函館~青森の旅つづきです。
本州最北端の東照宮(重要文化財)の存在は確認したものの、からっぽの建物だったというオチがついてなんとなく消化不良のまま弘前市を後にすることになるのですが、その前に "最北端"ということばに惹かれて足を運んでみたお寺のご紹介です。
【名 称】金剛山光明寺最勝院
【ご本尊】大日如来
【創建年】1532年
【文化財】五重塔
【所在地】青森県弘前市
勝運を祈願したくなる強そうな名前のお寺です。
1532年に建てられた堂宇がはじまりで、その後、弘前城築城にあたり、津軽信枚が現在地から北2kmほどの場所に鬼門除けとして1610年に移転。
江戸時代には12の塔頭をおく大規模な寺院でしたが、明治の神仏分離令によりそれらの寺院を合併して、大圓寺があった現在地に移転しました。
その大圓寺は大鰐町に移転し、大圓寺の五重塔や本堂などが引き継がれました。
境内のようす
境内は特に受付はなく自由に拝観できます。
幹線道路に面した駐車場から山門はすぐです。7月に参拝しましたが、参道の新緑がとても美しかったです。
静岡県内では5月くらいに見られるもみじの種(赤いプロペラみたいなもの)ですが、ここが北国であることを実感。ちなみにこの日の弘前の最高気温は30℃くらいで、静岡のほうが涼しいくらいでしたけど(苦笑)
この手前に神社がありますが、それについては後ほど。
境内のようす
山門(仁王門)
神さまのお遣いはうさぎ。可愛らしいうさぎの像が迎えてくれます。
この門には本来仁王像がいらっしゃるのですが・・・
数年前にポロリと目が落ちてしまい、修復中とのこと。修復に向けての浄財を募集中とのことです。
調査により350年以上の歴史があることも判明したそうで、1日も早く元の勢いのある姿に戻られることを祈りたいです。
日本最北端 重要文化財の五重塔
寛文7年(1667年)に完成した旧大圓寺の塔で、高さは約31メートル。
弘前藩3代目藩主・津軽信義が津軽統一の戦いにおける戦没者を敵味方関係なく供養するために10年をかけて建立したもので、国の重要文化財に指定されています。
東北一の美塔と称されるだけあって層ごとに変化のあるデザインや全体のバランスが見事です。
また寒さが厳しく雪深い地域にもかかわらず、江戸時代から建物が保たれていることに感銘を受けます。
五重塔を囲むように大きな桜の木が数本。絶対春には美しいコラボになるはずです。
初層をアップしてみました。
鐘楼
戦時中に供出されてしまった梵鐘が、戦後地元の人たちによって復元されました。
平和の鐘と呼ばれているそうです。
手水舎
龍が口から水を吐く威勢の良い手水舎です。
参拝時は龍に気を取られていましたが、写真をよ~く見てみたら建物の軒下になにやら彫刻が(@_@)
本堂
1970(昭和45)年に建造されたもので、ご本尊が祀られています。
護摩堂
旧大圓寺の本堂。弘法大師さんがうさぎを従えて見守っています。
残念ながらいずれもお堂の中へは入ることができませんでしたが、私の守り本尊である大日如来のいるお寺とご縁があったことに感謝したいと思います。
石碑やお堂
さらに境内奥には、石碑やお堂が密集している場所があります。聖徳太子堂や庚申塔といった古くから信仰されてきたシンボルの数々です。
また、棟梁としてこの地域の建築に功績を残した堀江佐吉氏の記念碑もあります。
最勝院のご朱印
本堂向かって右手にある方丈で御朱印をいただきました。
平日でしたので、ブザーを鳴らしたところお寺の方(女性)が対応してくださいました。
また、境内の中には、かつての神仏習合の名残でしょうか、鳥居がありました。
八坂神社
石碑の「神」の文字がアートです(#^.^#)
大きな鳥居が2つ。ちょっと不自然な向きで続いています。
また、鳥居と比較して社殿が小さいと感じましたが、拝殿は火災で焼失したため戦後に再建されたもの。
ガラス越しに神輿が見えました。
アクセスと駐車場
弘前公園からも(頑張れば)徒歩可能なエリアにありますが、境内の前に5台分ほどの無料駐車場があります。
実はこのすぐ近くのドーミーイン弘前に宿泊していたのですが、五重塔が見える側ではなかったこともあり、ここを訪ねる直前まで気づかず・・・
東照宮を訪ね、再びナビで案内されたらあれ?な展開に。お寺の駐車場からホテルがすぐそこに見えました~(>_<)
まとめ
到着した時は、青空具合が今いちだなあと思っていたのですが、御朱印をいただいたり、境内奥のお堂を巡ったりしているうちに、次第に青空が広がってきました。
境内は広くはありませんが、ベンチなども用意されています。
五重塔のベストショットを撮りたい・・・と、境内でゆっくりさせていただきました。
春の桜はもちろんですが、夏の新緑、秋の紅葉、そしていろいろな方のブログを見ていると雪の風景が意外と多かったのも印象的です。
いつかそんな季節にも訪ねることができたら、と思います。