岐阜大河ドラマ館を見学した後は、岐阜城へ向かうロープウェイの乗り場がある道三エリアへ向かいます。
ロープウェイ乗り場の前に、「光秀」「道三」「信長」のいずれのエリアにも属さないけれど、注目すべきエリアがあります。
絶賛発掘整備中! 城主居館跡
岐阜城のある金華山は、10年ほど前に歴史的価値から自然の地形なども含め山全体が国の史跡されていますが、その中でも城主の居館跡だったという山麓のエリアは大注目。
現状では、ここを訪れるのはマニアックな人のはず(笑)
何もない城跡(遺構のみ)で思いを馳せられる想像力のすぐれた方にオススメです。
↓例えば、一乗谷朝倉遺跡を見てテンション上がる・・・という人。
いずれもブラタモリで放映されて注目が集まっているようです。
私の場合は駐車場から大河ドラマ館に行くのに道に迷い、たまたま通り道だっただけなのですが(-_-;)
想像力は乏しい私ですが、最近城跡巡りで鍛えられてきたのかちょっとワクワク。
金華山と城主居館跡
現在岐阜城の建つ金華山は、鎌倉時代頃から山城として歴史がありますが、本格的に整備されたのは戦国時代の斎藤道三の頃といわれています。
その後、斎藤家に代わってこの地を治めた織田信長によって、大規模に改修されたことが近年の発掘調査でわかりました。
そこには、建物だけでなく、自然の地形を活かした大庭園が整備されていたそうです。ポルトガルの宣教師 ルイス・フロイスの残した「日本史」には、その壮大さや庭園の美しさなどが記録されています。
公園内、大河ドラマ館のある岐阜市歴史博物館から金華山ロープウェイ乗り場に向かって歩くと右側に冠木門(かぶきもん)が見えます。
近年造られた門ですが、このあたりが実際の入口であったと考えられています。
階段を登った先には、巨石が並べられていて訪れるものを圧倒させていたとも。
ふと思い出したのが安土城跡。
階段(坂道)の両側にそびえる石垣に圧倒されましたけど・・・
岐阜城はこの原型(プロトタイプ)といえるのかもしれませんね。
居館があった場所には川が流れ、池も配置されていたと考えられます。
ビニールシートがかかっていたり、ロープが張られているので歩く場所は制限されています。
このエリアでひときわ目立つ三重塔ですが、こちらは大正時代に建造されたもの。
設計は伊東忠太氏。築地本願寺や湯島聖堂など寺社建築で知られる建築家ですので建造物としても価値ありですね。
居館跡の上には、ロープウェイが通っています。
このあたりは、岩を背景にした庭園があったと考えられています。
金華山はチャートという固い岩盤からできています。山頂の岐阜城もそうですが、巧みにこれらの岩を活用しています。
現在、この崖では35mの滝を再現中。
自然の滝かと思ったら人工的に水を流しているそうで、タイミングよく遭遇。
期間限定(令和2年12月末までの予定)ですのでお早めに!
岩については、数年前に訪ねた苗木城(岐阜県中津川市)もびっくりでしたが、岐阜県の山城は良質の岩を存分に活用してます。すごいです。
また、この居館跡を発掘すると、織田信長の居館跡の層の下には炭素の層を挟んで別の遺構が発見されているそうです。これが斎藤道三の時代に造られたものと考えられています。
現大阪城(徳川時代)の下を掘ったら豊臣秀吉が築いた大坂城の石垣が出て来たというのと同じ感覚。戦国時代の世の常、ですね。
発掘調査のようすは居館跡(屋外)にもパネルが用意されている他、公園内にある信長居館発掘調査案内所でも知ることができます。
※建物がほとんど見えませんが白い壁の建物です。(紫陽花と緑がきれいだったのでこの写真で・・・)
ここでは模型や発掘調査で出土したもののが展示されています。スタッフも常駐していて質問にも答えてくださいます。
また、岐阜城天守閣内でも、居館跡の様子をCGにより再現しています。
この先、発掘跡を埋め戻す方向だそうで、居館跡に建物を再建するかは未定。
う~ん、このまま想像をめぐらせるだけにしておいた方がいいかも。
ということで、前振り長くなりましたが(笑) 、金華山ロープウェイで山頂に向かいます
岐阜城へ直行!金華山ロープウェイ
ロープウェイ乗り場(金華山麓駅)
大河ドラマ「麒麟がくる」の期間中は、「道三エリア」と称されています。
その目玉はなんといっても
本木”道三”の等身大フィギュア
リアルにできていますね~
これだけでも目の保養になりますが(笑)、私はサインに添えられた達筆な文字に惚れ惚れしちゃいました💛
大河ドラマ館や斎藤家菩提寺の常在寺にも展示されていましたが、どれも美しい~
(唯一ここだけが、美しい筆文字が写真撮影可でした)
また、乗り場の手前には斎藤道三に関するパネル展示があります。
金華山ロープウェイの情報
・往復乗車料金 おとな1100円(こども550円)
※大河ドラマ館横の観光案内所で割引券をいただき100円割引になりました。
・運行は15分おき。(休日などは10分おきで運行)
・長さは約600メートル。高低差約255メートル。
・乗車定員 46名
大河ドラマ館の混雑具合から余裕で乗れると思っていたらけっこう密でした~
といっても定員の半分くらいですが、コロナ禍での「公共交通機関」はこれが初めてでしたからちょっとドキドキ。
マスク着用は必須です(このような場で、注意されてからマスク出す人、勘弁です)
発車して間もなく三重の塔と居館跡が眼下に見えます。
そして鵜飼い(うかい)で有名な長良川の風景が目に入ってきます。
ガイドさんの生アナウンスを聞きながら山頂までは5分ほどなのであっという間。
出発を待っている時間の方が長かった~(-_-;)
私たちが降りた後、スタッフの方が手すりや吊皮などの消毒をしていました。
6月中旬の平日でしたが、ロープウェイはそこそこの混雑でした。
本格的に観光客が復活してくると、午前中の早いうちにロープウェイで岐阜城へ行き、その後、大河ドラマ館など金華山の麓を散策するほうが密を避けられると思います。
ロープウェイを使わないという選択
私は未体験ですが、”人気”の選択肢ということでご紹介します。
金華山は登山(ハイキング)コースが整備されています。体力レベルに合わせて数本のルートがあるため幅広い年齢層に人気です。
片道1時間ほどで山頂に行ける(らしい)ので、健脚な方はぜひチャレンジしてみてください。
「めい想の小径」が初心者にもオススメとされています。また、片道だけロープウェイを利用することも可能です。
山頂に着いてみると、ロープウェイ利用者と同じくらいの人数が”自力”で登ってきた人たち(それもシニアばかり)でビックリでした。
ロープウェイを降りて、目的の岐阜城天守閣まではもうひとふんばり、です。