2019年10月の岐阜の旅の記録です。
2日間かけて美濃地方の旅、2日目は関市中心部、刃物の町のミュージアム巡りがメインです。
関と鍛冶の歴史
鍛冶(かじ)とは金属を鍛錬(加工)して製品にする職業のこと。
その歴史は古く、鎌倉時代から700年以上にわたり、刀はもちろん、農工具なども含め、現在もこの関では鍛冶職人がその伝統の技を受け継いでいて、国内屈指の刃物の産地となっています。
大河ドラマ「麒麟がくる」でも最初のころに、関の鍛冶職人である伊平次という人物が、鉄砲づくりの村である国友村(近江)に行き、腕利きの鉄砲職人になっていたというストーリーになっていました。
刃物のまちならでは「刃物ミュージアム回廊」
関市内には、今なお多くの刃物関連企業があります。鍛冶の歴史から現代の最新技術にいたるまで、そして販売所までを含め「刃物ミュージアム回廊」となづけられたエリアがあります。
その一角にあるのが関鍛冶伝承館です。
私が訪れた時は、周辺が工事中(遺跡発掘調査中?)でしたが、刃物ミュージアム回廊の一角を成す地域交流施設(新名称:せきてらす)が建設される予定になっています。
http:// https://www.city.seki.lg.jp/kanko/0000014908.html
関鍛冶伝承館
先に結論から述べますと展示レベルの高い素晴らしいミュージアムです。
月に一度、このような鍛錬の実演が見られるそうです。
館内には案内(ガイド)スタッフはいませんが、映像や模型でわかりやすい展示になっています。
言語は日本語と英語に対応。私が館内に入った時も欧米のグループが熱心に見学していました。
鋼(はがね)を溶かし、何度も鍛錬を繰り返し強度を増していきます。その様子も映像で丁寧に紹介されています。
さらに「白銀師」「鞘師」「柄巻師」「研師」といったそれぞれの匠による繊細な仕事の組み合わせで1つの刀が完成します。
それぞれの映像が5分前後あるので、すべてゆっくり見ているとあっという間に30分ほど経ってしまいます。
現代に続く産業の様子などもわかりやすく展示されています。
関市内には、刀鍛冶たちが居を構えていた痕跡が各所から出土されています。
展示コーナーの奥にある刀剣マニア垂涎もののコーナー。
照明も工夫されている展示室内に光り輝く日本刀がずらり。(詳しくないのでさらりです・・)
こちらは映画「スターウォーズ」とのコラボなんだそうです。
最近では、日本刀が擬人化されて若い人たちに人気が高まっていることもあってか、刀鍛冶も新進気鋭の方たちがいらっしゃるそうです。とはいえ、後継者を育てるには苦労があるようです。
私は職人でもなんでもありませんが、このようなマニアックなミュージアムが大好きです。私のような素人でもわかりやすく興味がもてるように展示が工夫された施設が増えているのはとてもうれしいこと。
こちらは神戸になりますが、同様におすすめのミュージアムです。
海外に行くのは当分難しい今だからこそ、日本の伝統文化のすばらしさ、技術力の高さを再発見できるこのようなミュージアムにぜひ運んでみてはいかがでしょう?
関鍛冶伝承館に行ったらぜひここも
日本刀アイス
隣接する濃洲関所茶屋(物産施設)には刀に関するおみやげなどが揃っています。
1本1000円という価格にためらってしまったのと、「牛乳がすごい」で断念・・・
さらに、ミュージアム屋外で見つけたこんなものたち
刃物塚
これはいいとして・・・
「関東」「関西」分岐点宣言板
この前日、美濃の山間で「中心の地争い」の看板を何か所も見てきましたが、どこまでも”真ん中”こだわりたい関市。よ~くわかりましたよ、ハイ。
関市は岐阜市の中心から車で30分ほど。大河ドラマ(歴史)ファンならあわせて足を運んでも良いかも、です。