしたという梵鐘があります。
このお寺は、徳川家康の長男 松平信康の菩提寺。織田信長から謀反の疑いをかけられ、近くの二俣城で自刃しここに祀られました。
時間があればあわせて訪ねてはいかかでしょう。
本田宗一郎ものづくり伝承館前には6~7台の駐車スペースがあります。
開館日などは、下記のホームページで調べてからお出かけください。