2022年6月の北海道の旅。
いよいよラストの観光スポットへ。美瑛の青い池からパッチワークの丘をめざしてレンタカーを走らせました。
このムダな行ったり来たりが時間のロスだったりするのですが、青い池の撮影ベストタイムを狙っていたので、これは仕方ありません。
【Google Mapの軌跡】
※左側の縦の軌跡は旭川空港からの飛行ルートです。
おかげで予想以上の美しい写真が撮れたと思っています(スマホが有能なだけという説もありますが・・・)
運転についても、道は広いし、信号も車も少ないので、ストレスはまったくありません。まあ神経をとがらせるといえば動物の飛び出しに気を付けるくらい!?
青い池から美瑛の市街地方面に向かって走る途中の背景
走っているだけでこのような風景にいくらでも出会えました。
パッチワークの丘が生まれた理由
起伏ある地形に色合いの違う畑がまるでパッチワークのように見えるところから写真愛好家の注目を集め、注目されるようになりました。
畑の色合いが違うのは、連作障害(同じ土地に連続して同じ作物を植えると土の中の病気や養分不足などにより生育に問題が起こる)を避ける目的で、区画ごとに違う作物を植えているため。
もう1ヶ月もすれば手前の小麦が黄金色に色づくと、景色は変わります。そして、来年同じ季節に訪れても(違う作物が植えられるので)異なる風景の色合いになるのです。
見せるためにつくられたのではなく、開拓時代からの長年の苦労の中で、よりよい作物を作るための営みとなっています。
美瑛の丘めぐりの注意点
心に止めておかなければならないのは観光客向けに作られた風景ではないということ。
複数の言語で注意書きされていることが迷惑行為の多さを物語っています。
まさに観光公害(オーバーツーリズム)です。あくまでも地元の方々の生業の場であることを忘れないようにしたいものです。
畑に入って作物を踏まなければいいんじゃないの?ではないのです。履いている靴の裏から入る菌や病害虫が感染を引き起こす危険すらあるのです。
美瑛の丘めぐりに役立つ「マップコード」
ところで、美瑛の丘の人気スポットはほとんどが畑。
周囲に人家はほとんどなく、住所という住所がありません。
有名スポットなのでカーナビはある程度対応はしてくれるのですが、現地でいただいた観光用のロードマップには、マップコードが記載されていました。
普段からカーナビはよく利用するのですが、今回初めて知り利用してみました。(カーナビによっては利用できない場合があります)
美瑛の丘を巡ってみた
というわけで、駐車スペースのある展望スポットをメインにめぐりました。
混雑するシーズンではなかったので、周囲の車のようすを見ながら道沿いで短時間停車して写真撮影することもありましたが。
新栄の丘展望公園
こちらは新栄の丘のシンボルです。
この位置から見える畑がいい感じの絵になっていました。整地中でも美しい☆彡
これを20年前の写真と比べると・・・
(2002.7撮影)
フィルムカメラ(一応一眼レフ)で撮影したものをフィルムスキャナで取り込んだデータです。写真の画質の粗さは抜きにしてもお天気の影響は大きいのです。
ただ、自然環境はまったく変わっていないというのがホッとします。
公園内には売店(休みでしたが)やトイレも整備されています。
新栄の丘展望公園の目印になる木
駐車場を出てからふと途中停車して撮影した1枚
これ、もしかして有名な赤い屋根の家? 撮影する位置を間違えたみたい(笑)
新栄の丘展望公園を出てからは、美瑛町の北西 パッチワークの路エリアをのんびり走りました。
カフェやレストランも点在する魅力的なスポットですが・・・時間がない!
というわけで最終目的地へ。
セブンスターの木
駐車場から見ると特別な風景には見えないのですが・・・
周辺にさえぎるものがなく、青空と緑の畑、その先には十勝岳連峰。
1本の木が絵になるのです。
そして白樺の並木も絵になります(これは冬にも見てみたい!)
さらに眼下にはこの外国(ドイツとかフランスとか?)のような風景
若い人の中には、今や「セブンスター」自体を知らない方も多いのではないでしょうか? この木は、観光タバコのパッケージの写真に使われこの名前がついています。
私は喫煙者ではありませんが、昔は普通にタバコのCMも流れていましたし、メジャーな銘柄などはイヤでも目や耳に入りました。周囲で吸っているオッサンも多かったし。
今回行きませんでしたが、もうひとつ有名なのがマイルドセブンの丘。こちらもタバコの名前のついたスポットでしたが、観光公害などにより2019年にカラマツが伐採されてしまったことがニュースになりました。
北海道のシンボル!? カシワの木
話を「セブンスターの木」に戻します。これはカシワの木です。
カシワの木の葉は、柏餅に使われる葉っぱです。こんなに葉がついている木を初めて間近で見ました。葉の付き方を見ると木の強い生命力を感じます。
カシワの木は、葉が枯れても新芽が出るまで落葉しないことから古くから「神が宿る木」として縁起物とされているそうです。
実は今回の旅で、このカシワがすごく気になっていました。中島みゆきさんの母校は「帯広柏葉(はくよう)高校」。帯広駅の隣の駅も「柏林台」という駅でした。車で走っていても柏という文字をところどころで見かけました。
縁起ものなら全国的に広く「柏」という文字が使われていてもおかしくないのですが、地名や市町村の木として指定する自治体も多いなど、北海道特有の何かがあるのでは?
ホテルやお買い物先などで地元の方にも聞いたのですが、明確な回答は得られず・・・
しかし旅の最後にカシワの木との出会えたのは、これも何かの思し召しかしら?(セブンスターの木がカシワの木とは知らずにここに来ました)
さらに標識の「かしわ園」も気になりました。
しかし反対方向の旭川方面(空港)へ早く行け!と急かされているようなのでここで撤収です(苦笑)
ちなみにもうひとつの標識(前回の写真より)
ケンとメリーの木
(2002.7撮影)
全然映えない・・・暗すぎて(これでも修整しています)。
この木は、日産のスカイラインという自動車のCMに登場したそうです。
美瑛の丘めぐりの交通手段
この記事ではレンタカーで思うままに走った記録となっていますが、レンタカー以外に下記のような手段で巡ることも可能です。
- 定期観光バス(6~10月運行)
- 観光タクシー
- レンタサイクル(ガイド付きツアーもあり)
★詳しくは下記のサイト(美瑛町観光協会公式)をご覧ください
まとめ
3回目の美瑛ですが、”三度目の正直”でやっと満足する風景が見られました。ちなみに霧で有名な摩周湖も三度目にしてはじめてクリアな湖を見ましたけど。
美瑛の丘めぐりは、正直お天気と季節でまったく印象が変わります。
私は同じような季節(6~7月)に巡っているので、できれば次回は実りの秋、そしてやっぱり一度は雪景色も見てみたいとは思うのですが、何せ温暖地域住みの人間なのでそこのところはいろいろ課題をクリアしないといけません。
ちょうどこの記事を書いている今、新型コロナ感染拡大に関わる入国規制が緩和されました。マナーに問題のある方の多い某国からはまだ来られないようですが、それも時間の問題。
この先もこの自然が守られ、そして日本の農業が持続可能であるために、マナーを守って富良野や美瑛の観光を多くの人に楽しんでいただきたいと思うのでした。