「平成最後」となる2019年の春の旅は、日本の歴史を感じる奈良に行ってきました。
奈良や京都は桜を求める日本人だけでなく、外国人が加わり観光客であふれかえるイメージでしたので、あえて桜が終わる週を狙って早めに宿を予約しました。
ところが、今年は桜が遅れ・・・まさかのうれしい誤算で、桜満開の時期に訪れることができました。
(2019.4.14 室生寺へ向かう宇陀市内の道中にて撮影)
斑鳩町にある聖徳太子ゆかりの寺へ
奈良駅でレンタカーを借りて最初に向かったのは車で40分ほどの斑鳩(いかるが)町。斑鳩といえば法隆寺ですが、今回訪ねたのは法隆寺の北にある法起寺と法輪寺です。
これらのお寺がある地域は、聖徳太子が飛鳥から3つの井戸を移したと伝えられる地で、三井(みい)とも呼ばれる聖徳太子ゆかりの地です。
法起寺(ほうきじ)の概要
この地は聖徳太子が法華経を講じた「岡本宮」の跡地と言われ、太子の遺言により子息の山背大兄王(やましろのおおえのおう)が岡本宮を寺に改めたのが法起寺の始まりと伝えられている。(Wkikipediaより)
706年に建立された三重塔は、現存する中では日本最古で最大規模。
1993年に日本初の世界遺産として登録された「法隆寺地域の仏教建造物」には、この法起寺の建造物も含まれています。
法起寺の境内
山門
山門を入った少し先、左側に拝観受付があります。拝観料は300円。
ここで御朱印帳を預けてから参拝します。
東から望む境内
境内東側からの様子です。左の建物は講堂(江戸時代建立)で、かつてはご本尊が安置されていた建物。
三重塔
法起寺を代表する建造物。桜との競演です。
法隆寺の五重塔とほぼ同じ様式で造られているそうなので比べてみました。
確かに。どちらも質素で落ち着いた佇まいの中にも日本最古(法隆寺五重塔は世界最古の木造建築)の貫禄を感じます。
高さは三重塔が24m、法隆寺五重塔31.5mです。
ちなみに昭和40年代に大修理が行われ、高欄(欄干)も毎年塗りなおされているとのことで、きれいになっていました。
講堂と保管庫
ご本尊は十一面観音菩薩立像。この他にもいくつかの仏像が並んでいますが、建物の中に入ることはできず、ガラス越しの拝観となります。
聖天堂
江戸時代末期に建立され、中には阿弥陀如来、大日如来などが安置されているそうです。
歴史は古いのですが境内はこじんまりしています。
建物内でじっくりとご本尊などを見られないのはちょっぴり残念でした。御朱印を書いていただいた方に伺ったところ、小さいお寺なので管理面から公開が難しいとのことでした。
同じ世界遺産でも観光バスでどっと人が押し寄せる東大寺や法隆寺とは対照的です。
その分、知る人ぞ知る穴場スポットで、周辺ののどかな風景と相まって落ち着いて拝観できます。外国人もまだまだ少ないので、静かに寺社巡りをしたい人にはオススメ。
そして、日本最古の美しい三重塔は、こちらの風景でも有名です。
境内の外から見る三重塔
秋になるとこの風景を見るために多くの人が訪れるのです。
季節とお天気は違いましたが、春ならではの風景が楽しめました。
法起寺の御朱印
法起寺の駐車場は?
幹線道路沿いのバス停のところにある空き地が利用できます。看板もなく、管理人もいないので不安でしたが、数台停まっていたのでそこに駐車。拝観受付で聞いたところ「お寺の敷地ではあるけれど、管理人がいないので自己責任で停めてくださいね」というニュアンスでした。
バスは本数が少なく若干アクセスが不便。
気候が良い季節なら法隆寺からこの法起寺・法輪寺まで約2kmほどの道のりをウォーキングというのも十分ありです。
また、法隆寺の駅前でレンタサイクルも借りられます。私も数年前に法隆寺を訪れた時にレンタサイクルの案内(勧誘?)をいただいてこのお寺のことを知ったのですが、自転車は何十年も乗っていないので危険すぎると判断してレンタカーという結論に。
ただし奈良駅から斑鳩だけのためにレンタカーはもったいないので、公共交通機関ではちょっと不便な郊外のお寺巡りを組み合わせると良いと思います。(大神神社、長谷寺、室生寺など)