2022年10月の佐賀の旅行記です。
武雄市内をあちこち走り回る中、近年発見された「ミステリー」が話題になった武雄温泉の楼門へ。
東京駅との深いつながりのあるこの楼門のミステリーやいかに・・・
歴史的な温泉好きはもちろんですが、建造物好きとしても外せない有名建築がここにはあります。
武雄温泉と重要文化財建造物
武雄(たけお)温泉は、1300年の歴史を持つ温泉で、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際には負傷した兵の湯治場としても使われたという記録もあるそうです。
その温泉のシンボルとして1914(大正3)年に佐賀県唐津市出身の辰野金吾氏の設計により造られたのが楼門です。
武雄温泉楼門(重要文化財)
寺院でよく見かける「竜宮門」という建築様式の門ですが、この奥にあるのは温泉。
釘(クギ)を一本も使わず作られています。
辰野金吾氏といえば、日本でもっとも有名な建造物 東京駅丸の内駅舎や日本銀行本店、大阪市中央公会堂など西洋建築の手法をとりいれた建物が多く残っています。
旧日本銀行小樽支店も辰野金吾氏によるものです。
そのような中で、この楼門は数少ない和風建築となっています。
門をくぐると見えてくるのがこちらの新館
武雄温泉新館(重要文化財)
こちらも楼門と同時期に造られており、現在も現役で使われている温泉の施設です。
雰囲気としては、休憩室を備えた道後温泉の本館といったような感じでしょうか。
日帰り温泉入口
このノスタルジックな雰囲気がいいですよね~
熱いお風呂大好きな私好みの温度です♡
しかし、嬉野へ急がなければならないので断念。
もう1日あれば、武雄温泉&嬉野温泉と温泉三昧したかったのですが・・・
ちなみに新館の建物内も無料で見学が可能となっているようですが、これも見ず・・・(何しに行ったんだか)
そしてもうひとつ、こちらも実物を見ることはできなくてざっくり解説。
武雄温泉楼門のヒミツ
東京駅と武雄温泉はつながっていた
こちらは東京駅舎(丸の内口)
武雄温泉楼門と同じ年に完成した旧東京駅舎。
第二次世界大戦によって焼失し、その後は形を変えて復興しましたが、南北のドームと3階部分を建築当初の形に復原する工事が行われ、2012年によみがえりました。
ドーム内部の天井のレリーフなども建築当時のものが復原されています。
角になっている下に緑地に白の円形のレリーフがあります。
写真ではわかりにくいのですが、ここには干支が描かれています。ドームは八角形なので干支は8個。
12の干支のうち、東西南北をあらわす 卯(うさぎ)、酉(とり)、午(うま)、子(ねずみ)がいません。
その4つが、東京駅復原完成の翌年に武雄温泉の楼門修復で発見されたというニュースがありました。
最大の代表作である東京駅舎と郷里 佐賀の楼門が干支でつながっていたという歴史的発見です。こういう遊び心のあるセンスがステキだなと思います。
それを知ってから気になって気になって・・・
これを見る満々で武雄までやってきたわけですが、なんと!
この日は月曜日。翌朝ここまで再び戻ってきて見学会に参加しようと思っていたのに休館日でした~
楼門干支見学会のスケジュール
【住所】佐賀県武雄市武雄町武雄7425
【営業時間】9:00〜10:00
【参加費】500円(元湯入浴券付き)
【定休日】毎週火曜日休館
※2023年6月現在、見学料が変更されています。
※見学会は2024(令和6)年3月31日までの期間限定となっています(延長の可能性あり?)
楼門の2階で4つの干支が見られるという貴重な体験が幻に終わってしまいました(泣)
武雄温泉楼門の場所と駐車場
武雄温泉駅からは約1km。徒歩で15分ほどの距離にあります。
新館の前に温泉利用者の無料駐車場があります。撮影がてらぐるりと見学する15分ほど駐車しました。
辰野作品へのオマージュ!? 武雄温泉駅舎
私が武雄温泉を訪ねたのは西九州新幹線が開業して1ヶ月ちょっとの頃。
せっかくなので新幹線開業に合わせてリニューアルした駅舎を見物に。
全然違うといえば違いますが、見方によってはちょっぴり東京駅の雰囲気が。
こんな角度で見ると東京駅っぽい(笑)
そして反対側のデザインもよ~く見ると・・・
楼門入口のカーブが再現されています。
駅舎の中もオシャレでみどころがいっぱいですが、これはまた後日。
新幹線”プチ乗車”とあわせてご紹介します。