2020年10月の愛媛の旅つづきです。
ほぼお城巡りとなった愛媛の旅の最終日3日目も朝からお城へGo!
宿泊した松山からは車で1時間半ほど走って今治市へ向かいました。
レンタカー会社のスタッフさん情報では海沿いの道がおすすめとのことなので、内陸を進みたがるナビの案内を振り切って国道196号沿いを走りました~
海沿い(太平洋岸)に住んでいる私ですが、瀬戸内海の多島美や架橋、石油精製所のある風景は非日常で新鮮なのです。
また時折見かけるお遍路さんに「あ~四国だなぁ」と今さらながら思ったり・・・(いつかお遍路さんで四国を訪れたい)
今治城の場所と駐車場
松山市内や空港からですと高速道路もありますが、たいして時間が変わらないようなので(荒天でなければ)海沿いをおすすめします。所要は1時間半ほどです。
お堀に隣接して有料駐車場があります。
駐車料金は1時間100円と良心的で立地抜群。迷わずここに停めるべし!
今治城の概要
関ヶ原の戦いで徳川方につき功績をあげた藤堂高虎は、伊予の国の西半分20万石の領主となります。
藤堂高虎により1602年から5年ほどかけ、瀬戸内海に面した砂浜に築城された水城(海城)は、別名 吹揚城とも呼ばれます。縄張りはシンプルながらも内堀の幅が50~70メートルと広く、三重の堀と高石垣に守られた斬新で堅固な城郭です。
日本三大水城(他の2つは高松城、中津城)のひとつでもあります。
藤堂高虎は築城後に伊勢国に移封となり、養子の高吉が入ります。その後、幕末まで久松松平家が城主として存続しました。
しかし明治の廃城令により天守と多数の櫓は取り壊され、現存するのは内堀と石垣のみ。しかし近年になって当時の姿を再現すべく天守や櫓が多数復元されています。
今治城を歩く
この堀はかつての内堀。これを取り囲むようにかつては中堀、外堀も存在していました。
城内に踏み込む前に全体像をつかみたくて歩いてみたものの1周するだけで15分以上はかかりそうなので断念。
結局、チケットを購入した際にいただいたリーフレットの写真が完璧でした。
写真上が駐車場、先出の堀の写真もその付近から撮影したものです。
土橋を渡っていざ入城!
鉄御門(くろかねごもん)と武具櫓
橋を渡った突き当りが枡形虎口(ますがたこぐち)となっています。
この鉄御門と手前にはかつて高麗門があり、上には長屋形の櫓を張り巡らすことで敵の侵入を防ぐ構造になっています。
この形状はこの今治城が初で、その後各地の城に普及します。
天下普請で築城された駿府城の東御門は藤堂高虎が関わったと伝わります。
(2014.1撮影)
藤堂高虎像と天守
創建時の天守は史上初の層塔型天守。従来の望楼型と比べて構造がシンプルで建築がしやすいことからその後の天守の主流は層塔型になっていきます。
門といい天守といい今治城は江戸時代初期城郭の”モデル建築”なのです。徳川家康からの信頼も厚く、その後の天下普請の数々(大坂城、名古屋城、駿府城、江戸城など)にも関わっていきます。
高虎さんのお姿が今いちわかりづらいのでアップしてみました。
騎馬像カッコいいですね~ 最近、徳川家康の騎馬像も登場しましたが・・・
ここから有料エリアへ。入場料はおとな520円。
天守と櫓など建造物すべて見学できる共通券となっています。
今治城天守
建物は1980(昭和55)年に建築されたコンクリート造の模擬天守です。
天守は6階まであり、内部は武具や書状などが展示された資料館になっています。
エレベーターなしの6階建ての天守というのはなかなか大変です(-_-;)
ゆるキャラ バリぃさんが応援してくれますので頑張っていきましょう!(笑)
水城なので城内に入るまでは楽勝だったのですが、天守がまさかの”試練”でした。
天守からの展望
自分で言っちゃいますが、私、かなりの晴れ女です(^^)v
瀬戸内海の先に見えるのはしまなみ海道の来島海峡大橋。もちろんこの後行きます!
反対側に見えるタワーのような建物は今治国際ホテルです。
あの高層ホテルに泊まればこの今治城の縄張りがきれいに見られるのかな?
大洲では城下町の古民家ステイがいいなあと思ったばかりなのに・・・ぶれまくりです。
平城(水城)ですが予想以上に眺望の良いお城です。
吹揚神社
お城の別名「吹揚」を冠した神社で、かつての天守跡に明治時代に創建されました。
天照大神をはじめ、えびすさま、だいこくさま、お稲荷さんなどが祀られています。
天守をひととおり見学した後は櫓めぐりです。
櫓を巡ってスタンプを集めると記念品がもらえるといわれれば頑張りますよ\( 'ω')/
櫓めぐりスタンプラリー
御金櫓(おかねやぐら)
東隅の櫓で、文字通り金蔵として使用されていました。
内部は美術館になっていて、今治に縁のあるアーティストの作品が展示されていました。
山里櫓
(櫓内見学後に堀の外から撮影しました。手前角が山里櫓)
二ノ丸北西隅の櫓で、1990(平成2)年に再建されました。
内部には甲冑や武具がたっぷり展示されています。その数に圧倒されてしまいました。
今回時間の都合で行かれませんでしたが、しまなみ海道にある大三島の大山祗(おおやまずみ)神社も国内の国宝や文化財指定の武具のうちの8割を所有しているそうで、愛媛県は現存天守といい、文化財の多さでは戦国好きにはみどころ満載です。
武具櫓~多門櫓
櫓と門が一連になっているのでみごたえのある建物です。
武具櫓は1980(昭和55)年の建造。
2007(平成19)年に再建された鉄御門や多門櫓とつながっていて、伝統的な建築様式で造られたようすもじっくり見ることができます。
石落としなど城の防御に関する説明、また発掘調査や再建に関わる映像も用意されています。
余計なお世話ですが、「なぜ今治にはこんなに次々に城跡を復元できる財力があるの?」という疑問がわいてきました。
櫓内に掲げられていた寄附者の木札を眺めていたところ、今治市には造船会社や食品会社など名だたる大企業が多いのです。名古屋もそうですが、市民の熱意はもちろん、それなりの企業の協力があって城郭の復元が実現するというわけです。
スタンプラリー完成!
武具櫓でコンプリート。スタッフに提示すると達成記念スタンプ(藤堂高虎)の押印と 記念品のポストカードがいただけます。
水面に反射する今治城の姿はけっこうレアなのだそうです。
ここの櫓のスタッフさんからお城の歴史だけでなく、これから向かうしまなみ海道のことまでいろいろ情報をいただきました。
さらにこの今治城の堀が海とつながっている”証拠”があるというので教えていただき、さっそくGo
ちょうど満潮の時間に近づいていて、海水が堀へ流れ込んでいます。
堀の中を眺めると・・・
ヒェェ~ お魚だらけです(鯉じゃないよ)。
(案内板に表記されていた魚は)クロダイ、コノシロ、ボラ、ウマヅラハギなど・・・
完全に海の魚たちです。(うちの地元では浜名湖(汽水湖)で釣れるヤツ)
愛媛のお城巡り まとめ
1日目の松山城からはじまって、湯築城跡、宇和島城、大洲城、そしてこの今治城。四国のお城というか愛媛県のお城の充実度に脱帽です。
一度の旅でこんなに100名城スタンプを押したのもはじめてのことです。
実は城好きなくせに今まであまり関心のなかった藤堂高虎(その作品を見る機会がなかっただけ)。もう大ファンになっちゃいましたよ~♡
しかしその影には、点々と主君を乗り換えた外様である藤堂高虎を信頼して重用した徳川家康の見る目も素晴らしかった・・・というわけです。
この後は、しまなみ海道方面に向かい、村上水軍博物館へ。
(この時はまさかこのコースがブラタモリのテーマになるとは知る由もなく・・・)