2021年4月に行った旧中山道 妻籠宿についてのご紹介記事です。
何度も足を運んでいる妻籠宿は、江戸時代からの変わらないたたずまいが魅力ですが、その中で町の中に少しずつ変化の兆しがありました。
私は昔から妻籠宿が大好き過ぎるのですが、インバウンドブームの頃から混雑が激しくなり、足が遠のいた時期もありました。
しかしこのコロナ禍で静寂を取り戻したのを機に足繫く(といっても年に1~2のペースです)通っています。
昨年も旧中山道の馬籠宿~妻籠宿間を片道だけ歩きました。
2018年と同様、馬籠宿に駐車して往路を歩き、妻籠からバスで戻るというルートです。
今回はさくさくと進んで、3時間で妻籠宿に到着。
折り返しのバスまで時間にも余裕がありましたので、いつものお店と気になっていた新しいお店に立ち寄ることができました。
おやき わちのや
長野県のソウルフード「おやき」のお店です。
おやきとは、小麦粉の生地で具材を包んだお饅頭。
お饅頭といえば中身は甘いあんこをイメージしますが、長野のおやきは野菜や味噌などしょっぱい系もあり、ご当地ならでは。
この半年前に来たときは休業日でした。
幸い、その時は馬籠宿にある同じ系列の「道中おやき」でいただくことができました。
今回もお休み?どうかしちゃった?
よ~く見ると2軒先に移転したという貼り紙がありました。
歩いて30秒。開いてました~
かれこれこちらのお店とは30年以上のお付き合いです。
秋によく足を運びましたが、木曽方面のスキーの帰り道にも運転手に「妻籠寄って!!!」と何度かお願いしたことも・・・(笑) いつの間にかみんなここのおやきのファンになりましたけど・・・
こちらには2年ほど前に移転されたそうです。
店内は床の間などの形を残したままリノベーションした空間になっています。
無料のお茶をいただきながらおやきをイートイン。
メニューには、野菜(切り干し大根など)、茄子、かぼちゃ、野沢菜、くるみ、よもぎなどがあります。
いつもは1つだけいただくのですが、この時は”店内貸切”だったので、2個オーダー(野沢菜・かぼちゃ)。2個なら甘い系としょっぱい系を組み合わせるのがおすすめです。
ここのおやきは、一般的なもっちり(時にはちょっと油っぽい)したおやきと違い、パン生地なので口当たりがとてもいいのです。
次のお客さんが来るまでゆっくりご主人とおしゃべりしました。
何度か会話は交わしたことはありますが、こんなにゆっくりお話ししたのははじめてです。このコロナ禍でずいぶん大変なようですが、前向きに頑張っておられます。
イートインスペースが広くなったもののひとつだけ残念なことが・・・
わちのやさんのシンボルでもあった囲炉裏がなくなってしまいました。
旧店舗を撮影した写真です。
(晩秋には)囲炉裏の横に座っておやきをいただくのが楽しみでした。
この妻籠宿は「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されており、新規の建築には厳しい規制があり、新たに囲炉裏を作ることができないのだそうです(T_T)
しかし近々カフェメニューもはじめる予定で準備中とのことでした。
わちのやのご主人にはこれからもお元気で頑張っていただきたいです。
なお、お持ち帰り用(冷凍)も用意されていて、地方発送も可能だそうですよ。
そして数年前から気になっていて、やっとゆっくり立ち寄ることができたこちら
好日珈琲
すっかり街並みに溶け込んでいますが、入口のメニューも、店内もオシャレで気になっていたんです。
その一方で、ここは今どきの若い人たちのお店という感じで、ちょっと敷居が高そう!?
でもゆったりした今ならいけるぞ!と店内へ。
江戸時代の宿場町らしからぬキャッシュレス対応の食券の販売機が斬新です。
カウンターにチケットを出して座って待ちます。
超オシャレな店内でちょっとそわそわ(笑) またしても貸切でしたが。
アイスコーヒーをいただいたのですが、ちょっとコーヒーにはうるさい私も大満足な味。
1杯ずつ丁寧に抽出してくださっていて、雑味がなくすっきりした飲み心地です。
サービスでアイスクリームまでいただいちゃいました(*^▽^*)
トレーは木曽らしくヒノキなのかな?
しばしコーヒーを飲んでくつろいでいた私ですが、若いスタッフさん同士の会話に聞きなれた方言が。
この地域は天竜川ルートで古くから静岡県や愛知県とも交流が盛んでした。今は三遠南信(三河、遠州、南信州)という経済圏を構成しています。そんな理由もあり、言葉もけっこう似ているんです。遠州人の私はピッ!と反応(笑)
お聞きしたところ、オーナーさんはUターンしてここにお店を開いたそうです。地元の若い人の働く場所づくりにも一役買っているわけです。
伝統的建造物保存地区(妻籠宿は全国でも先駆けです)を守っていく難しさなども感じながら、古いままでもダメ、しかし時代の変化にも対応していきたいという使命感に、往年の妻籠宿ファンの私はこれからもこの町と人々を応援していこうと心に誓ったのでした。
今までは、タイムスリップしたような”ずっと変わらない街並み”がこの妻籠宿のよさだと思っていましたが、これからは伝統的な中にも”新しい風”を発見することも楽しみのひとつにしようと思います。
最後に・・・おみやげはいつもここです。
ゑびや(和菓子・甘味処)
店内で甘味もいただけるのですが、もっぱら私はここでは栗きんとんを購入。
栗きんとんといえば岐阜県中津川ですが、ここで販売しているのは中津川の松葉というお店が製造している栗きんとんです。
中津川には有名店がひしめいていますが、それに負けず劣らず美味しいんです。
本来なら秋から冬の季節商品なのですが、4月でも購入できたのはラッキーでした。
栗羊羹も人気商品なのでお好きな方はぜひ。
まとめ
ノスタルジックな街歩きが楽しめる妻籠宿、そして旧中山道。
人気シーズンは秋ですが、実は紅葉よりも、花桃やしだれ桜など、春のほうが映える写真が撮れるということにけっこう最近気づいてしまった私。
その割に春は混雑もなくゆったりしています。
旧道を歩くだけでも花桃などが楽しめますが、車で30分ほど走れば”桃源郷”といわれる昼神温泉や月川温泉の花桃が咲き乱れる絶景も楽しめます。
やっと蔓延防止等重点措置も解除され、今年こそは春を楽しみたい!でも密は避けたいという方におすすめします。