2019年2月の冬のイタリア周遊ツアー旅行記です。
午前中フィレンツェの観光の後、午後からは自由行動です。ツアーに用意されていたオプションでピサ観光に参加しました。もちろん目指すのはあの斜塔のてっぺん!
フィレンツェの町を歩いたり鐘楼にも登りたい気持ちも強かったのですが、もし個人で再訪した場合、行きにくいのはどちらかと考えたらピサだったので。
バスでフィレンツェからピサへ
今回のツアーではピサはオプション扱い(フィレンツェでの夕食付きで15000円)でした。
参加者の約半数の10人がこのオプションに参加です。
午前中ウフィツィ美術館などを案内してくれた現地のベテランガイドさん(日本人女性)が同行してくれました。
フィレンツェからピサまではのどかな畑の風景が続く高速道路を走り、バスで1時間ちょっと。
ワイン用の葡萄棚でしょうか?(冬なのであまり映えない風景です)
観光バスから現地バスに乗り換えて移動
駐車場に到着し、シャトルバスに乗り換えました。
私たちが乗ったのは連結車両の普通のバスでしたが、遊園地のアトラクションのような乗り物も運行されています。
バスを降り、塀づたいに歩き入口へ。(写真は振り返ってみた景色)
入口までの歩道沿いには、露店がずらりと並んでいます。
露店でみやげを売っているのはアフリカ系のごっついお兄さんたち。
ピサのロゴ入りグッズの他、なんちゃってブランドも当たり前のように並んでいます。また、この周辺はジプシーも多く、スリの被害も多いので注意するようにガイドさんからの案内です。
トラブルなく斜塔のある広場に到着です。
わぉ~、奥に斜塔が見えるわ~ しっかり!?傾いていますね。
世界遺産 ピサのドゥオモ広場
斜塔が有名になりすぎていますが、大聖堂に隣接する鐘楼である「ピサの斜塔」に大聖堂、洗礼堂、納骨堂(カンポサン)、付属美術館を含めたこの広場全体が世界遺産として登録されています。
”奇跡の広場”とも呼ばれています。
ピサは現在は人口9万人ほどの都市ですが、10~13世紀頃にはヴェネチア、アマルフィ、ジェノヴァと並ぶ四大海洋共和国のひとつとして栄えました。
その当時建設されたのが大聖堂(ドゥオモ)や鐘楼(斜塔)、洗礼堂など。いずれも12世紀頃から200年ほどかけて造られた建物です。鎌倉から室町時代・・・と考えるとすごいわ~
勝手にイメージしていたのは、町のはずれに廃墟のように建つ倒れそうな塔・・・でしたが、緑の芝生に白亜の建物が映える予想以上にきれいな場所でした。
「日本三大ガッカリ」といわれる札幌時計台の逆バージョンかな!?
ピサの斜塔に登るチケットをゲット
実はこのオプショナルツアーに申し込むとき、「斜塔に登る」とはひとことも書いてありませんでした。なので、時間制限もあるだろうし、登れないんだろうなと期待していませんでした。
が、バスの中で現地ガイドさんから「今日はそんなに混んでないと思いますよ。登りたい方いらっしゃいますか~?」との案内がありました。
もちろん元気よく「はい!」と手を上げたらなんと私ひとり。
みんな登るために来たんじゃないの?なんで?
別料金がかかるとはいえ、多分一生に一度のことですよ・・・
チケット売場は美術館の建物
現地に着いたらやっぱり登りたくなったという方が2人現れ、ガイドさんと一緒に斜塔へのチケットを購入しに行きました。
向かって右の茶色の建物(美術館がある建物)のチケット売り場です。
時計の下が入口になっています。
斜塔の入場料とチケットの買い方
カウンターで希望時間を告げ(空きがあるかどうかはモニターに表示されています)、チケット代18ユーロを支払います。カード払いも可能です。
カウンターも空いていましたし、すぐにでも入れそうな勢いでしたが、ガイドさんが先に大聖堂を案内してくださるということでしたので30分後を予約。
日曜日でしたが、さすが冬は楽勝のようです。
夏場は営業時間も長いけれど入場まで3~4時間待ちということもあるそうです。フィレンツェからの半日ツアーですと、滞在が2時間弱なので斜塔に登れないことも。
訪れたからには絶対に登りたい方は、ツアーにピサの斜塔に登るプランが組み込まれているものを選ぶ(現地発着ツアーもあります)または個人で行きましょう。
その他の建物の入場料は?
斜塔以外の建物への入場料は1つにつき5ユーロ。2つで7ユーロなどとなっています。
大聖堂だけは無料で入場できますが、自由に入ることはできず、チケット売場で入場整理券を発行してもらう必要があります。
建物には一切入らず、広場で写真を撮るだけならお金はかかりませんよ。
ピサのドゥオモ広場の建物
洗礼堂
ロマネスク様式とゴシック様式が混在する建物で、周囲約100メートル。高さ55メートルです。
屋根の部分は、半分が赤茶色の瓦。反対側はこんな感じでなんとも中途半端。
中に入ると、管理人さん?が歌を歌ってくれるそうです。なかなか音響の良い建物だそうで聞きごたえがあるそうですよ。
大聖堂
ロマネスク様式の建物。ここにも大理石がぜいたくに使われています。
本来はこれがメインのはずですが鐘楼に主役を奪われた形です(苦笑)
左端に見える白い建物は回廊になっている納骨堂です。
中央の扉は閉ざされているので右側の扉から入ります。入口上部にはベネチアで見たような金のモザイク画とまるでパッチワークのような大理石の装飾も見られます。
大聖堂内部は、天井画や柱、ステンドグラス、絵画などまるで立体美術館です。
アーチと柱
スペイン・コルドバのメスキータ(イスラム教のモスクとキリスト教の教会を融合させた建物)を彷彿とさせる風景です。
説教壇
これも美術品としてかなりすごいものらしいです(素人目にもそう思います)
ガリレオのランプ
ガリレオがこのランプの揺れを見て「振り子の法則」を発見したという説がありますが、実は法則が発見された後にこのランプができたそうで・・・(諸説あります)
天井もゴージャスです。16世紀の火災で損傷した時には修復資金を提供したのがメディチ家。天井には家紋が施されています。
日本式に言うなら「格天井」でしょうか。しかし名古屋城本丸御殿上洛の間の格天井もとてもかないません(笑) 斜塔側から見た大聖堂の裏側の建築美も見逃せません。
鐘楼(斜塔)
塔の高さは約55m。ロマネスク様式の8階層となっています。
12世紀後半に建設がはじまり、10メートルほど工事が進んだところで軟弱な地盤が原因で傾き始めたそうですが修正を重ね200年かかって完成しました。
普通に建てられていたらここまで注目されるスポットではなかったかもしれませんが、欠陥工事を無理やり推し進めた結果、人気の観光資源、さらには世界遺産になったとは驚きです(笑)
斜塔への入場時間がやってきたので入口へ向かいます。
予想外に長くなってしまったので、別記事に続きます。