2022年10月の佐賀の旅行記です。
武雄市最古の神社である武雄神社を参拝。
まるでお城かと思うような立派な石垣と、白鷺に縁のある神社にちなんだ白く美しい社殿を堪能した後は、パワースポットして人気の大クス(楠)へ向かいます。
パワースポット 武雄の大楠へ
武雄神社のご神木「武雄の大楠」へは社殿奥にある鳥居をくぐります。
御神木への鳥居
扁額に「御神木」と書かれているのははじめて見ました。
もみじ道
あと1ヶ月もすれば紅葉に染まるという10月下旬のようすです。
秋でなくてもこの新鮮な緑が楽しめるので十分なヒーリング効果があります。
参道にはスピーカーも設置されヒーリングミュージックが流れていました。
まあ、これは演出がオーバー気味かと・・・(無音でいいです、私は)
御神木らしきゴツゴツした木が見えてきました。
御神木 武雄の大楠
これが武雄神社の御神木である楠(クスノキ)です。
高さ30m、幹回り20mほどあり、全国巨木ランキングで第6位となっています。
(出典:日本の巨木 ベスト10)
樹齢は3000年以上といわれ、市の天然記念物にも指定されています。
根元の中央には大きな空間(約12畳)があり、内部には天神さまが祀られているそうです。
植物保護の柵が設けられているため、近寄って触れることはできませんでした。
しかし、ちょうど傾きはじめた陽に照らされた木には神々しさを感じましたよ。
ここでふと、最近クスノキの巨木にご縁が続いているので、ちょっとまとめてみました。
国内の巨木ランキング
巨木ランキングデータ(出典:日本の巨木 ベスト10)を見ると、
ベスト10(11件)のうち10がクスノキでした。
巨木(巨樹)ベスト10
1 | 蒲生のクス | 鹿児島県姶良郡蒲生町 | 24.2m |
---|---|---|---|
2 | 来宮神社の大クス | 静岡県熱海市西山町 | 23.9m |
3 | 北金ヶ沢のイチョウ | 青森県深浦町 | 22.0m |
4 | 本庄のクス | 福岡県築上郡築上町 | 21m |
4 | 川古の大クス | 佐賀県武雄市若木町 | 21m |
6 | 武雄の大クス | 佐賀県武雄市武雄 | 20m |
6 | 衣掛の森 | 福岡県糟屋郡宇美町 | 20m |
8 | 柞原八幡宮のクス | 大分県大分市八幡 | 18.5m |
9 | 隠家の森 | 福岡県朝倉市山田 | 18m |
10 | 志布志の大クス | 鹿児島県志布志町 | 17.1m |
10 | 大谷のクス | 高知県須崎市 | 17.1m |
ほとんどが九州に存在しているというところからクスノキの特性もわかります。
武雄市内にはもう1本、大きなクスノキがあるようです。
そして、温暖な九州勢に食い込んで、わが静岡県のクスノキがランクインしています。
木の種類別によるランキングも参考にしてみたところ、杉やケヤキ、イチョウに比べてもクスノキの大きさが顕著です。(東北地方にはカツラの巨木が多数ありますが)
(出典:巨樹|樹の国・日本)
※巨木・巨樹の定義や、測定のランキングは諸説あります。
クスノキの特性
クスノキは常緑樹で、暖かい地に多く生息しています。
アジアでは台湾やベトナム、中国や韓国の南部に多く見られ、そこから日本に入ってきたとされます。
国内では関東以南、特に九州や四国を中心に東南海で多く見られます。そのうち8割が九州となっています。
クスノキから出る樟脳(しょうのう)という成分は防虫性が高いため、古くから仏像にも使われてきました。
そして、古くから神社にあるものは、信仰の対象として御神木とされてきました。
私は、小さいころからクスノキには比較的なじみがありましたが、これは静岡県に住んでいるからなんですね。全国どこでも見られると思っていたのでちょっとビックリ。
静岡県内のクスノキの巨木たち
武雄神社のクスノキがそれほど大きなものだとは帰ってきてから知りました。
そして、武雄神社に行った1ヶ月後に、熱海の来宮神社に行きました。
(ランキングを知らずに、です。やっぱり旅の連鎖ってあるんだなぁと感じます)
来宮(きのみや)神社の大楠(熱海市)
幹回りは23.9メートル。第1位の大クスと僅差です。
周囲の人と比べてみるとその巨木ぶりがよくわかります。
この時は、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」ゆかりの地めぐりだったのですが、鎌倉に行く途中に熱海の2つの神社(伊豆山神社と来宮神社)に立ち寄りました。
同じ県内なのにこの大クスとのご対面は初めてでした。伊豆は遠い・・・
(来宮神社と伊豆山神社の参拝の記事はそのうちまとめる予定です)
そして、わが浜松にあるこちらの大クスもご紹介します。
浜松八幡宮の雲立のクス(浜松市)
幹回りは13メートルなので若干小ぶりなものの、39位にランクインしています。
この木にも人が入れるくらいの大きな空洞があります。
この空洞には「三方ヶ原の戦い」で、敗走中の徳川家康が隠れたとも伝わります。
先日、大河ドラマの紀行で、松潤家康が参拝しているようすが放映されたばかり。
まあ「家康敗走伝説」は、小豆餅(あずきもち)にはじまり、食い逃げの”銭取”など事欠きませんけどね。
熱海梅園の三つ子クス(熱海市)
幹回りは13メートルで、上記の雲立のクスと同ランク。
来宮神社と同じ日に行きましたが、こちらは紅葉が見事すぎてクスノキには目もくれずに一周してきましたので、クスノキの写真はありません(苦笑)
紅葉や梅などの「主役」がなければ木々にも目を向けていたかもしれませんが・・・
今度訪ねるときにはしっかり見てきたいと思います。
こちらは杉ですが、場所柄(ゼロ磁場にある伊勢神宮の別宮)といい自然の神秘を感じる木です。
日本人と樹木崇拝
世界にはその形は違いますが樹木崇拝(信仰)というのがあります。
人間の何十倍も生き続けてきた樹木に神秘的なものを感じるのは当然のこと。
年輪に記録を残している樹木には、確実に生命が存続してきた証を実感します。
日本の場合は、巨木や老木に崇拝の対象があることが多いようです。その代表的なものが神社の境内にある御神木です。
台風などの被害でこれらの木が倒れるとニュースになることも度々あります。
それくらいその地に生活する人たち、さらには私たち日本人にとって、樹木とのつながりは密接なのだと感じます。
大小にかかわらず、樹木が生育する山々をもっと大切にしていかなければと改めて感じました。
そして、ランキングを見ていたらナンバーワンの巨木を見に行きたくなってきました。
クスノキ以外のイチョウや名物桜といわれるものも気になります。
巨大工事現場やダムが好きな私。次なる目標は巨木巡りか!?(爆)