2020年10月の愛媛の旅行記です。
2泊3日の旅の最終目的地は、しまなみ海道の大島にあるミュージアム。ここで続100名城 能島城のスタンプもいただくことができます。
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今回の旅は、ほぼお城巡りというマニアックな行程。しめくくりもお城”関連”でした (笑)
”関連”というには理由がありまして、続日本100名城にも指定された能島城跡を目指したいところですが、実際のところ簡単には上陸できない島なので、スタンプだけ特別にいただける村上海賊ミュージアムを訪ねました。
話題になった小説「村上海賊の娘」を読んだわけでもなく、スタンプ目当てという不純な動機ではありましたが、この数か月後にこの地が「ブラタモリ」でも村上水軍をテーマに放映されたことで、行っておいてよかった~ということになりました。
島のミュージアムと侮ることなかれ、規模も大きく充実した内容のミュージアムです。
村上海賊ミュージアムの場所
来島海峡を渡って最初の大きな島です。名前のとおり大島にあります。
自動車で行く場合、来島海峡展望館(糸山公園)からは今治北インターから有料道路(しまなみ海道)に入り、大島南インターで降ります。
来島海峡大橋 写真の奥の方向に向けて走ります。
ミュージアムの最寄は大島北インターですが、ハーフインターのため四国方面から下りることができません。
よって島内の一般道を10kmほど走りますが、ご心配なく。しまなみ海道は美しい吊り橋を見ながら気持ちよく走れますし、島内の道もすいているのでのんびりと走ることができます。島の北東部にあるミュージアムまでは所要30分ほどでした。
ちなみに普通車の通行料金は片道900円。橋の部分はわずか10分くらいしか走ってないのに・・・です。
なお、ETCを利用しないと倍くらいの料金になりますので、レンタカー利用の場合でも必ずETCカードをご用意することを強くおすすめします。
村上海賊ミュージアムについて
2004年に村上水軍博物館としてオープン。
2020年10月に村上海賊ミュージアムに改称されました。(詳細は後述。現在も表記が以前のものがありますが同一の施設です)
14世紀から16世紀にかけて活躍した村上一族の歴史や地域の文化を紹介する施設です。
駐車場スペースは正面に30台ほどあります。
ここに来ていちばん驚いたのは立派な建物もさることながらこの石垣。
大島といえば、国内屈指の石の産地(大島石)。わが家のお墓を作る時も、石材屋さんが大島石、庵治(あじ)石などを勧めてくれたのを思い出しますが国産のブランド石なんです。それをぜいたくに使った石垣は、平成時代の高級石垣ともいえます。
石像は村上水軍が隆盛を極めた時の能島城主 村上武吉
入口には武吉の息子で毛利に仕えた武将 景親
村上水軍とは
14世紀に芸予諸島(広島県と愛媛県の瀬戸内海に位置する数百の島々)を本拠地に活躍し一族。能島、来島、因島に本拠を置いた三家から成り、最大といわれたのが能島の村上一族です。
戦国時代には毛利氏や伊予の河野氏のもとで活躍。その活躍は宣教師 ルイス・フロイスに”日本最大の海賊”といわしめました。 織田信長が大坂本願寺攻めの際(食料の補給路を断つ)に苦戦したのがこの村上水軍の勢力でした。
しかし、村上家は平時には海の安全確保(水先案内人)や物流などを担っていました。船で往来する人たちから金銭を受けとって通行許可証を発行することで、複雑な海のルートを案内したり、他の海の勢力からの安全を確保しました。
1588年に豊臣秀吉による刀狩令とあわせて、海賊停止令が出たことで水軍は大名のもとでの水軍(兵力)となり、消滅していきました。
水軍ではなく「海賊」表記に
従来は村上水軍として歴史書などにも登場していましたが、最近は 村上海賊という表記が用いられるようになりました。
小説「村上海賊の娘」のヒットも大きいようですが、学術的にも「海賊」のほうがより古くから使われていたこと、 村上家は軍事的側面が強い「水軍」より、海上交通の案内などを担う「海賊」を使う方が適していると判断したとしています。
ただしここでいう海賊は、海外でいうパイレーツ(Pirates=船を襲って金品を奪う悪党)とは違う意味であることに注意しなければなりません。
これについてはブラタモリでも触れていて、私もいちばんギャップを感じたことばでした。
前置きが長くなりましたがミュージアムに入館です。入館料はおとな300円です。
村上海賊ミュージアムの展示
1階
残念ながら館内展示品の撮影は禁止なのでこの1階ロビーのみ。
映像コーナーや地元産品やオリジナルグッズを扱うショップなどがあります。
2階
島の地理の紹介、海賊たちが使用した船の模型展示、発掘調査の結果の展示、古文書や甲冑、陣羽織など貴重な史料も多数展示されています。
村上水軍を象徴する 「上」マークの陣羽織や過所旗(通行許可証)は必見です。
(屋外の解説看板より)
私自身は水軍というものに馴染みがなかったので、水軍の戦道具でもある船のことがいちばん興味を惹かれました。
こちらはミュージアム入口(屋外)に展示されている実物大の小早船(こはやぶね)。
館内には、戦用として装甲された安宅船(あたけぶね)やひとまわり小さい関船(せきぶね)の縮小サイズの展示もあり、詳しく船の役割などが解説されています。
現在も小早船を使ったレースなどが行われ、水軍の伝統を継いでいるそうです。
3階
展望室になっていて、大きな窓から目の前に能島をのぞむことができます。
能島には村上水軍の拠点となった能島城や村上水軍の人々の生活の拠点がありました。
すぐそこなのに渡れないのが悔しい~
ブラタモリでは上陸して探検していましたが、テレビだから特別ということではないようです。実は一般の上陸も可能となっています。
能島城への上陸について
実は「能島城跡 上陸&潮流クルーズ」が土日祝限定で催行されています。
私は火曜日に訪ねたので催行日ではなかったというだけ。
令和3年も継続して開催されるそうです。ブラタモリ効果で訪れる人も増えそうですね。
能島城の続100名城スタンプについて
今回は能島城に上陸できなかったのですが、続100名城スタンプについてはちょっとした計らいがあります。
ということで、村上海賊ミュージアムを見学したのでスタンプゲット。
お城好きで、なおかつしっかり時間のとれる方はぜひ能島上陸してくださいね。
最後の1枚は、今治市のゆるキャラ バリィさん村上海賊バージョン
お城にはじまり、お城に終わった愛媛の旅。こんなに100名城の密度が濃い旅は初めてかも。能島に上陸できていたら完璧だったんですけど・・・いつかリベンジです。
このあとは、のんびりと松山空港に向かい名古屋へ飛びます!