2022年に帯広に行き、中島みゆきさんのゆかりの地を巡りましたが、その痕跡は思ったより少なく、やっぱり札幌に行かなきゃダメだ・・・と思いました。
というわけで2023年1月、冬の札幌、雪道を歩きみゆきさんゆかりの地を巡りました。
中島みゆきさんのルーツが岐阜県にあったという記事もぜひご覧ください。
温暖な静岡住みとしてとして、この時期の雪国へは気温も行動もムリだと思っていたのですが、行ってみたらなんとかなりました。
中島みゆきさんと札幌
みゆきさんは札幌市内で誕生。
その後、医師であるお父さまの転勤で北海道各地を転居。お父さまが産婦人科医院を開業されたの機に帯広市で多感な中学・高校時代を過ごします。
その後、札幌市にある藤女子大学国文科に進学。
学生時代は”コンテスト荒らし”と異名をとるほどの活躍でデビューへの足掛かりを着々と固めていました。
いったん帯広市に帰りお父さまの医院を手伝う時期もありましたが、1975年のヤマハポピュラーコンテストの入賞によりデビュー、北海道の地を離れています。
札幌に住んでいたのは(幼少時代を除くと)5年前後ではなかったかと思われます。
「南三条」付近を歩いてみた
宿泊した札幌プリンスホテルの近くで撮影。
みゆきさんの1991年発売のアルバム「歌でしかいえない」に「南三条」という失恋ソングが収録されています。
「別れた男のもとには新しい女の人がいて・・・」という未練たっぷり失恋ソング。
ちなみに南三条という地名はこの地から東西に延びていて、札幌随一の繁華街 すすきの界隈もその一部となっています。
みゆきさんがイメージしているのはいったいどこなのでしょうか?
歌詞のシチュエーションの「夏」「雨」とは真逆な景色でした~(笑)
藤女子大学
みゆきさんは藤女子大学の文学部国文学科に1970~1974年に在籍されています。
語彙力や言葉の紡ぎ方、表現力いずれをとってもみゆきさんの歌詞は素晴らしいことは世間が認めるところです。(もちろん曲も素晴らしく、私はメロディから入るタイプ)
ちなみにこの大学は、北海道唯一の4年生女子大学で、地元ではお嬢様大学として長い歴史があります。
敷地内には大学の他、中高も併設されていて、パワフルなボーカルで知られる大黒摩季さんは藤女子高校の卒業生です。
高層の校舎が立ち並ぶ風景は、みゆきさんの通っていた時代とは違うはず。
唯一門の近くにあった木造の建物(キノルド資料館)だけが、学生時代のみゆきさんを記憶しているかも。
1月末の平日でしたが、人の気配はほとんどなく・・・すでに春休み?
構内を歩くのは遠慮して門の付近で写真撮影だけさせていただきました。
最寄り駅は地下鉄南北線の北18条駅。
地下鉄をはさんだ西側には北海道大学の広大なキャンパスがあります。
みゆきさんは大学生時代に本格的に音楽活動をスタート。北大の音楽サークルでも活動されていたそうです。
藤女子大から国道5号線沿いをまっすぐ北に進むこと15分、いや20分?
後で確認すると1kmも歩いていないのですが、その倍くらい歩いた感覚です。
雪慣れしていない身分で・・・こんな季節にアホだと自分でも思いました(苦笑)
コーヒーハウス ミルク
ファン歴約40年。
気になっていても畏れ多くて近寄れなかった「聖地中の聖地」にやってきました。
みゆきさんの1978年発売のアルバム「愛していると云ってくれ」に収録されている「ミルク32」の歌詞に出てくる喫茶店。
みゆきさんの曲に登場するスポット(お店など)はほとんど残っていない中で、ここは今なお営業する貴重なお店です。
午後2時の開店時間ちょっと過ぎたころに訪ねました。入口開ける瞬間ドキドキです。
入店すると迎えてくれたのは奥さんと猫ちゃんでした~
入口に「猫がいます」の貼り紙がありました。何匹か隠れています(笑)
私は犬も猫も(飼ったことがないので)ビビリです。多分相手も警戒している!?
棚のレコードや壁の写真など半世紀の年季を感じる店内は、まさに昭和の喫茶店、そしてプラス「猫カフェ」でした~
「ミルク32」では、カウンターの中でお皿を洗うマスターに向かって、ふられたことを愚痴る女性。マスターは何も言わずに聞いているだけ・・・
みゆきさんもあのカウンターに座っていたのかな。
コーヒーをオーダー。ドリップで丁寧に入れたコーヒーは香りもよくやさしい味わい。
トーストも好評らしいのですが、この直前に食べてきてしまったのでコーヒーだけで。
当初はお客は私だけで、緊張してしまって、何をお話してよいのやら・・・
しばらくするとマスターがいらっしゃいました。
マスターの前田さんはかつてみゆきさんと音楽活動もされていた方だそうです。
そしてこの半世紀の間、喫茶店やスタジオを経営。音楽活動をする近隣の学生さんたちをサポートしていらっしゃいます。
一見さんだとバレているので!?静岡県から来たみゆきファンであることを明かし、つま恋などのお話などをきっかけに少しずつお話を聞かせていただきました。
物静かなマスター(奥さんも)は、多くを語るわけでもなく、ふっと思い出したようにしゃべってくれたり・・・
なお、このお店にみゆきさんの痕跡を残すような写真などは一切ありません。
マスターも「(みゆきさんは)写真にも写ってないんだよね~」と。
「一緒に記念撮影したのに、現像してみたらなぜかひとりだけ映っていない」のは、”みゆきさんあるある”のようですね。
その後、出張ついでに訪れたという”筋金入りみゆきファン”がご来店。
当時新型コロナで中断していた「ラストツアー」の初期に行ったお話や、コアなファンしか知らないようなお話もいろいろ聞かせていただきました。
もっと聞きたいことはいっぱいあるのに、もう緊張して何を聞いていいやら・・・
普段は話し出したら止まらない私ですが、お店の雰囲気にすっかり巻かれて!?「借りてきた猫」になってしまいました~
なんなら濃ゆ~いファンが集まって、みゆきさんのあの歌詞があーだこーだとか、ギター片手にこのコード進行や転調はあーだこーだと談義する横で話を聞きたいくらいですが、もうそんな時代はとっくに過ぎて、時代が一回りも二回りもしてすっかり落ち着いてしまっているのですね。
冬の北海道は暗くなるのも早いので、1時間ほど滞在してお店を後にしました。
マスターご夫妻には末永くこのお店を守り続けていただきたいと切に願います。
「コーヒーハウス ミルク」からさかのぼること2時間。実はもうひとつ喫茶店に立ち寄りました。
円山坂下 宮越屋珈琲本店
北海道神宮参拝後に地下鉄 円山公園駅に向かう途中に立ち寄りました。
ネットで得た情報なのですが、こちらの創業者である宮越陽一氏もみゆきさんと音楽活動されていた方だそうです。
複数店舗を構えコーヒー問屋も営む会社なので、社長さんは店頭にいらっしゃいませんが、これはこれで、ぜいたくな空間。
このような時期なので観光客よりも地元のマダムなどがゆっくりと時間を過ごしていました。
まとめ
いや~、半日近く歩き回りました。
北海道のアーティストには、ファンがそこを目的地にしたくなるミュージアムなどが整備されている方(ドリカムや松山千春さんなど)もいらっしゃいますが、みゆきさんにはまったくありません。
それどころか生活や音楽活動の痕跡も少ないのは、ミステリアスなみゆきさんらしいなと納得です。
その一方で、音楽活動を一緒にしていらしていた方たちが、奇しくもコーヒーでつながっていたというのはコーヒー好きの私にはちょっとうれしかったです。
やっぱりみゆきさんは、生で歌う美しいお姿とギャップの激しいMCをコンサート会場で直接見聞きするに限る!!
あと数か月でみゆきさんにお会いできると思うと、ワクワクが止まりません。
最後までお読みいただきありがとうございました。