国道といえば、国内の主要な幹線網を構成している道路のことです。
交通量も多く車線も複数あるのが当たり前ですが、国道の中にはちょっとした変わり種があったりします。
先日、ちょっと足を延ばして出かけたら面白い国道に出会ったのでご紹介します。
なおこちらで紹介するのは、あくまでも観光がてら普通の人が楽しめるスポットであり、「酷道」ではありませんのであしからず…
”神聖すぎる”国道の終点
終点の看板をこのようにゆったり写真撮影できる場所はありそうでなかなかありません。
本来国道は、交通の要衝に始点や終点があり、他の国道などと接続されているからです。
ところが、ここはちょっと特別な雰囲気です。
車の行き来はあるのですが、とても静かです。
標識のある場所は駐車場入口(ロータリー)となっています。
そして、ぐるりと左側に進んでいくと、そこには・・・
伊勢神宮の内宮への入口となる大鳥居と宇治橋があります。
ここから先、車の乗り入れは禁止。徒歩で15分ほど進むと拝殿です。
愛知県豊橋市を起点とする国道23号線の終点は、三重県伊勢市にある伊勢神宮(内宮)となっています。
そこは聖域への入口なのでした。
接続先のない終点となっている理由は、Wikipediaによればこんな感じです。
道路法第5条の4で、「国際観光上重要な地」と幹線国道を結ぶ道路が国道になりうると規定されているので、国道23号もこの条項に該当するものと解釈されている
航路も国道になっている「海上国道」
フェリーの上からの風景ですが、実はここにも国道のナンバーがついています。
(ドライブレコーダーのリアカメラの映像なので少々見にくいです)
静岡県浜松市西区を起点とし、渥美半島を抜け、三重県、和歌山県をぐるっとまわって和歌山市が終点となる国道42号線です。
渥美半島の先端 伊良湖岬から鳥羽市の間(伊勢湾フェリーの航路)が海上国道です。
車ごとフェリーに乗って鳥羽に行くことができます。
将来的には、もしかして橋が架かるかもしれないという可能性(かなり確率は低いですが)を秘めての国道指定(海上部分は国道259号との重複)なんだそうです。
伊勢湾岸道や新名神が整備され、三重県の伊勢・鳥羽方面へアクセスしやすくなったとはいえ、やっぱりフェリーは楽です。50分ほどで到着します。
今まで復路だけ利用していましたが、今回は往復フェリーで伊勢まで行きました。
ガソリン代も高騰していますし、高速道路の割引のない平日に少人数で旅をするならこちらのほうがオトク感があります。
なお、このような海上区間が含まれる国道は、他にもいくつかあります。
振り返ってみたら、2020年に訪ねた愛媛県と広島県を結ぶしまなみ海道(西瀬戸自動車道)も海上国道(国道317号線のバイパス)でした。
最後は、2009年に訪ねたもはや名物観光スポットとなっているこちらの国道です。
歩行者のみ通行可能な「階段国道」
青森県弘前市を起点に、津軽半島先端の外ヶ浜町を終点とする国道339号線です。
その一部、龍飛崎近くの延長約388メートル、標高差が約70メートルの区間は、362段の階段で結ばれた歩行者のみが通れる歩道ですが、れっきとした国道なのです。
この経緯は諸説あり、国道のルートを決めるときのお役所のミスだったというのをかつて聞いたことがありますが、最近では「本当は道路を作る計画だった」と表記されています(苦笑)
本当にここでいいんですか?的な民家の間を通り抜けていきます。
その先に整備された階段が続きます。途中からは、眼下に津軽海峡が見えてきます。
足腰が鍛えられる素晴らしい国道です(笑)
周囲には竜飛崎灯台や青函トンネル記念館もある観光名所となっています。
ちょっと行ってみたくなるような珍しい国道のご紹介でした。
冒頭にもちらりと登場していますが、これとは反対にマニア!?の間では有名な「酷道」というのもあります。
これは、国道に指定されながらも整備状態が悪く、自動車での通行が困難な区域のある国道のことをいいます。そちらについてはあくまでも自己責任でお出かけくださいね。