2017年7月の三重の神社とお城をめぐる旅。
伊勢市内からは少し距離のある伊勢神宮の別宮である瀧原宮を参拝しました。
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伊勢といっても、今回の旅の主な目的は別宮めぐりです。
伊勢神宮の別宮とは?
一般的に「伊勢神宮」というと伊勢市にある天照大御神を祀る内宮(皇大神宮)、豊受大御神を祀る外宮(豊受大神宮)を思い浮かべます。
実は伊勢市周辺エリアを含め125社の総称であり、”伊勢”をつけない神宮が正式名称となっています。
規模はさまざまで、最も格式の高い正宮(しょうぐう)に次いで、別宮(べつぐう)、摂社(せっしゃ)、末社(まっしゃ)と呼ばれるお社があります。
正宮は内宮と外宮の2つのみ。
それに次ぐ別宮は、全部で14ヶ所あります。
そのうち内宮に付する別宮が10社、外宮に付する別宮が4社となっています。
それらは、正宮の敷地内に存在するものと、正宮から離れた場所に存在するものがあります。
年初に外宮、内宮を参拝したときは、外宮の敷地にある別宮の多賀宮と土宮をあわせて参拝することができました。
(2017.1 外宮 土宮にて)
正宮の外にある5つの別宮
今回目指したのは、正宮の境内から離れている場所に建つ5社です。
浅はかな理由ではありますが、別宮で御朱印がいただけるのがこの5社だけなのです。
内宮、外宮の敷地内にある別宮の御朱印はありません。
このうち、倭姫宮、月讀宮、月夜見宮の3社は伊勢市内にありますが、残りの2社は市外になります。
例年はバスでの伊勢神宮団体参拝なのですが、今回は自家用車での旅ということもあり、念願だったアクセスの若干不便な市外の別宮を目指しました。
山間の町 大紀町にある瀧原宮への車でのアクセス
瀧原宮のある大紀町は山間の町ですが、高速道路の開通でアクセスが向上しています。
津方面からあるいは伊勢方面からはいずれも伊勢自動車道経由で、勢和多気JCTを紀勢自動車道に入り尾鷲方面へ向かいます。
紀勢自動車道は熊野方面へつながる有料道路。この道路の開通でアクセスはかなり向上しています。なお、片側一車線の道路となっています。
伊勢市内からはおよそ40km。所要は1時間弱です。
奥伊勢PA
小さなPAですが、オープン間もない売店とフードコートがありました。
大宮大台インターで降り、熊野街道と呼ばれる国道42号線を走り5分ほどで到着です。
山道をくねくね走ることもなく到着できて楽でした。
目印は 道の駅「木つつ木館」
駐車場にある大きな白い鳥居とこの建物が目印となります。
白い鳥居は車で通過することができ、その先の突き当りを右に曲がると瀧原宮です。
瀧原宮のすぐ前に5~6台の駐車スペースがありますが、休日などは満車となりますので、こちらの「木つつ木館」の駐車場を利用するのがベストです。
瀧原宮の境内
鳥居と参道入口
真夏の平日、午前10時ごろなのでこんな感じ。駐車場には2~3台の車が駐車しているだけでした。
鳥居の手前にトイレがありますが、その先にはトイレがありませんのでご注意ください。
別宮は、正宮の遷宮(平成25年)から1年ほど遅れて建て替えが行われています。
遷宮とは20年に一度行われる社殿の建て替え(神様のお引越し)のこと。
建て替えられて3年ほどの鳥居は、まだ新しさを感じられました。
参道は、ほぼ貸し切り状態です(^^)v
陽ざしが所々差しこんできますが、神々しさに拍車をかけているように感じられました。
この参道、ほとんど無音の空間でした。自分の足音以外聞こえません。
途中出会ったのは参道を整備している方だけ。なんという贅沢な参拝なんでしょう!
橋の向こうに宿衛屋(ご朱印授与所)が見えてきました
手水舎もあるのですが、この看板が気になりましたので行ってみます。
石段を下ります。前日は雨が降り若干滑りやすくなっていましたが・・・
御手洗場(みたらしば)
これって、内宮でいう五十鈴川のような「天然の手水場」ですね。
実はここは古来から内宮の原型(英語で表現するとプロトタイプ)といわれる地です。
(内宮の)開放感あふれる五十鈴川と対照的に、こちらは木々に覆われ、水の音以外聞こえない静寂な空間。
人の気配がまったくない静寂の中、心を無にしてお清めできるような気がします。
ここには一人で来て正解でした。
なお、雨が降っている時は、参道沿いの手水舎を利用しましょう。
宿衛舎を過ぎ、さらに進んでいくと参道にはみだすように立つ木があり、思わず抱きつきたくなるくらいの勢いが感じられます。
瀧原宮の”ねじれ杉”
アスファルトの歩道にはみ出している木、よく見るとねじれていませんか?
社殿が見えてきました。
手前には、3年前まで社殿が建っていた古殿地があります。
鳥居からゆっくり歩いて10分ほど。すれ違ったのは参拝客は1組(3名ほど)でした。
社殿は同じ形式のものが2つ並んでいます
瀧原宮社殿
右側が、瀧原宮(たきはらのみや)
天照大神の御魂 和魂(にぎみたま)が祀られています。
左側が、瀧原竝宮(たきはらのならびのみや)
天照大神の御魂 荒魂(あらみたま)が祀られています。
荒魂・和魂とは、神道における概念で、神の霊魂が持つ2つの側面を表しています、相対する霊魂がそれぞれが別々に祀られているのです。
さらに、2つのお社(所管社の若宮神社と長由介神社)があります。
参拝の順序は、瀧原宮→瀧原竝宮→若宮神社→長由介神社となっています。
瀧原宮の御朱印
式年遷宮の前年に購入した西陣織の限定御朱印帳に授かりました。
(裏面に式年遷宮の文字が刺繍された限定品です)
御朱印は宿衛屋にていただくことができます。対応する神職さんが少ないので、時間に余裕を持ってお願いしましょう。
また、ここまで無事に自らの運転で参拝できたことに感謝しつつ、交通安全の御守りもいただいてきました。
まとめ
実はパワースポットといわれる「ねじれ杉」のことは帰ってきてから偶然知りました。
行く前に調べておけばよかったと思う反面、予備知識がなくても、この境内にいるだけで、パワーが感じられるというか、気が澄み渡るという不思議な感覚を覚えました。
後日改めて参拝しました!
車がないと行き難い場所ですが、参拝する価値は十分にあると思います。
私自身ここは毎年訪れたいと思うほどです。
なお、別宮巡りについてですが、(自動車で巡ることを前提として)頑張れば伊勢市内と瀧原宮、そして志摩市にある伊雑宮を1日で巡ることもできますが、今回は伊雑宮への参拝はあきらめ、後日時間に余裕を持って志摩方面を訪れた時に参拝しました。