2021年秋の宮崎・大分旅行記です。
高千穂神社で御朱印をお願いした際、槵觸(くしふる)神社のものも一緒にいただけるとのことで御朱印をいただいてまいりました。あまり下調べしていなかったのですが、思いがけず巡り合えたパワーみなぎる神社をご紹介します。
天孫降臨の地 「くしふるの峰」
天照大御神の孫である瓊々杵尊(ににぎのみこと)が地上界に降りた神話として、古事記にも 筑紫の日向の高千穂の久士布流多気に天降ります と記載されています。
これが天孫降臨の地とされる「くしふる峰」で、当初は山をご神体としてお祀りして長らく社殿を持たない神社でしたが、1694年に峰の中腹に社殿が建立されました。
槵觸神社について
【名 称】槵觸神社
【主祭神】瓊々杵尊(ににぎのみこと)
【相殿神】天児屋根命(あめのこやねのみこと)、天太玉命(あめのふとたまのみこと)、経津主命(ふつぬしのみこと)、武甕槌命(たけみかづちのみこと)
【創建年】不明
【創建者】不明
【文化財】社殿(県指定有形文化財)
【所在地】宮崎県西臼杵郡高千穂町
祀られているのは、天岩戸に隠れた天照大御神を外に出すために尽力した神様たちです。スポーツや交通安全の神様として信仰されています。
槵觸神社の境内のようす
神社の名前の漢字がなかなか難しい・・・
すぐ前の道も車の通りがそこそこにあり、近くには体育館や公民館もあり生活の音も感じられますが、鳥居をくぐって進むと一気に別世界に。
鳥居は、高千穂神社とほぼ同じ大きさをと思われる巨大なものです。(こちらのほうが大きいかも!?)
手水舎
手水舎のまわりには大木が林立しています。
土俵
これ、祓所かな?でも注連縄や紙垂で囲まれてないし・・・と疑問を持ちながら写真を撮って、帰ってきてから調べてみたらなんと土俵でした。
神社のご祭神でもある武甕槌命と建御名方命が行った力比べが、相撲のルーツとされていることにちなんで、大祭ではここで奉納相撲が行われるそうです。
この案内板も気になりますが、今回は神社への参拝のみです。
高千穂町内の史跡をじっくり巡ると、3日でも足りなそうです。
余談ですが、数年前に旧中山道(馬籠~妻籠間)を歩いた時に、5日間かけて宿場を歩いているとおっしゃっていたオーストラリアからのご夫婦に会いました。外国でこんなにぜいたくな時間の使い方ができるなんてうらやましい限りです。
日本人ってホント、働き過ぎというか、忙しい民族なんだと感じます。
階段は、トータルで100段ちょっと。一気に上ると息があがります(苦笑)
混雑しているわけでもないので自分のペースでゆっくり上りましょう~
階段を登りきった正面が拝殿です。
拝殿
上部には細かい彫刻が施されていますが、ここで驚いている場合ではありません。
側面はもっとすごいんです!
ということで、高千穂神社と同様に建物の右側にまわってみました。
本殿
本殿は、高千穂神社とほぼ同じ建築様式に見えますが、こちらは三間社流造。
建物の周囲には手の込んだ彫刻がぎっしりと施されてします。


これらは、支那二十四孝物語(孝行が優れた24人をとり上げた書物)から抜粋した物語。日光東照宮の唐門に代表されるように、江戸時代の寺社建築の彫刻には中国文化の影響を受けたものが多いですね。
近年修復が行われたばかりのようです。
スマホのカメラなのでズームがこれで精いっぱいなのです。
詳細を見たい(撮りたい)方は望遠レンズご用意くださいませ。
本殿の彫刻もすごかったのですが・・・
拝殿前に食い込むように立つ大木が「境内の主」のような存在感を放っています。
某著名なスピリチュアル系の方が、ここの神社で不思議体験をしたとか。それを求めて多くの人が訪れているという話は後で知りました。
私はそういう力を持たないので不思議体験はありませんでしたが、なんとなくいいな~とは直感的に感じる境内でした。
私の基準は、大好きな瀧原宮(三重県 伊勢神宮の別宮)と同じ雰囲気・・・ですね。
ところで、天孫降臨の地といわれる場所がほかにもあります。
天孫降臨の地には諸説あります
その多くは九州にあるのですが、有名なのは宮崎県と鹿児島県境にある高千穂峰です。
天の逆鉾(あまのさかほこ)があることで有名な山です。
私はこの高千穂町を訪ねる10数年ほど前に、その高千穂峰の麓にある高千穂河原という場所を訪れました。(所在は鹿児島県霧島市になります)
この地にはもともと霧島神宮があったそうですが、度重なる噴火により焼失したため現在の地に遷されたそうです。
(霧島神宮の御朱印には、「天孫降臨地」という文字が入っています)
鹿児島空港の観光案内所で教えていただいたのですが、今回訪れた高千穂町とずいぶんと離れた場所にも「高千穂」があることが当時はとても不思議でした。
しかし、行ってみたら「これがパワースポットというのものなのかな?」と人生初めてそんな感覚になりました。
2018年にここをもう一度訪れたくて近くまで行きましたが、立ち寄る時間がなくてあきらめたという経緯があります。
しかしこうして、数年のうちに県北部のもうひとつの高千穂を訪ねる機会に恵まれたこともご縁があったということで感謝したいです。
天孫降臨の地に関する議論は昔から続いているそうです。
しかし、2000年以上も前の神話のすべてを解き明かすのは不可能。江戸時代の国学者 本居宣長ですら結論が出せずに双方を天孫降臨の地にしたそうです。
答えは個々に感じられる「良い雰囲気」でよいのではないでしょうか。
槵觸神社の御朱印
こちらの御朱印は高千穂神社でいただくことができます。槵觸神社には神職さんは常駐しておりませんのでご注意ください。
御朱印の背景に置いた冊子は、下の表紙の観光ガイドブック(どこでいただいたかは失念)
写真がきれいで、パワースポットのほかにも美しい自然なども満載です。
観光協会の公式サイトからPDFでダウンロードも可能です。
槵觸神社の場所と駐車場
高千穂神社から天岩戸神社に向かう途中、町のなかでもメインストリートといった感じの道路沿いにあります。
高千穂神社から1.5kmほど。車なら2~3分のところにあります。
カーブが多いところなので、突然大きな鳥居が現れる・・・という感じです。急ブレーキをかけないようくれぐれもご注意ください。
駐車場は5台分くらいです。
まとめ
社殿まで100段近くの階段を往復して、10~15分くらいの所要で参拝できます。
今回の槵觸神社も、先述の高千穂峰の麓にある高千穂河原もいずれも現地に行くまでは知りませんでした。
下調べしているようでけっこう抜けている私ですが、現地の方からおすすめされるというのはこれも巡り合わせなんだと思って感謝しております。
最近は旅のスケジュールにも余裕を持たせているので、お薦めされたら足を運んでみるということもできるようになってきました。
最近はSNSなどで拡散ということもありますが、やはり現地に行って対面でお薦めされるスポットは最強だなと感じたのでした。